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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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45-3 使者

 

『そうですね。すみません』ナオは謝罪すると『「破壊の女神」たちを召喚した襲撃者は、クララ様を捜してるんです』


「どうして捜してるのかはあとで教えてくれ。それで?」


『「水の宮殿」を襲撃した後、襲撃者は逃がしてしまったクララ様を捜していたのですが、見つけることができず、次の作戦に移ったのです』


 なるほどと頷くマーティが「俺たちは、おびき寄せるための餌か」


『はい。そのことをお知りになったクララ様が、お力添えできないかと考えられて、私を使わせたのです』


『だったら、新しく別のサチェルドス・デイ(神の巫女)を連れてくるとか、襲撃者が何者で、どこにいるのかわかるアイテムを持ってきてくれるとかしてくれないの?』と言うシュールに『サチェルドス・デイ(神の巫女)は、「時の宮殿」のルー様が連れてきてくれます』


『えっと「守護の女神」だっけ? ヴィージルや、鎖型の網を持ってるホーモ・コストディレたちだよね?』


「精霊界にいたとき、俺たちが移動するために入ってた異次元空間を、鎖型の網で牽引してくれた、ワームウッドが召喚したサチェルドス・デイ(神の巫女)だ」説明するマーティ。


『そのほかに「残虐の女神」の二体も来ます』

『「残虐の女神」って何だっけ?』首を傾げるシュール。


「たしか、グリークが召喚したサチェルドス・デイ(神の巫女)だ。俺がいた「狭い世界」の魔導士に、崩れた壁の補修用として「テネブリス・オキュリ(闇の目)」を貸してただろう?」


「ああ! そういえば、グリークやワームウッドと一緒にスーブ カービアに閉じ込められてて、「テネブリス・オキュリ」以外の二体がどうなったのか、気になってたんだ」


『スーブ カービアの門の前で、見張りをしてたそうです』

「だから姿を見なかったのか」納得と頷くロイとマーティ。


「それで、これから僕たちはどう動けばいいんだ?」ロイが話を続けると『クララ様は、もう一つ、陰で動く者がいるとおっしゃってました』


「それは、インサニアと名乗る「復讐の女神」たちを召喚した者だ」


『そうですか……その者は中立の立場にいますが、その者も襲撃者を捜していたらしいともおっしゃってましたので、こちらの脅威にはならないそうです』


「なんだって?」

「マーティ、今は僕たちの対策に特化しよう」


『もしかして、文献に文字を出してるのって、クララなの?』思い付くシュールが聞くと「そうなのか?」マーティがナオを見る。


『文献ですか?』不思議そうに聞き返すので『これだよ』ロイが中央テーブルに置いてあるハードカバーの本を引き寄せると「僕が触れてないと、書かれてる文字が読めないんだ」


『そうなんですか。でも、クララ様がそのようなことをされていると聞いたことはありません』


「極秘かもしれないだろう?」


『私はクララ様のご公務を全部把握してますが、おっしゃるとおり極秘のことかもしれませんので、一概に違うとは言えません。しかし、私が父のサポートに付いてからは、極秘公務はありません』


「そうか。ではクララではないんだろうね」

『そっかあ。絶対当たってると思ったのに』残念がるシュール。


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