表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 幻想の星
430/1026

22-3 束縛の世界

 

 翌朝、ドアをノックする音で目が覚めた。

 目を擦りながらドアを開けると、昨夜、夕飯を運んでくれた女性たちが、朝食と、服をきれいに洗濯して持ってきてくれた。


「枕が変わると寝付けないんだけど、今回はぐっすり寝られたな」

 寝る前に飲んだワインが効いたのだろうと思いつつ服を着替えて朝食を食べると、お皿を片付けにきた女性たちに混じって、長老の使いの男が一緒に入ってきた。


「時間が早いのですが、お急ぎのご様子なので、早めにお迎えに参りました」

「ありがとうございます」答えると「お世話になりました」お皿を片付けている女性たちに声を掛け、部屋から出る。


 案内の男について大婆様がいる一番上の部屋へ行くと、中に入った。


「こちらへお掛けください」

 奥に座っている大婆様の付き人の一人が指定する椅子に座ると「昨日はお疲れ様でした。よく働いてくれたと報告がきています。では、あなたがお聞きになりたいことにお答えします。ご質問をどうぞ」

「それでは、鍵がどこにあるのか教えていただけますか?」


「あの鍵の場所は、ここから西へ三つほど行った国の領主に聞くといい」大婆様がモゴモゴした口調でしゃべる。

「三つ先ですか。かなり距離がありそうですね」


「ここでは、他の国へ入るのに通行証が必要です。それは作っておきましたので、無くさないように持っていてください」椅子を勧めた付き人が合図を送ると、後ろに控えていた男が通行証を渡す。


「国境を越えるとき、それを提出してください。失くしたら入国できませんので、保管には十分に注意してください」

「わかりました」通行証をポケットに入れ「他の国に入国するにあたって、注意することはありますか?」


「国へ入ると最初に領主の館へ連れていかれ、滞在料として仕事を言い渡されます。その仕事は最低でも二日やらなければなりません。この事は規則で決まってますので、どの国でも同じです」

「最低二日ですか?」

「そうです」


「参ったな。それじゃ鍵の場所を知る領主の国へ行くまで、大分日数か掛かってしまう」困った顔をすると「急いでるからといって決まりを破ると罰せられますから、絶対に守ってください」


「違反したらどうなるんですか?」

「重い罰が課せられます。最低でも二十日間は牢に入れられますし、違反した分の労働が課せられます。それに、通行証にも記載されますので、何回も違反すると、国によっては、入国を拒否されてしまうこともあります」


「そんなに重い罪なんですか?」

「これは、この世界での決まりですから」

「そうですか。わかりました。規則は守らないといけないですからね」

「他には?」

「そうですね……国境まで案内していただけませんか?」

「わかりました。手配しますので別の部屋でお待ちください。後ろの者が案内します」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ