表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章「第三の門 / 燎(りょう)の天の門」
247/1021

17-2 暑い国のコーヒー

 

 そこへアニスが入ってきて「ロイ! 早い!」


「……わかったから、マーティと同じこと言わなくていいよ」

「いつも遅いから言われるんだ」

『明日から早く起きればいいんだよ』とシュールに言われ「……遅くていい」


 ロイの反応がおかしくてクスクス笑うバーネットが「アニスは紅茶よね?」立ち上がると「あ、自分、入れる」


「いいから座って。ここではお客様なんだから」空いている席に座るよう言うと、再び隣の部屋へ向かう。


「アニスも、食後、時間を取ってください」バーネットの姿が見えなくなると、ディルが話し掛ける。

「昨日会った巫女が、僕たちに話があるらしいよ」

『きっと、第三の門についての話だと思うよ』シュールが付け足すと軽く頷く。



 朝食が終わるとまた窓際の席に座り、食後のデザートである果物とアイスコーヒーを飲んでいると、王女が側近を連れてやってきた。


「ロイ様。ここの方がオアシスの中を案内してくださるんですって。この後、一緒に行きましょうよ」

「そうなんですか。でも、この後、やらなければならないことがあるんですよ」


 側近が隣のテーブルから椅子を持ってきてロイの隣に置くので、その椅子に座り「それは明日でもよろしいではありませんか」とロイの腕を(つか)むので『何どさくさに紛れて腕なんか組んでるのよ!』すかさずシュールが怒鳴る。


「……王女。後回しにできないので、側近の二人と一緒に行ってきてください」そっと王女の腕をどかすと「では、そのご用事が終わってから行きましょう。いつ頃終わりますの?」食い下がる。


「また!」バーネットが口を(はさ)もうとするので止め「わかりました。用事が終わったら行きましょう」と言うと王女は笑顔になり「それではお部屋におりますから、ご用事がお済みになられたらお声を掛けてくださいね」


 ロイの返事に満足する王女が上機嫌で部屋から出ていくと、ムスッとしているバーネットをディルがまあまあと(なだ)める。


『相変わらず王女は積極的だけど、今回は珍しく素直に引いたね。それに、先に部屋へ戻るなんて、何か企んでるよ』真意を探るシュール。


(今は考えたくない)深読みをしたくないので眉間にしわが寄る。

「あとで行ける状態だといいがな」とマーティが言うので「確かに」頷くロイ。


 その後、飲み終えるとイノンドには訳を話し、ディルの案内で、巫女のローズドックが待っている部屋へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ