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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
299/1023

52-2 未解決の問題について

 

「エエッ! ちょっと、どういうこと?」

「その事に関わってると思われるのが、ブロードリーフ王子と飼い猫のシリアンなんだよ」


 ロイは広場でシリアンに会ったところから話し、そのシリアンに王女の意識が移っていて、ウッドラフ星の星王たちが行っている悪事を聞き、王宮に潜り込んだところ、バーネットと会ったところまで説明する。


「でも、私とアニスがシリアンを連れて寝ている王女の所へ行ったとき、シリアンはアニスの言うとおりに行動して王女の身体に戻って、王女の意識が戻って起きあがるとシリアンは元の猫に戻って、捕まえるのが大変だったのよ」


「それが演技だったとしたら?」

「演技? 猫が?」

「そう。猫の姿をした、そうだな、例えば守護獣とか」

「なんですって! シリアンが守護獣? なんの?」

「例えばの話だよ。普通の猫じゃなかったということ」


「普通じゃない、守護獣のような存在って、それは精霊側の何者かだったってこと?」

「そう考えられるだろう?」

「確かに、人の意識が別の動物に移行するなんて聞いたことないけど……」


「そういう設定にするには、まず王女の行動を制御する必要がある」と言うマーティに「王女を研究所に連れてきたのはあの王子なんでしょう?」

「王女の話によるとな」

「ロイたちは、あの王子が偽物なんじゃないかと思ってるの?」

「思ってるんじゃなくて、偽物だと確信してるよ」


「でも、もし偽物なんだとしたら、小さい頃から一緒だった王女が気付くと思うんだけど」

「それは王女本人に聞いてみなければわからないけど、彼らが精霊側の者だとしたら、催眠術か暗示のようなもので記憶を操作した可能性は考えられる」


「催眠術か暗示ねえ……まあ、何かしらの細工があったということはありそうだけど……」

「もしあの王子が偽物ならば、近いうちに、記憶障害にあってる本物の王子が見付かるはずだ」言い切るマーティ。


「それは、記憶喪失になってるということ?」

「たぶん、一時的な記憶混濁(こんだく)ぐらいだろう」

「記憶の混濁(こんだく)ね……」


「そういえば、その王子の消息はどうなってるんだ? イノンドから続報は来てないのか?」ロイに聞くと「足取りは徐々に(つか)めてきてるみたいだけど、どうだろうな」

「とにかく、イノンドの報告待ちだな」

「そうだな。さて、今日はもう遅いから、部屋へ引き上げよう」


 時計を見ると午前一時を回っていた。


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