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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
1006/1021

44-2 開戦前の分析

 

「わからないことは考えても答えは出ないよ。それに、次の門に行ったらわかるんじゃないか? そこまでの案内書なんだから」文献のページを閉じるロイに「そういえば、ナオの夢にはまだ続きがあるんだ」

 

 話を戻すマーティが「コモンたちが出てこないんだ。しかも、不思議なことに、「破壊の女神」たちと戦ってるのがコモンが召喚した「報復の女神」たちで、メインシェルターの取り外し作業をしてるのが「復讐の女神」たちだったらしい」


「「復讐の女神」たちがメインシェルターを? それは、インサニアが指示したってことになるのか?」理解に苦しむロイ。「なぜそんなことするんだ?」


「なにが原因なのかわからないが、ナオの夢ではそうなってたらしい」


「コモンたち、戻ってこない。バリエガータ、治らない?」アニスが心配そうに聞くので、マーティが「バリエガータの治療に時間が掛かるんだろう。かなりダメージを受けたようだからな。しかし、コモンが大丈夫だと言ってたそうじゃないか。だったら大丈夫だ」


「私も治療を手伝いたいけど、さすがに体の再生をすることはできないから、コモンに任せるしかないわね」苦笑するバーネットが「でも、「破壊の女神」と「報復の女神」が戦うのね」と不思議そうに呟く。


「メインシェルター、取り外し、間に合う?」

「そういえば、「復讐の女神」たちはどうやって取り外すのかしら?」


『マーティ。チョコクッキーを食べ終わったら、ナオって人を連れてくるんでしょう?』突然、シュールが別の話題に変える。『早く話を聞かないと、敵はすぐにでも動き始めるかもしれないよ』


「ああ、そうだな。ちょっと行ってくる」マーティが席を立つと「じゃあ、マーティが戻ってくるまでに、イノンドに現状を確認しとく」と言って、「アニス。引き続き、クラリー夫人たちに付いててくれるかな? バーネットは、受け入れた人達の正確な人数と、あとで身元の照合をするだろうから、リストを作成して、イノンドが乗ってるほうの艦に送っといてくれないか?」


「でも、ロイ、大丈夫?」現状を聞いて不安になるアニス。「ここ、いたい」

「私も、もう少し情報がほしい」動かないバーネット。


「大丈夫だよ。これからルーや「守護の女神」たちも来てくれるから。それに、コモンが連れてきた狼たちも、群れでエアポート内を見回ってくれてる。だからアニスは、みんなが動揺しないように、傍にいて落ち着かせてほしいんだ」


「……でも」

「頼むよ。僕たちはできるかぎり早く、星から出られるように対応するから」


「……アニス、行きましょう。ここに居たらロイの邪魔になってしまうわ」立ち上がるバーネット。「私たちは私たちができることをやりましょう」


「じゃあ、途中まで一緒に行くか」マーティが二人を連れて会議室から出ていく。


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