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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 地下からの生還
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29 事前確認

 

 午前七時十分前になると、昨日と同じ交代要員がきて引き継ぎをおこなった。


「異常ありませんでした」報告するロイが牢のマスターキーを渡し「では、失礼します」管理室から出ると第一研究室横の警備室へいき、業務日報を入力すると待機室へ急いだ。


 いつものようにマーティは牢の警備室へ向かい、ロイは牢の中へ戻る。


 少しするとイノンドが牢へ戻ってきて「お疲れ様でした」と声を掛けてきた。

「疲れました」笑顔で答えると「リストを入手できたようですね?」


「はい。いろいろありましたが、何とか切り抜けられました」着替えながら話していると、ドアの開く音がした。


「イノンド、服を隠して」慌てて警備服をベッドの中へ隠すと、アニスとバーネットがやってきた。

「おはようございます」いつものようにバーネットが声を掛けてくる。「体調はいかがですか?」


「なんとか大丈夫です」ロイが落ち着いて答えると、イノンドが「今日は、お二人のほうが目が充血してますよ。なにかあったんですか?」


「いけない! 目薬をさしてくるの忘れたわ」アニスと二人で顔を見合わせる。

「どうしたんですか?」


「実は、ある資料が見付からなくて、部屋中を探す羽目になってしまたんです。お陰で、片付けが終わったのが明け方近くだったので」


「でも、見付かって、よかった」

「本当。今夜使うものだから(あせ)ったわ」


 そう聞いて、探していた資料がどういうものか気付くと「では、資料は全部(そろ)ったんですね?」と聞くロイに「ええ。間に合ってよかったわ」笑顔を返すバーネット。


「戻られたら、少し仮眠を取ったほうがいいですよ」イノンドが声を掛けると「そうね、そうするわ」


 彼女たちは笑顔を見せると次の牢へ向かい、ロイとイノンドは、朝食を食べるとベッドに(もぐ)り込む。



 ティータイムの時間になると、アニスたちが起こしにきた。

 今日は、ケーキのほかにホットドックが付いている。


「オマケ付きか」ロイがトレーを受け取ると「睡眠不足は解消されましたか?」バーネットに聞かれ「なんとか」と答え、そっちは? と聞くように首を(かたむ)けると、彼女はニッコリ笑って次の牢へ向かった。


 アニスたちを見送ると、イノンドがカップに紅茶を注ぐ。


「いい香りですね」

「専門家が入れてるようですが、会ってみたいですね」


「同感です。コーヒーの淹れ方も完璧ですよ」向かいの椅子に座ると「ところでイノンド。王女から話を聞けましたか?」


「ええ。一応、聞いてきました」歯切れの悪い返事をするので「何かあったんですか?」と聞くと、苦笑して「ちょっと妙な具合になりまして」


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