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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
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18-1 食い違い

 

 廊下を歩いている途中、ロイが先頭を歩くディルの横に並んで「イノンドたちはダメなのに、どうしてバーネットは連れていくんだ?」小声で聞くと「彼女を引き留めておく理由かないからです」


「引き留めておく理由がない?」意味がわらず首を傾げる。

 二人の後ろにいるアニスとマーティも、隣を歩くバーネットを不思議そうに見ている。



 その後、昨日とは別の、屋敷のさらに奥まった部屋へ連れていかれると、中は昨日の部屋と同様に独特の香りがする(こう)()かれ、部屋の奥半分が一メートルほど高くなっていて、中央には幾何学模様(きかがくもよう)のカーペットが()かれ、ローズドックとジュニパーが並んで座っている。


 彼女たちの前までいくと「よく来られた、尋ね人の方々」ローズドックが声を掛けてくるので『今、尋ね人って言ったよ! やっぱりこの人が第三のキーマンなんだよ!』予測どおり当たって嬉しいシュール。

「僕たちが何者で、どうしてここへ来たのかご存じのようですね」ロイが真意を確かめると「いかにも。さあ」自分の前に座るよう(うなが)す。


 ロイたちは靴を脱いで中央にある階段を上がり、二人の前に向かい合って横一列に座ると、ディルがローズドックの隣に座る。

 ローズドックを中心に、同じ顔が三つ並んだ。


(なんか、化かされてるような気分だな)

 複雑な心境になるロイが向かいのローズドックに「そちらの話を聞く前に、僕の質問に答えてもらえますか?」

 先に声を掛け「なぜ彼女が一緒なんですか?」左隣に座るバーネットを見るとローズドックは驚き「はて。なぜそのようなことを(たず)ねるか?」と聞き返す。


「エッ?」

「なぜ、バーネットが一緒なのかと問うのじゃ?」


「なぜって、なぜ彼女が一緒だと疑問に思わないんですか?」

「なんと!」


 お互い相手の意図がわからず、黙りこむ。


(なんでバーネットが一緒にいることに疑問を持たないんだ?)マーティを見ると、彼もこの状況を理解しようと考えているらしい。


 マーティとロイの間にいるアニスは訳が分からず、困った顔をして二人を交互に見ていて、話題に上がっているバーネットも、なぜ自分のことでロイとローズドックが議論しているのかまったく理解できず、困った顔をしてどうなるのか行方を見ている。


『ロイ。どうなってるの?』訳が分からないシュールが聞くと(僕にも理解できてないよ)お手上げのロイが打開策を考え「どうやら、お互いの認識にズレがあると思われます」ローズドックに声を掛ける。

「僕が先に質問したので、先に僕の質問に答えてもらえますか?」


「そちの質問にか?」ローズドックが困った顔をするので「なぜ困った顔をされるんですか?」ロイも困った顔をして聞くと「なぜそのようなことを聞くか、理解できぬからじゃ」


「……すみません。なんでそう言われるのか、理解できません」

 また沈黙が始まる。


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