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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第二章 「第一の門 / 鏡の泉の門」
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5-3 謎の声

 

「そうらしい。まず、こちらのメンバーを二手に分ける。敵の侵入を防ぐ者と、この基地にいるメンバー全員を西端の部屋に集める者。人選は任せる」


『先に西端の部屋にいって』

 例の声が指示を出すので「僕は西端の部屋へいく」


「ちょっと待てよ。残党狩りのチームがいるって、本当なのかよ」怪訝そうな顔をするセージに「さっきも言ったとおり、理由を聞かずに動いてほしい」


「いや、いきなり来てそんなこと言われてもさ」

「セージ、今はロイの言うとおりにしろ」

「マーティは信じるのかよ」


『モタモタしてる時間はないよ』また声がするので「敵が動きだす。早く動いてくれ!」

「マジかよ!」

「セージ、ここはお前の管轄だ。振り分けてくれ」


「……わかったよ。俺はコントロール室へいって、内線で移動するよう伝える。その後、対戦に備えて準備する。マーティは奴と一緒に西端の部屋へ行ってくれ。お前がいれば、みんな言うことを聞くだろう」

 ロイを見ると「西端の部屋からどうやって逃げだすんだ? あの部屋に脱出口はねえぞ」


「なければ作るしかないだろう」

「ハァ? 忘れちゃいねえだろうな。ここは地下だぞ」

「もちろんわかってる」


「セージ。とにかく動くぞ」

「わかったよ。じゃ、行動開始」


 セージの合図で二手に分かれ、それぞれの場所へ向かう。


 マーティたちに付いて西端の部屋へ入ると、そこは小ホールになっていた。

 その時、内線放送が入り、セージが移動を(うなが)す。


 ロイは左側の壁際まで行き「西端の部屋に来たぞ。これからどうするんだ?」声の主に話し掛けると『逃げ道を作る』


「どうやって? 爆弾でも仕掛けるのか? ここは地下だぞ」

『そうだね、吹っ飛ばす』

「吹っ飛ばす? 何を?」


『見てればわかる』

「頼むから、基地は吹っ飛ばすなよ」


『部屋の左奥にいって』

「あんなところで何を吹っ飛ばすんだ?」


 ロイが歩き始めると、基地内にいるメンバーが続々と部屋へ入ってきた。


「着いたぞ。ここで何するんだ?」

『剣を抜いて、左側の壁に向かって立って』

「なぜ?」


『ここの壁を吹っ飛ばす』

「エ?」


『剣先を、壁の半分からちょっと上に向けて、しっかり剣を握って』

「本気か?」

『行くよ!』


「あ、ああ」剣をしっかり握るとまた光を放ちだして、その光が剣先に集まると大きく膨らみ、一瞬、光が増すと目の前の壁めがけて飛んでいく。


 ドォーン! ゴゴゴゴゴゴゴッ!


 ものすごい音とともにモウモウと煙が立ち、ロイは衝撃で後ろに数メートルずり下がった。


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