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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 「第二の門 / 氷の炎の門」
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29-2 護衛者

 

「そうだったんですか。もっと早くお会いしていれば捕まえられたかもしれなかったのに。いや、実に()しい機会を逃しました」(くや)しそうに手を(にぎ)るので「あれをどうやって捕まえるんですか?」聞き返すと「我々もそれなりの部隊を(ひき)いていますから」自信を持って答える。


「……そうなんですか」一抹(いちまつ)の不安があるが「それにしても、自分たちの成果を評価してもらえないという理由から、一部隊を連れて出ていくなんて、すごいですね」話を進めると「こんな話をしていいのかわかりませんが、部隊が彼女たちに付いてったらしいんです」


「エ?」

「では、最初はロサ姉妹二人が抜けることになってたのか?」マーティが話に加わる。


「どうもそうらしいんです。詳しい事はわかりませんが、ある系星の独立を阻止(そし)する任務に行った後、急に辞めると言い出したらしいんです」


「……そういう流れか」


経緯(いきさつ)をご存じなんですか!」また身を乗り出してくるので、仕方なく説明する。


 自分は独立を阻止(そし)された側で、追い詰められたとき、助っ人として入っていたロイのとっさの判断で実行した作戦が(こう)(そう)し、逃げだせたことを話すと


「素晴らしい! あのゲリラ部隊から逃れたとは、今まで聞いたことがありません。ぜひ、うちの課に来ていただいて、秘訣(ひけつ)をレクチャーしていただきたい!」


 ロイに向かって力説するので「それは過大評価し過ぎです。僕たちは逃げるのに必死でしたから、たまたま立てた作戦がうまくいっただけです」


 話が大きくなりそうなので訂正すると「そんなご謙遜(けんそん)を。実は、秘密兵器でもお持ちなのではありませんか?」


 探るような目付きするので(実はそうなんです、と言えるわけないからな)


「そんなものありませんよ」手を横に振り「本当に、あの時は土壇場(どたんば)で立てた作戦がたまたま上手くいっただけです」


 丁寧(ていねい)に否定すると、イノンドは()に落ちないという顔をするが「まあ、とにかく、彼女たちの資料提供の理由がわかりましたので、のち程データをお送ります」


 椅子に座り直すので「ありがとうございます」ホッと息を()らす。


「それと、彼女たちの(ねら)いがあなたたちだということがわかりましたので、これから護衛の意味も含めて同行させていただきます。よろしいですね?」

 

 相変わらず(おだ)やかな表情をしているが、口調は威圧的(いあつてき)な雰囲気を持っていて、断ることができない状態。


 どうしたものかとマーティを見ると「いつまでも付きまとわれたら迷惑だ」と言うので「わかりました。お願いします」申し出を受けると、その後、打ち合わせを始めた。


 大まかに内容を決めると「では、我々は戻って準備を始めますので、これで失礼します」立ち上がるイノンドに「よろしくお願いします」声を掛けて見送った。


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