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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 幻想の星
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37-3 事件の調査

 

「やはりそう思われますか?」

「ええ。これは、その警官に詳細を問いたださないといけないわね」

「しかし、捜査は終わってますから」

「捜査記録が残ってるはずです。それを見せてくれるよう頼んでみます」

「そうですか。しかし、あまり無茶なことはしないでください」


「大丈夫です。では、お忙しいところをありがとうございました」メモ帳をしまうと「代償の件ですが」

「また、新聞にうちの広告を載せていただけるんですか?」

「すみません。今回は枠が一杯で、お載せできないんです」

「……そうですか」

「ですので、今回はディナー券をお持ちしました」バッグから出してテーブルに置く。


 ここへ来る途中、代償について考えていたとき、買った新聞の広告欄に、有名レストランがディナー券を出したという広告が出ていたので、かなりの値段がしたが、効果があるだろうと思って購入していた。


「ああ、このレストランには一度行きたいと思ってたんですよ」

「では、これでよろしいですか?」

「もちろんです。というより、多過ぎます」


「構いません。喜んでいただければ、選んだ甲斐があります」

「早速今夜、家内と一緒に行ってきます」

「美味しい物をたくさん食べてきてくださいね。では、これで失礼します」

 宿屋から出ると、事件が起こった飲み屋へ向かった。


 ところが、角を曲がってもう少しで着くというところで、ガラの悪い数人の男たちに囲まれてしまった。


「急いでるところを悪いが、ちょっと一緒に来てくれねえか?」威圧的な態度を取るので「何を代償としてやってくれるのかしら?」(にら)みかえすと「あんたの耳に入れときたいことがあるんだよ」


「そう。でも、ここで言えないことだったら断るわ」歩きだすと銃を背中に付きつけ「言うこと聞かねえと、背中に模様を付けることになるぜ」


「……あんたたち、何者なの?」

「それは、一緒に来てくれたら話すよ」

「こんな所で銃を撃ったら、周りの人が気付くわよ」

「サイレンサーと言うものが付いてるから、気付かねえよ」

「……わかった」抵抗するのをやめると、路地裏へ連れていかれる。


「急いでるところを悪いなあ。けど、言うこと聞いてくれれば、すぐ退散するよ」

 そこには数名の男が待っていて、中心にいる男が凄みのある声で話し掛けてきた。


「何をすればいいのかしら?」

「あんたがあの宿屋で受け取った物を、渡してくれればいいだけだよ」


(この人、ロイのバッグを取りにきた警官だわ)

 話に聞いたとおりの大柄な男で、両手に包帯を巻いている。

(やっぱりこの事件、裏に何かあるわね)


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