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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
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18-2 食い違い

 

『ローイー、訳がわかんないよぉ』シュールが困ったように訴えるので(僕もまったくわからないよ)考えはじめると「(われ)からも聞いてよいか?」ローズドックが話し掛けてくる。


「あ、はい、なんでしょうか」

「なぜそちは、バーネットが一緒にいることを疑問に思うのじゃ?」


「エエッ!」

「それじゃ。なぜ驚く」

「なぜって……」


「ロイ。思ってることを素直に話したほうがいい」マーティが話に入ってくる。「そのほうが、どの部分に相違があるのかポイントが(しぼ)れるだろう」


「ああ、そうだな」納得するロイはローズドックのほうを向くと説明を始める。


 ここへ来る前に寄った星でアクシデントがあり、人助けのために潜り込んだ先で、大勢の研究員と一緒に閉じ込められていたバーネットと会い、助けたこと。

 その時、解放された人達を乗せたことがキッカケで、彼らの健康状態を見ていた彼女を艦に乗せたこと。

 その彼女が偶然にも目的地近くの星の出身で、この星に叔母がいると聞き、紹介してもらうために案内してもらったことを話すと、ローズドックとジュニパー、ディルが驚いた顔をして聞いている。


「なんと、バーネットを助けにいったのではなく、潜り込んだ先で偶然に会ったと言うか」ローズドックたちはお互いを見合うと「偶然出会ったとは思えぬな」と(つぶや)く。


「どういう意味ですか? バーネットと会ったのは偶然じゃないというんですか?」

「いかにも」

「エエッ!」さっきから驚くことばかりで疲れてくる。


『だって、バーネットが医務室の先生をしてなかったら、私たちと会うことはなかったんだよ。それに、たまたまアニスがお手伝いとしてバーネットに付いたから、話すようになったんだよ』


「なるほど、そのようなことがあったか」

『あれ? 私の声が聞こえるの?』


「いかにも」

『そっか。第三の門のキーマンだもんね』


「この二人にも聞こえておる」両隣に座っているディルとジュニパーを見ると頷くので『ウソ!』

 これにはロイたちも驚いた。


「何が聞こえるの?」不思議そうな顔をするバーネットに「もうちょっと待ってて」ディルが声を掛けると渋々頷く。


「なぜ、キーマンでない二人にもシュールの声が聞こえるんだ?」マーティが聞くと「我らが額に()めておるサークレットの力で、精霊の声が聞こえるのじゃ」ローズドックの額には、やはり金でできていて、真ん中に大きな赤い石が付いている。


「そのサークレットはどのような力を持ってるんだ?」


「これは、初代巫女が精霊から授かったもので、精霊と話すことができると言い伝えられておる。ゆえに、代々の巫女は精霊とコンタクトを取り、様々な情報を交換してこの地を治めてきた。それゆえ、これは代々巫女に受け継がれてきたのじゃ」


「なるほど」


「このサークレットは元々一つで巫女も一人であったが、我ら四人が巫女の力を受け継いだため、サークレットを三つに分け、付けておる」


「ちょっと待ってください」ロイが話を止める。「今の話、矛盾してますよ。巫女はあなた一人だと言ってたのに、どうして四人いると言うんですか? そして、巫女の力を受け継いだのは四人だと言いましたが、あなたたちは三人でしょう? しかもさっき、サークレットを三つに分けて付けてると言った。数が合わない理由は何ですか?」


「巫女はわらわだけではない。四人おる。我らは四つ子なのだ」

「では、最後の一人はどこにいるんですか?」


「そなたの隣におる」ロイの左隣を見るので「エッ、何? 私がローズドックたちと姉妹ですって!」


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