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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第二章 「第一の門 / 鏡の泉の門」
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5-1 謎の声

 

 中に入ると正面にエレベーターがあり、それに乗って基地内へ降りていく。


 ドアが開くと二人の警備兵が銃を構えて立っていたが、マーティの顔を見るとホッとして銃を降ろすので「セージは?」と聞くと互いの顔を見合い「セージは、壊れた電気室に閉じ込められた仲間を助けるとき、落ちてきた電気コードに接触して、意識不明の状態なんだ」


「何だと! 奴はどこにいる!」


 警備兵の一人に案内されて別のエレベーターでさらに地下へ降り、通路奥の暗い部屋に入ると、軽くウェーブのかかった金髪の男が、さまざまな装置に囲まれてベッドに横たわり、数名の男たちが彼の様子を見ていた。


「セージの容態はどうなんだ!」


 不自由な脚を庇いながらマーティが駆けよると、医師と思われる小柄な男が「誰かと思ったらマーティじゃないか。無事だったのか。ああ、外傷は大したことないんだが、感電したショックで意識が戻らないんだ」

 覇気(はき)のない声で答えるので「なんてことだ。こんな状態では、運び出すことができないじゃないか!」


 沈黙が続く中、突然、ロイが身に着けている金青(こんじょう)の剣が光りだした。


「この光は何だ?」マーティが(まぶ)しそうに光の発生源を探しだすので、ロイは慌てて部屋から出ると「どうなってんだよ」困ったように光を放つ剣を見る。


 すると『彼にこの剣を持たせて』と、頭の奥から声が響いてきた。


「エッ、何?」周りを見回すと『早く、この剣をベッドで寝てる人に持たせて』さらに聞こえてくるので「君は誰なんだ? どこにいるんだ?」また辺りを見回すが『あとで説明するから、今は言うこと聞いて』


「急にそんなこと言われても、なぜ剣を持たせるんだ?」

『ベッドで寝てる人を起こさないといけないんでしょう? 私が起こしてみる』

「ハ? そんな事ができるのか?」


『やってみないとわからない。だから早くして!』

「なんでそこまで急ぐんだ」

『敵が踏み込んでくる』


「敵? 敵って誰だ? ブラックマルスか?」

『わかんないから早くして。みんな捕まっちゃう!』


「ちょっと待て! 今の状況を理解する時間をくれ」

『理解しなくていいから、早くして!』


「マーティたちになんて説明したらいいんだ?」

『あとで説明するって言えばいい』

「納得するか?」


 とにかく、急かされるまま光る剣を持って部屋に入ると、一斉に視線が集まる。


「おい。なんで剣が光ってるんだ?」マーティから当然の質問がくるが「あとで説明する」言われたとおり答え「とにかく黙って見ててくれ」


 奇異の目で見るマーティたちにベッドから離れるよう言い、入れ違いにベッド脇に立つと、セージの左手に光る剣を持たせる。


 何が起きるのか、固唾(かたづ)を飲んで光る剣を見ていると、フッと光が消えた。


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