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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
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19 食い違いの解明

 

「ちょっと待て」今度はマーティが(さえぎ)る。

「君ら三人が姉妹だということは言われなくともわかる。ソックリだからな。君らが三つ子で、バーネットが姉か妹というのであれば、何とか納得しよう。

 しかし、四つ子だとすれば、一人だけまったく違う顔、髪や肌、瞳の色をしてるのはおかしいだろう。

 それと、一番の疑問は、当のバーネットがこの事をまったく知らないという点だ。

 これらの事をどう説明するんだ?」


「それは、彼女の封印を解いてから説明しよう」ローズドックがサークレットを外すとディルとジュニパーも外し、ローズドックに渡す。

 すると、ディルとジュニパーの髪が金髪に変化していく。


『ワアア! 髪の色が勝手に変わってく!』シュールがパニックを起こすので「シュール、落ち着け」と言うロイもパニックしかけている。

「ますます化かされてる気分になる」冷静なマーティも、このときばかりは驚きを表情にだす。


 そして、瞳の色もローズドック同様、赤みがかった金色に変わっていた。


「頼むから、理解できることをやってくれよ」大きくため息を吐くロイ。

「夢の中、女性、ボヤけてた、同じ顔、何人もいた、から?」


「もしかして、今朝マーティが言ってた「ある話」って、アニスのことですか?」ディルに聞かれると「そうだ。アニスはかなり正確な予知夢を見るんだ。先日、ここでの夢を見て、その中に、髪の長い金髪の女性が出てきたそうだが、その女性はボヤけて見えたそうだ」


「二人の髪の色が金髪だったことは私も驚いたけど、みんなが何を話してるのかさっぱりわからなくてイライラするわ」

 バーネットの不機嫌な顔を見て「早く封印を解かねばならぬな」ローズドックはディルのサークレットを下に、ジュニパーのを上に重ねて元の形に戻すと「さあ、それを填めよ。さすれば記憶がよみがえる」


 バーネットは戸惑いながらも受け取って額に填めると短い(うめ)き声をあげ、手で顔を(おお)うと(うつむ)く。


「大丈夫か?」隣にいるロイが心配して(のぞ)き込むと「心配されるな。今、封印が解けておる最中ゆえ、しばらくそのままに」と言われ、彼女が顔を上げるまで待つことにした。



 四・五分して(うつむ)いていたバーネットが顔を上げると「ディルたちと同じ顔だ!」驚くロイが慌てて彼女から離れる。


「フゥ」バーネットは頭を押さえてため息を吐くと「すべて思い出したわ」

「まったく、そなたが死んだと聞かされたときは、スペアのペンダントがなかったゆえ、どうしたらよいか混乱したぞ」

「ごめんなさい。心配かけたと思ってるわ」


『ねえ。どんな仕掛けがあるの?』

「ああ、みんなが話してたのはあなたね?」

『私の声が聞こえるんだ』


「やっとね」サークレットを外すと黒かった彼女の髪が金髪に変わり、肌の色が褐色(かっしょく)に変化していくと、瞳の色も赤みがかった金色になっていく。


「バーネットも金髪だったのか!」驚くロイに「そうよ」と答えると、サークレットをローズドックに返す。


『なんで肌の色や瞳の色が変わるの?』恐る恐るシュールが聞くと「封印が解けたからよ。私も巫女の一人だから」


「目まぐるしい変化に、付いていけそうにないぞ」マーティが困った顔をすると、ディルが「気分直しに何か飲み物を入れますね」立ち上がり、奥に置いてあるティーセットを持ってきてお茶を入れはじめる。


「では、封印が解けたところで、そちらの話の続きを聞かせてくれないか?」混乱するロイが話を進めると「私が第三の門のキーマンよ」


『ウソだああああああああ!』絶叫するシュール。

「ちょっと待て。バーネットが第三の門のキーマンとはどういうことなんだ?」さらに混乱するロイ。


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