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ラディウスソリッシュ ~古代神の聖剣~  作者: 夏八木 瀬莉乃
十三章 老い先短い星
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41-4 謎の襲撃者

 

「破壊の女神」を召喚した者って何者なのかしら? 理由もわからず命を狙われるなんて腹が立つ」怒るバーネットに「インサニアの姿をしてるらしいから、奴と関係がある者だとわかるが、仲間だとしたら、どうしてわざわざ奴と同じ姿をしてるのか。双子の可能性も考えられるから、身内かもしれない。僕たちを狙ってることも同じだからね」文献を閉じて脇に置くロイ。


『身内? 家族ってこと?』考えるシュールが『でも、「時の宮殿」にいたときは、一度も見かけなかったよ』


「もしかしたら、途中で入れ代わり立ち代わり、僕たちの前に現れてたのかもしれないだろう? ソックリだったら、入れ替わってもわからない」


「そんなことをする理由は?」リシェルが聞きたいだろうと予測して聞くと「「時の宮殿」にいたときは、神出鬼没のように姿を現してたから、もしかしたらと考えてたんだ」


「なるほどね」


「入れ替わる? 入れ替える? 数回、しか、会ってない、から、入れ替わる、必要、ある?」アニスが首を傾げるので「そうよね。そもそも数回しか会うことがなかったのに、入れ替わる必要ある?」


『入れ替わる必要ってないよね? ロイ』


「今思えばそうかもな。話の途中でごめん。文献に書いてあった、被害に遭った宇宙船の対応依頼メールを出すから、ちょっと待ってて」ロイは中央テーブルに向くとキーボードをテーブルの下から引き出し、メールを作成すると、技術部の責任者に宛てて送信する。


『でもさ。宇宙船を壊したり倉庫を壊したりしたのは「破壊の女神」でしょう? 「復讐の女神」は現れてないよ。もし二人で結託(けったく)してたら、どうして今は一緒に壊したりしないの?』


結託(けったく)なんて言葉、どこで覚えたんだよ」苦笑するロイに「もう少し、教育的に情緒を育てる番組や映画を見せてもらえないかしら?」少し低い声でリクエストするバーネット。「時々、ギョッとするようなことを言うのよ」


「十分に気を付けてるんだけど、なぜか変な言葉をピックアップするんだよ」


「いいこと、だと、思う、けど」

『そうだよね、アニス。的確に表現できるように、勉強してるんだよ』


「なに言ってるのよ。「まんざらでもないでしょう?」なんて言葉、シュールにはまだ早いわよ」


『ううん、そんなことないよ』


「とにかく、ほかのクルーにも通達を出すけど、アニスたちは絶対艦から外へ出ないように。いいね?」


「わかってる。気を付けるけど、「破壊の女神」が襲ってきたらどうするの?」


「それなんだけど、近くに味方がいると言ってたのは、きっとコモンたちのことだと思う。だけど、今はバリエガータもコモンもいない。奴にとっては絶好のチャンスだから、対応しなければならないけど、どうやってサチェルドス・デイ(神の巫女)の攻撃を避けるのか、そこまでもう少し具体的に書いてあってほしかったよ」


 考え込むロイの表情に、少し疲れが見える。


「それにしても、「復讐の女神」たちは、本当に来てるのか? 一体も姿を見ないし話を聞かないぞ。それに、来てるとしたら偽者と一緒に行動してるはずなのに、どうして単独で行動してるんだ?」


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