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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 幻想の星
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45-1 罠からの脱出 外の世界へ戻る

  

「さて、アニスを迎えに行くところまではなんとか作戦が立ったけど、問題はその後だ。四人揃ったとき、向こうがどう出るかわからないから、出方を見ながら対応してくしかないな」


「そういえば、モスカールが何か作戦を立ててるみたいだけど」バーネットが話を振ると「そうなんだ。どんな作戦なんだ?」

『それは……』


『モスカールの作戦は、みんなが揃ったときに話したほうがいいんじゃないかね?』主が言葉を(さえぎ)って口を挟んでくる。

『先のことまで考えると、途中で何かあったとき、慌てて考え直さにゃならんだろう? そうなれば、話してる時間は無駄になるし、焦って失敗してしまうじゃろう』


『主の言うとおりだ』モスカールは頷くと『私の作戦が使えるかどうか、みんなが揃ったときの状況を見て話すよ』

「それがいいかもしれないわね。敵はかなり頭が切れるみたいだから、様子を見ながら作戦を立てて進んだほうがいいわ」


「確かにそうだな。じゃあまずは、アニスを連れ戻すところまでを一区切りとしよう」

『では、果物を調達してくるよ』ワインを飲み干すとモスカールが部屋から出ていく。


「それにしても、こんな事になるとは思わなかったわ」白ワインを飲むバーネット。「避けて通ろうとした幻想の星が精霊界で、しかも、七十年も前から乗っ取られてたなんて」

「そうだな。でも、あまりにも事が大きすぎて、まだ理解できないところがあるから、よくわからないよ」


「そうね。ああ、ロイ。あまり飲んじゃダメよ」彼がワインボトルを取るので慌てて止め「薬を飲まなきゃいけないんだから、アルコールは控えて」

「ああ、そっか」渋々ボトルを戻すと「付いてないな。美味しいワインがあるのに、飲めないなんて」名残惜しそうに目の前のボトルを見る。


 それから少し経つと、モスカールが大きな布のバッグを二つ肩に下げて戻ってきた。


『これだけあれば足りるだろう』バッグを床に降ろすと「そんなに持ってきたの? かなり重そうね」

『時間がないから、交渉に時間が掛からないようにしないとね』


「そういえば、どうやってここから出るの? この世界での鍵を取りにいかないと出られないんじゃないの?」モスカールを見ると『持ってるから心配ないよ』


「持ってるって、いつ取りに行ったの? それとも誰か予備を持ってたの?」

『主が用意してくれたんだよ。連れてくる価値があるだろう?』

『モスカール、なんじゃその言い方は』

『悪かったね』


 準備が整うと部屋から出て長老のところへ行き、お世話になったお礼を言って住居から出ると、付き人たちに見送られてドアの部屋へ続く穴へ入る。


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