44-2 次の難関への行き方
食堂から出てそのまま病院から出ると、乗ってきた車の所までいく。
すると、二人の後ろから付いてくる刑事が「どうしますか? 話してくれるんですか? それとも、幻想の星へ行くのを諦めますか?」業を煮やし、少し荒げた声で聞いてくるので「ここら辺に、美味しいコーヒーを飲ませてくれる店はありますか?」ロイが筋違いなことを聞くと「ハア? コーヒーですか?」ムッとした顔をする。
「僕たちは、食後にコーヒーを飲むんですよ」
「それなら、この道を真っすぐ行った、二つ目の角の右側にある店が美味いですよ」病院の正面にある道を指すので「そうですか。行ってみます」
「で、どうしますか?」
「しばらく考えさせてくれませんか?」
「いいですよ。私はここにいますから、話す決心がついたら連絡ください」
名刺を出すので受け取ると刑事は病院へ戻り、ロイたちは大通りを進んだ。
教えてもらったカフェは山荘風のかわいい外観なのですぐにわかり、中に入って窓際の四人掛けのテーブルに座ると、お勧めのコーヒーを頼む。
「あの刑事から情報を聞くのは無理だな」ロイがガッカリすると「仕方ない。他の手を考えよう」向かいに座っているマーティが、次の手を模索する。「他の刑事に聞いても同じ条件を出されるだろうと言ってたから、警察関係は無理だな。あとは役所関係かネット検索だな」
『情報取るの、難しそうだよ』とシュール。『許可が必要です、なんて言われそう』
「その可能性は高いね」同意するロイ。
「そうなったら、またほかの手を考えるしかないだろう」疲れてくるマーティ。
そこへ、頼んだコーヒーが来たので飲むと「バーネットが淹れるほうが美味いな」早速マーティの分析が始まる。
「彼女は王宮お抱えのプロ直伝だから、比べたらかわいそうだよ」
「それもそうだな」文句を言いつつ飲むので『今は、コーヒーの味に文句を言ってる場合じゃないと思うよ』シュールが注意すると「どんな時でも、これは譲れない」
「確かにね」ロイも頷くので『そうだよね。言うんじゃなかった』言っても無駄なことを思い出して、ため息を吐くシュールだった。
「それで、どうする?」ロイに聞くと「とりあえず、エルに調査を頼んであるから、帰って報告を聞こう」
「調べさせてるのか?」
「行くことになるんじゃないかと思ってたからね」
「そうか」
『情報、取れてるといいね』
「さて、そそろそろ帰らないと、ティータイムの時間だ」ロイが腕時計を見ると午後二時半を回っていた。
「どんなケーキが出てくるか、楽しみだ」と言いつつため息を吐くマーティ。
「それは、見てのお楽しみだよ」苦笑するロイ。
『期待はしないほうがいいと思う』意地悪く言うシュール。




