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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 「第二の門 / 氷の炎の門」
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29-1 護衛者

 

 中に入ると、部下を三人連れた、一見柔和(いっけんにゅうわ「)そうな痩身(そうしん)そうに見える中年男性が中央テーブルに座っていた。


「お待たせしてすみません」テーブル脇へ行くと男は立ち上がり「突然お邪魔したのですから、お気になさらないでください」にこやかな笑顔を見せる。


「どうぞ、お掛けください」席に着くと男のほうから「私は宇宙管理局、捜索課の責任者でイノンドと申します」名乗って身分証明書を見せる。


「ロイです。彼はマーティで隣がアニスです」


「あなたが艦長のロイさんですか!」あまりにも驚くので「僕が艦長だと、何か不都合があるでしょうか?」


「あ、いや。これほど大きな戦闘艦の艦長をされてる方は、もう少しお年を()してる方だと勝手に思ってたものですから、失礼な態度を取ってしまいました。申し訳ありません」頭を下げるので「いえ、そう思われるのは当然ですから」


「本当に失礼しました」


「ところで、何かお聞きになりたいことがあると伺ってますが」

「はい。実は、ある人物について、お聞きしたいことがあるんです」


「宇宙管理局、ゲリラ部隊のクラシック人形、いえ、ロサ姉妹についてですね?」

「そうです。ところで、なぜ彼女たちの名前をご存じなんですか?」


「今は長期休暇中だが、俺は管理局員なんだ」マーティが話に入る。

「そうなんですか。それは知りませんでした。実は、彼女たちはとんでもない事をしでかしまして」


「ゲリラ部隊を連れて離脱(りだつ)したそうですね」


「どうしてその事を知ってるんですか! この事は内部の者しか知らないはずなのに!」部下たちも同様に驚いている。


「実は、ここへ戻る途中で彼女たちに会いまして、そのとき直接聞いたんです」


「彼女たちに会ったんですか! どこで!」部下と一緒に身を乗り出してくるので「ここから北へ、三つ、くらい行った、小さな町の、カフェです」ぎこちなく答えると「それで、どこへ行きましたか?」さらに(せま)ってくるので「さあ。僕たちが先に出てきてしまいましたから」


「そうですか……」イノンドは残念そうに(うつむ)いて椅子に座ると「私たちは指令を受けてから彼女たちの行方を(さが)し、ここまで来ました。そこへ、停泊中の大型戦艦で爆破事故が起き、その艦から我々が追ってる人物の情報が欲しいと依頼がきた。これは話を(うかが)いに行かなければ、ということでお邪魔したんです」


「そうだったんですか」経緯を聞いて納得する。

「それにしても、よく無事でしたね」


偶然(ぐうぜん)でしたし、会ったのがカフェでしたから。ほかの部隊員もいなくて、お互い武器を持ってませんでしたので、宣戦布告されただけで済みました」


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