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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
281/1022

38-1 事の発端

 

 コストマリーはシーホリーを見ると『抜けてるところがあったら補足して』

『ああ、わかった』(うなず)くと話しはじめる。


『人間界と精霊界は、次元が違うけど重なってるのよ。

 だから、ここのように門と呼ばれる、行き来できる場所がいくつか存在するの。


 そして、その次元の間に異種空間が存在してて、そこには、時の流れを制御するエネルギー体のようなものが存在してるの。


 そのものがあるから、時が同じ速度で流れるの。そう、時を制御する、次元を制御してるものなのよ。


 その場所に入るには、まず外楼(がいろう)と呼ばれる小さな館に入るための五つの鍵を開けなければならないの。

 その鍵とは、あなたたちが各門に入って、そこの守護神に渡している前の門から持ってきたクラヴィスと呼ばれる鍵よ。

 なぜ各門を通るのか、これが答えよ。


 その、時を制御するものは高次元帯域である高密度の光粒子(こうりゅうし)の中に浮かんでいると言われてるの。そこはいかなる生物でも入ることができない帯域。

 何もせずにその帯域に入ってしまうと消滅してしまうそうよ。


 でも、その光粒子の帯域の流れを止めることができるものがあるの。

 それが、古代神の聖剣と呼ばれる剣。あなたが持つラディウス・ソリッシュよ。


 ここからが今回の騒動の説明よ。


 そこは一種の聖域で、()(かた)と呼ばれる守護者と、門と同じようにそこを守護する守護獣が守っているんだけど、実は、だいぶ前に聖域に入ろうとした者がいて、外楼(がいろう)の一棟が壊されてしまったことがあるの。


 その時は()(かた)が侵入を阻止して、守護獣が壊された外楼を修復したから事なきを得てるけど、何者の仕業なのかわかってないのよ。


 その後、守り方の女官が、今度は自分たち守り方を狙ってくる可能性があると予言したので、守り方たちは守護獣と共にエネルギー体ごと、一時的に姿を隠すことにしたの。


 しばらくの間、何も起きずにいたけど、ある日、隠れ場所近くで異変が起きて、何者かが乗り込んで来ようとしたのよ。

 そのため、エネルギー体の逃走先をかく乱するために守り方たちが一斉にバラバラに逃げて、何とか逃げ切ったそうよ。


 少数となった守り方たちは身を隠すためにいろいろな所を渡り歩き、今の場所に落ち着いているけど、ここに来て、エネルギー体がかなりの期間、定位置にいないので、世界全体の流れに(ゆが)みが起きてくるようになってしまったの。


 このままでは先に精霊界から(ゆが)みはじめて、最終的には人間界も(ゆが)みの中に巻き込まれてしまうことになるので、一旦、元あった場所に戻し、歪みの回復を図る必要がでてきた。


 しかし、下手に動くと正体不明の追っ手に気付かれてしまう恐れがあるため、その状況を打開するために、ラディウス・ソリッシュを呼ぶことにしたの』


『今はまだ、守り方の力で歪みを修復できているようですけど、影響は先に精霊界から始まっています』朱雀(すざく)が補足する。『小規模な影響ですが、地殻変動による変異的な地震や、気象の変化など、予兆が出ています。ここも、夜に変わった揺れ方をする地震が起きてきました』


『ここの宮殿は大丈夫なのかね?』シーホリーが心配すると『そのためにイグナス・ヴェナンディが動いてくれますから』


『ああ、そうか』頷くと『では、私からも助言を』ロイとマーティのほうを向くと『第四と第五の門は、行くのに難しい場所にあると聞いている。さらに、門に入った後、目的の場所まで行くのにかなり複雑らしい。なので、門がある星に着くまでに十分休養を取って、万全の態勢で(いど)んでくれ』


 ロイとマーティが頷くと『あなたたちの質問に答える時間がなくて申し訳ないけど、きっと体力が限界だと思うから、そろそろ戻りましょう』コストマリーがロイたちの状態を心配して声を掛ける。


『ロイ』隣にいるシュールが心配そうに見上げるので「まだ大丈夫だよ」


「聞きたいことがあるが、大方、知りたかった情報が聞けたから、戻って検証しよう」とマーティが声を掛けてくるので「そうだな」ポケットの中の携帯の録音を止める。


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