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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 宇宙の難関
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10-2 宇宙の難関

 

「イノンドのほうに、クレイモアの谷について、新しい情報が来てませんか?」

“ああ、来てます。ちょっと待ってください”モニターから消え、少しすると戻ってきて “新しい情報によると、クレイモアの谷へ入ったとき、寝てた人には影響がなかったとあります”


「ということは、意識がないと影響を受けないのか。幸いにも殆どの人が寝てる。もし何か起きたとしても、最小限に食い止めることができるかもしれない」

「艦自体に何か起きれば、いくら寝てても起きるだろう?」

「起きないようにするほうがいいか、起したほうがいいか。難しい選択だな」


「今現在、起きてるのは約百人くらいだ。彼らに通達を出し、谷から出るまでお互いを監視させて、寝てる人には麻酔ガスで眠らせる、というのはどうだ?」

「その方法がベストか」同意するロイが「イノンドのほうはどうですか?」


“我々も、ほぼ同じ人数で稼動してます”

「護衛艦の二隻はどうですか?」

“同じ体勢で動いてます”


「マーティの作戦、どう思いますか?」

“他の方法を考える時間はありません”

「では決まりだ。イノンドのほうに麻酔ガスに似た作用のものはありますか?」

“あります”

「では、居住区のシャッターを閉めてガスを送り込もう。それと、各ブロックの責任者に指示を出すんだ。エル! 居住区の手配をしてくれ!」


“こちらもすぐに手配します” 隣にいるクルーに指示を出す。

「マーティ、居住区へ麻酔ガスを流すことと責任者への説明を頼む」

「わかった」返事をすると隣の作戦会議室へ走っていく。


“それで、どうやって谷に入りますか?”

「谷の磁場の勢力範囲ギリギリまで近づいたら、谷の入り口に数発撃ち込んで、磁場の勢力範囲を広げるんです」

“爆破を呼び水にして、谷の吸引力を広げるというんですか?”

「そうです。そうすれば奴らの宇宙船も一緒に引きずり込まれるので、攻撃してくる余裕がなくなると思います」


“上手くいくでしょうか。下手したら、艦の計器が狂って爆発してしまうかもしれませんよ”

「そうなったら、それまでだったと諦めるしかありません。うまくいくほうに掛けましょう」

“……そうですね。他に手がないのですから”


「では、時間を合わせましょう。エル! あとどの位で谷の勢力範囲に入る?」

「このまま行くと、あと十分ほどで入るよ!」

「イノンド。十分後に、谷の入り口の下部に撃ちこんでください。こちらは上部に撃ちこみます」

“了解しました”


「マーティ、終わったか?」インカムで話し掛けると “もうすぐ終わる”

「終わったら早く戻ってきてくれ。すぐに作戦を開始する」

『敵艦静かだね。なんか不気味だな』心配そうにモニターを見ているようで『本当に谷の中へ入るの?』とシュールが聞いてくる。

「それしか方法がないんだ」


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