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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 宇宙の難関
321/1022

8-1 逆恨みの影響

 

 そんな平和な日々が続いたある日。

 午前三時。


 ピーピーピー。


 サイドランプの(ほの)かな明かりが(とも)る寝室で、呼びだし音が鳴りだした。


 ピーピーピー。


「……ン? (うるさ)いな……」

『なあにい? 何の音お?』寝惚(ねぼ)けたシュールの声がする。


 ピーピーピー。


 腕を伸ばし、サイドテーブルに置いてある腕時計を見ると「何だよ。まだ午前三時じゃないか」


 ピーピーピー。


「わかったよ! 出ればいいんだろう!」サイドテーブルに組み込まれている通信ボタンを押して呼びだしに出ると “ロイ! 大変だ!”いきなり大声が飛びだしてきた。

 エルの交代要員で、夜間の通信担当からだ。


「何だよ。そんなに大声出さなくても聞こえるよ」

“そんな悠長なこと言ってる場合じゃない! 正体不明の船団に囲まれてるんだ! すぐこっちに来てくれ! “

「何だって! マーティを叩き起こせ! それとイノンドに連絡!」


 起き上がって通信を切ると、剣を持って部屋から飛びだす。


『なあにい? まだ起きる時間じゃないでしょう?』寝惚けているシュールが文句を言うので「起きろ! 緊急事態だ!」

『エッ! 何? 何が起きたの!』

「謎の船団に囲まれてるらしいんだ!」


 コントロール室に行くと、通信席で、同じように呼びだされたエルがイノンドに連絡を取っていた。


 ロイが中央のメインシートに座って前方スクリーンを見ると、半円を描いて、レジーナ・マリス号を後ろから取り囲んでいる船団が映っていた。

 一体、何隻いるのかわからない。


『あれは何? なんで追ってくるの?』目が覚めたシュールが考える。

「エル、あの船団は何者なんだ?」

「わからない。通信を送っても返事がこないんだ」


「イノンドには繋がったか?」

「ダメ。どうやら妨害電波が出てるみたいだよ」

「ということは、友好的な船団じゃないな。それにしても、なんでもっと早く気付かなかったんだ?」

「それが、さっき急に現れたんだ」ロイに連絡してきた、夜間勤務の通信担当が答える。


「ワープしてきたら反応があるだろう?」

「あったら気付いてるよ」

「じゃあ、ワープしてきたんじゃないのか?」

「ワープしてきたんだけど、まったく反応がなかったんだ」

「そんなことないだろう?」

「ないけど本当なんだよ!」


「レーダーが故障してるんじゃないか?」

「そんなことない。でも、ワープするときにできる空間の歪みも、エネルギー反応もまったくなかったんだ」

「そんなことあるのか?」もう一度前方スクリーンに目をやると、さっきより近づいてきている。「一体何が目的なんだ? ン? あの旗は……」


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