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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
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42 大仕事の後の対応

 

 中央テーブルには、大皿に盛られた料理がたくさん乗っていたが、手が出ない。


「大丈夫ですよ。どれも辛くありません」ディルが気付いて声を掛けてくるので、ロイとマーティが小皿に取りわけて食べだすと、二人につられてアニスとバーネットも食べはじめ、次々と大皿が空になっていく。


「私たちも食べないと、食いっぱぐれてしまいそうですね」四人の食欲を見て呆気に取られるイノンドが慌ててフォークを持つと「大丈夫です。たくさんご用意しましたから、ゆっくり召し上がってください」と言うジュニパーだが、予想を遥かに上回っている食欲を見て驚いていた。



 食後、先ほどまでいた隣の部屋へ戻ると「長い一日だった」窓際の席に座り「このアイスコーヒー、誰が入れたんだ?」グラスを持つマーティ。

「私よ」向かいに座っているバーネットが答えるので「相変わらず淹れ方がうまい」と満足顔。


「ロイ様、火炎の宮殿はいかがでしたか?」隣の席に座る王女。

 どうやら、バーネットがライバルでなくなったと感じたらしく、以前にもまして積極的にくっついてくる。


「すみません。疲れてるので、話は明日でいいですか?」

「わたくし、ロイ様のお帰りを、首を長くしてお待ちしてましたのよ」


「……わかりました。宮殿はとても幻想的なところでしたよ。まるで、立ち昇ぼる炎の中に建ってるようでした」話しだすと嬉しそうな顔をして「まあ! そうですの。わたくしも拝見したかったですわ」と目を輝かす。


「でも、とても暑くて、王女は一緒に来なくてよかったですよ。もし来てたら、途中で脱水症状を起して、倒れてましたよ」

「……そんなに、大変な所でしたの?」

「暑いし埃っぽいし火傷はするし。おまけに閉じ込められましたからね」


 そう聞いて言葉に詰まる王女。それぞれの状況を自分なりに想像したらしく、表情が強張(こわば)る。


「王女が行かれるような場所ではありませんよ」

「……そういう所は、苦手ですわ」


「王女には無理ですよ。泥遊びすらされたことがないのではありませんか?」イノンドが聞くと「服を汚したらいけないと言われていましたので、土を使って遊んだことはありませんの」困った顔をするので「そうでしょうね」納得して(うなず)く。


 ロイたちが話している間、マーティが隣に座っているアニスに「手の火傷は大丈夫か?」と聞くと「大分、痛み、引いた」火傷した手の(こう)を見る。

()れが引くまで、なるべく手は使うな」

「ええ」


「話の途中でごめんなさい。今日はこれで部屋に戻るわ」アイスコーヒーを飲み終えたバーネットが席を立つと、イノンドが「我々も部屋へ戻りましょうか。明日は帰らないといけませんからね」みんなを(うなが)す。


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