表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 地下からの生還
205/1028

44-1 浮上する謎

 

 さらに二日後のお昼は、マーティと事件の結果を知らせにきていたイノンドと一緒に、リビングで今後の打ち合わせをしながら取った。


「王族制度は廃止されるそうです。王宮の研究所は我々の監督下に置かれることになりました。

 薬で体内組織を変えられてしまった人達は宇宙保健局の本局へ運び、薬を製造していた研究員の手を借りて、解毒剤を作ることになってます。

 王宮に勤めてた人達は、それぞれの罪で服役するもの、執行猶予がつく者、無罪になる者に分けて調書を作ってます」


『すごく時間が掛かりそうだね』一緒に話を聞いているシュール。

「殺人マリオネットとして売られてしまった人達はどうするんですか?」


「買い手のリストを元に、捜査を始めました」

「うまく保護できるかどうかですね」


「そうなんですよ。買い手に悟られないように接近しなければいけないですからね。もし殺人命令が出てしまったら、誰にも彼らを止めることはできないでしょう。とにかく、これ以上、罪を重ねないようにしないといけないので、慎重に行動してます」


「殺人マリオネットにされてしまった人達は、元の体に戻れる可能性はあるんですか?」


「問題はそれです。これから研究することになりますから、今は何とも言えませんが、研究者の人達は、完全とまではいかなくとも、日常生活が送れるくらいまで戻せるよう努力すると言ってくれているので、彼らの腕次第ですね」


「そうですか。いい薬ができるといいですね」


「ところで、乗せてもらってる牢の中に閉じ込められていた人達はどうしてますか?」

「みんな元気を取り戻しつつありますよ」


「そうですか。それはよかった。船の手配ができ次第、引き取りますので、もう少しお願いします。ところで、王女はどうしておられますか?」


「フゥ」ロイが大きくため息を吐くので「何かあったんですか?」心配そうに聞き返す。

『艦に乗せること、許可しなければよかったのに』今さらながら文句を言うシュール。


「彼女はとても元気だ」静かに答えるマーティ。

「そうですか。何かと大変だと思いますが、王女という立場にいる方ですから、よろしくお願いします」


「お願いされてもな」

「マーティ。それはどういう意味ですか?」


「見てればわかる」

「見てれば、ですか?」


『自分じゃなかったからって、簡単に言うんだから』文句を言うシュール。

「ロイ。何があったんですか?」

「僕からは言えません」


「そういえば、今回の経緯(いきさつ)を王女から聞きだせたのか?」マーティが話題を変えると「一応聞いてみましたが、ブロードリーフ王子から頼まれただけで、詳しくは知らないの一点張りなんですよ」


「頼まれた?」


「日時を指定されて、その日に回遊(かいゆう)するよう言われたそうです。それ以上は話してもらえませんでした」


『ワガママ王女は何を隠してんだ?』目の(かたき)にしていることがよくわかるシュールの言い方。


「では、その王子は何と言ってるんだ?」

「それが、行方不明なんですよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ