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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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47-1 姿を現す女神たち

 

「どうしてそんな重要なことを最後に言うんだよ!」立ち上がるロイが隣のコントロール室へ走っていくと「エル! 爆発場所を特定! 震度計の確認!」


 後ろからマーティも出てくると「セイボリー! 天井を照らせ! 落ちて来るようならポールを上げて押さえろ!」


 その間も、波のように強弱がある揺れが続いている。


「エル! 爆発場所が特定できたら教えてくれ。それと、宇宙管理局の通信担当に連絡して、停泊中の各宇宙船に、落下物に備えてシールドを強化するよう通達を出してくれと伝えろ!」


 そのエルが「ロイ! イノンドから、ゲートナンバー二十五のメインシェルターが取り外されたので、作業班がこっちに向かってるって!」


「そうか、わかった!」


「デセプトルたちは、コモンがいなくても作業を続けられるのか?」作戦会議室のドアの前に立つマーティが聞いてくるので「きっと指示を受けてるはずだよ。とにかく、ここのゲートが最後だ。何者かが邪魔をしてくるようだから、僕たちはそれを阻止しないといけない」


「なに言ってんだ。デセプトルたちの相手は「破壊の女神」たちだぞ。俺たちで太刀打ちできると思ってんのか?」止めるマーティ。


「まともにやり合えないかもしれないけど、援護くらいはできるだろう?」


 その時だった。

 「ウワーッ! 人だ! 人が宙に浮いてるぞ!」操縦席に座っているメインパイロットのセイボリーが、目の前のフロントガラスを指さして大声を出すので「人だって?」ロイとマーティも視線を向けると、暗闇をバックに、オレンジ色の長い柄をしたハンマーを持ち、黒いフードをかぶったマント姿の女神像が一体、こちらを見ていた。


『なにあれ! どうしてこんな高いところに浮いてるの?』シュールが叫ぶと「破壊の女神だ!」ギョッとするマーティ。


 メタリックブルーの甲冑に縁がゴールドになっていて、真っ赤な髪をしている。


 肌は青みがかったグレーで、頬には青い横線が数本描かれていて、ゴールドの縁が付いた角のような突起物が、装飾として付いている兜をかぶっている。


 マーティの言葉に驚くロイが「セイボリー! フロントガラスを最強耐震ガラスにしろ!」と叫ぶと同時に、「破壊の女神」がオレンジ色の長い柄を振りかぶり、フロントガラス目がけてハンマーを振り下ろす。


 ガーンッ! ガーンッ! ガーンッ!


 間一髪、セイボリーが最強耐震ガラスのボタンを押すほうが早く、切り替わったガラスはキズ一つ付かない。


「破壊の女神」は一瞬キョトンとするが、状況を理解すると少し離れ、濡れたタオルを絞るようにオレンジ色の柄の部分を互い違いに回し、ハンマーの部分が熱を帯びたように熱く輝くと(マズい!)と思ったロイが「エル! 撃ち落とせ!」


「あんなところじゃ無理だよ!」即否定する。


 その時、(割れる!)と思ったロイが「みんな逃げろ!」


 ド―――――――――ンッ!


 なにかが「破壊の女神」にぶつかり、左側へ吹っ飛んでいく。


「……な、なにが起きたんだ?」突然の出来事に、理解力が付いていけない。


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