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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第二章 「第一の門 / 鏡の泉の門」
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2 惑星エルーカ

 

 ハッチが開き、輸送船とともに宇宙空間へ出ると、立ち入り禁止星域を迂回(うかい)して惑星エルーカに近付けるところまで行き、そこから偵察機の(すき)をねらって着陸する予定だ。


 自動操縦に切り替えると、後部座席にいるマーティに「エルーカはどんな星なんだ? 住人はいるんだろう?」


「あの星は衛星くらいの大きさで、一つだけ軌道がズレてるんだ。陸の(ほとん)どが原生林に(おお)われて、小さな村が幾つかあるだけの未開発星だ」


「秘密基地がありそうだと(かん)ぐられたりしないか?」

「そんなものを造れるほどの予算があると思われてないから、考えないだろう」


「実は?」


「ヴィラパス系は鉱石が豊富に採れるので、さまざまな研究が行われてる。理不尽な条約のせいでその功績(こうせき)を横取りされてしまうことになったが、抜け道を作ることは難しくない。俺たちは地下組織を結成し、秘密裏に研究開発したものを使い、拠点(きょてん)となる地下基地を建設して組織を大きくしていったんだ」


「その地下組織のメインメンバーが、君たち支局員ということか」

「ああ」


「その秘密基地の一つがエルーカにあるのか?」

「そうだ」


 しばらくすると目的のエルーカが見えてきた。話に聞くとおり小さな星である。


 ロイは機を停止させてエルに通信を(つな)ぐと「偵察機の様子はどうだ?」

“一時間おきに回ってる。あと十分ちょっとしたら離れるよ”


 「わかった」返事をすると通信を他の機に(つな)ぎ「ここからシールドを張る。十二分後に向かうので、準備して合図を待て」


 エルから偵察機が離れたとの連絡を合図に、エルーカへ向けて発進する。




 大気圏を抜けて海が見えてくると「このまま北上してくれ」マーティの指示に従い低空飛行を続ける。

 この星では戦闘が行われていないため、平和な景色が広がっていた。


 さらに進んで半島らしき陸が見えてくると「前方に(とが)った山が三つ並んでるのが見えるだろう? あそこの地下に基地がある」


 近くまで行くと、三つの山が横一列に並んでいる。


「右端の山を二回、旋回(せんかい)してくれ。無事に仲間が着いてれば滑走路が出てくるはずだ」


 言われたとおりに旋回すると、山裾の森が二つに割れだした。


「見ろ! 滑走路だ!」


 全機が着陸すると地下へ降りていく。


「かなり深いな」


 しばらく降りていき、止まると電気が点くので、ハッチを開けて外にでる。


「マーティ。基地内のことはわかってるか?」

「ああ。建設時に立ち会った」


 一緒にきたクルーにはその場で待機してもらい、マーティと基地内へ入っていく。



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