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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 「第二の門 / 氷の炎の門」
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27-2 追っ手の正体

 

「ロサ・モイシーも一緒か」ため息を()くマーティを見て「もしかして、あれがゴスロリ妹か?」念のため確認するロイ。


「お姉さま。こちらの方は、もしかして」

「ええ。あたくしが捜していた方ですわ」


「まあ、この殿方ですの!」熱い眼差(まなざ)しを向けてくるので「なんでゴスロリ妹まで連れてくるんだよ」


「やっとお会いできましたのね。嬉しいですわ。」黒いクラシック人形が近付いてくるので「なんでこんな所まで追ってくるんだよ」振り返ってロリ姉に訳を聞くと「全戦無敗のあたくしたちを(あざむ)き、地下基地に閉じ込めて、爆破した(すき)に逃げるという(わざ)を使われた瀬戸際(せとぎわ)での判断。とても素晴らしくて感動いたしましたの」


「そうか。じゃ」ロイがアニスを連れて歩きだすと「あたくし、もう一度お会いしたくて追い掛けてきましたのよ!」歩み寄ってくるので「今会ったじゃないか。じゃ」


「ロイ。出口が(ふさ)がれてるぞ」

「門前のゴス人形に後門のロリ人形か?」


「どうする?」

「奥の手。シュールに頼む」


『エネルギー満タンだから、いつでもいいよ!』

「こっちも危ないな」頭痛がするマーティ。「この店を破壊しかねない」

「確かに、前例あるし」


 アニスを間に(はさ)んでの作戦会議。


「どうやって逃げるんだよ。マーティのほうが、あのクラシック人形たちに(くわ)しいだろう? なんといっても、同じ管理局員なんだから」


「そうだ。管理局員なんだ」姉のアルバを見ると「俺たちを追ってきたと言ったな。規則の厳しい宇宙管理局が、こんな勝手な行動を黙認(もくにん)するはずがない。いくら好成績を上げてても、規則違反をすればクビになるぞ」


「もう、あたくしたちは管理局員ではありませんわ」


「何だって?」

「離脱しましたの。部隊ごと」

「部隊ごと離脱した?」


「あたくしたちの成果を正当に評価していただけなくて、不満がありましたのよ。ですから、これを機に、管理局を辞めることにしましたの」


「あとさき考えずに破壊しまくるからだろう」

「どういう方法を取ろうと、結果的に任務を完了すればいいことではありませんの?」


「その考えは間違ってる」ロイが断言すると「どう間違っているのか、お茶をいただきながらレクチャーしていただき……」


「マーティ、出るぞ」アニスを連れて出口へ向かう。


「どうしてお帰りになるんですの? お姉さまと一緒にお茶をいただきましょう」ゴスロリ妹が立ちはだかるのでマーティが端に寄せ「なぜ管理局を辞めた? あれだけ評価されてたのに、何が不満だった? その格好で、好きなように仕事ができる場所がほかにあると思うか? よく考えろ!」


 頭ごなしに怒鳴られて動けなくなるゴスロリ妹をそのままに、ロイとマーティはアニスを連れてカフェから出た。


「やっぱりアイツらだったか」アニスを間に(はさ)み、ほかの店を探して町中を歩く。


 振り返ってカフェを見るアニスが「あの人達、追っ手?」と聞くので「そうだ」歩きながらマーティが答えると「武器、持って、追ってくる?」心配そうな顔をするので「それはない。武器を持ってたら、俺たちをすんなり店から出すようなことはしない。拘束(こうそく)して奴らの船に連れていくだろう。しかし、追ってくる動機が今ひとつわからない」ロイを見ると「僕にもよくわからないよ」困った顔をする。


 結局、他のカフェを見付ける前に待ち合わせ時間がきてしまい、合流場所へ向かった。


「すみません。ちょっと遅くなりました」


「構わないよ。思ってたより早く済んだから、一息入れてたところだ」缶コーヒーを飲み干すと「そろそろ出発するか」配送車に乗り込み、走りだす。


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