第6話 とある天使の幼き少女と子供の村
今回は、とある天使のような可愛い女の子が主人公の前に現れます。
だが、どうにも怪しい。
主人公は相変わらず、フェミニスト発言を辞めないのですが、それでもみたい方どうぞ!
私は、あれから途方なく歩いていた。
歩いても歩いても、なかなか人のいるところにたどり着けない。
森ばかり続き、そこは木と草などしかない場所。
2、3日食事や水を取らなかった為、いよいよ倒れてしまう。
「はぁ……はぁ……どうなってるのよ……この森は」
息は上がり、汗をかく。
そして、段々と体力が無くなっていく。
「ちょっと……女神……はぁはぁ……どうにしかしなさいよ」
その声も虚しく、女神はオーディウスとかいう男に夢中で電話をしていた。
しかも、私の事などお構い無しに楽しそうに会話が弾む。
「オーディウス様~! 大好き~!」
明らかに、オーディウス対して一方的な愛の言葉を言っていた。
オーディウスは、どうやらそんな女神を上手にあしらっているようだ。
それから、1時間ぐらいしてようやく電話を切る。
「はぁ~……で? 何よ!?」
まず、私はそのオーディウスとやらの態度と、私の態度の違いが聞きたいと思った。
だけど、そんなことよりこの状況をどうにかしなければいけないので、ぐっとその気持ちを押し殺す。
「まず……どうにしかしなさいよ……はぁはぁ……この状況……多分、このままいくと……私死ぬわよ」
そう、私はもう意識ももうろうとしていたし、声もなかなか出せなくなっていた。
しかも、何だか急激に眠気に襲われる。
「もう眠いんだ……女神……」
「はあ? 勝手に寝れば? あんたの事なんてどうでもいいのよ正直」
あまりにも、理不尽な言動に女性差別主義者と批判してやろうと思ったが。
頭がそこまで回らず、言葉上手く思い付かない。
「大丈夫!」
足音共に、女の子の声が聞こえた。
私は何とか、その方向を見るとどうやらそこには幼い女の子が、バックを持って立っていた。
「お腹空いた……ご飯ちょうだい……」
私は、最後の体力を使いその女の子にご飯をねだる。
女の子は、パンをカバンから取り出して、ちぎって私の口に入れる。
それを私は、一心不乱に食べる。
その後も、その残ったパンを全部平らげた。
それから、一時間くらい経って水を貰い、私は立ち上がれるくらいに回復した。
「お姉さん元気になって良かったね!」
「ありがとう、ところであなたは誰?」
この幼き女の子は、ソフィア・ラングレルと言う名前で。
どうやら、この近くの村の子供みたいだ。
「私は、ツイフェミの馬場加代子よ! 助けてくれてありがとう! だけど、どうしてこんな森に来ていたの?」
「薬草を取りに来たの。帰る途中にお姉さんが倒れていて、ほっとけなくて」
ソフィアは、とても優しい女の子で、ケガをしている自分の仲間の為にと薬草を取りに来たとか。
本当に天使みたいだ。
よくよく見ると、髪は白で肌も白くて顔も可愛い。
しかも、性格がいいとなると男に将来性的搾取されないか心配だ。
だから、ソフィアは私が守っていきたい。
男の性犯罪から。
暫く立つと、とある村に着く。
そこは、大人は誰一人としていない。
その代わりか、小学生位の男の子供が、畑をくわで耕していた。
だけど、服装はボロボロで汗をかいている。
そんな男の子供に声をかけるソフィア。
「みんな、ありがとうね」
「いやいやいやいや、皆ソフィアちゃんが好きだから問題ないよ」
だが、その笑顔に私は何処か違和感を感じた。
何故だが分からないが、不吉な予感がする。
そして、寒気がしていた為、そこを後にした。
こんなに暑いのに可笑しいな、風邪でも引いたのではないかと思ってデコを触っても、全然熱くない。
まあ、棒なんてどいつもクソオスだから問題はないのだけれども。
「お姉さん! 紹介したい子がいるの、こっちにいるの! 来て!」
私は、走っていくソフィアに何とか着いていく為、必死に足を動かす。
その体からは、そんなパワーがあると思えないくらい元気だった。
それより、私の体力の方が持たないかもしれない。
さっき、パンを食べたからと言って、あれだけで完全に元気になるわけなかった。
私は、息を切らしながら後を追う。
そして、数分たったところで、ソフィアの足が止まる。
そこには、小さな家が立っていて、それ以外は何もない。
いかにも、殺風景な場所と言える。
急に、寂しさとせつなさに襲われて、何だか悲しい気持ちなってくる。
そうなってる原因は、全然思い付かない。
「入って入って!」
私は、ソフィアに言われるがまま、その家の中に入る。
入ってみて、すぐ目につくのは、いかにも懐かしいようなおばあちゃんの所にある、カントリーな家具ばかりだ。
家の構造は、木で基本的に出来ていて。
なおかつ、なかなか太い木材の壁、そして大黒柱も丈夫そうな木で作られいる。
ベッドや、机とか椅子とかもそんな感じだ。
暖炉とかは、やはりあるみたい。
そこの周りは、暖かく感じる。
まあ、それがなければ冬とかに生活出来ないから、当たり前と言えば当たり前だが。
しかし、それ以外は何もなくて、何だか虚しい。
そう思っていたのもつかの間、よく見るとベッドに女の子らしきものが寝ていた。
しかも、気持ち良さそうにスヤスヤと。
「起きて! イルミちゃん!」
ソフィアがそう呼ぶと、イルミちゃんとやらは目を開けてこすりながら起きて、ソフィアのほうを向いて挨拶をする。
イルミは、綺麗な黒髪で目が大きくぱっちり二重で、美少女と言える子だった。
それも、ソフィアに負けないくらい。
「ソフィアちゃん……おはよう……」
「イルミちゃんおはよう……じゃなくて! これ! 薬草摘んできたの、これで体も治るね!」
ソフィアは、イルミの服を脱がせて、薬草を潰す道具とかですりつぶし、他の材料と混ぜて何とか塗り薬をつくる。
それを、イルミの体の傷に塗ると、みるみるうちに体治っていく。
何とも不思議である。
改めて、ここが現実ではない、異世界だと感じる出来事だった。
しかし、こんな魔法みたいな物が存在するとは、まさしく夢が溢れている世界だ。
案外、ここにきたのも、悪くなかったような気がする。
だけど、私は満足してはいない。
ここには、フェミニストの文化が一切なく、男女平等の精神はないから。
だから、私は魔王とやらを倒したあかつきに、この世界をフェミニスト達の楽園にしてみせる。
そう、心で誓いながら拳を握る。
「この人誰? ソフィアちゃんの、知り合い?」
イルミは、綺麗な瞳で私の方を向いて、ソフィアには質問する。
そのときの顔は、実にどこか輝いていた。
「この人は、森で倒れていたの。だから、私も実はよく知らないんだ」
改めて、私はソフィアとイルミに自己紹介をする。
「初めまして! 私は、フェミニストの馬場加代子と言うの! 是非、私達女の子で女性が幸せになる世界を作りましょ!」
そう私が言うと、ソフィアとイルミは目を丸くして、ビックリしてしまった。
だが、それよりフェミニストとと言うものが分からないみたいで、ソフィアとイルミが質問をする。
「「フェミニストって、なに?」」
そう言っていたので、私は淡々とその事について答える。
「フェミニストって言うのは、男女平等を目指している人のことよ! まあ、簡単に言うと女性も男性と同じだけの権利を獲得出来るように、日々活動してる人達かしら」
私が、そう言うとソフィアとイルミは、目を輝かせて私の方を見る。
「凄いよ! お姉さん!」
「本当に、それが実現されれば。女性も、一人でこの世界で生きていけるよ!」
二人は、私のフェミニスト活動をべた褒めしていた。
私は、フェミニストになってから、このような事を言われたことはない。
それどころか、私達フェミニストは邪険されていたのがいつものこと、ここまで賛同してくれたのは、始めてかもしれない。
それから暫く経って、夜なると外の焚き火に集まり、豪華な食事を私の為に用意しくれた。
しかも、オスガキどもが踊って歓迎されると言った、サービスまでついている。
これは、本当に大満足だ。
「あ! 後、馬場お姉さんはお酒飲みますか? だったら、良いのがありますよ」
ソフィアが、私の木の器に酒を注ぐ。
これは、本当に幸せだ。
まさしく、私の理想の姿の村ここにある。
だが、イルミの様子が見えなかったので、ソフィアに聞いてみるが、イルミは体がまだ本調子でないと言う理由で、宴には参加しないらしい。
「いいじゃないですか。今夜は、お姉さんと出会ったお祝いの宴ですし」
「それも、そうね!」
私は、ソフィアに注がれた酒を次々と飲み。
ソフィアは、私の器の酒が無くなると、注いでいくそして、色々な料理を食べて腹が膨れいく。
何だか、眠くなったので寝転がり、目をつぶってしまう。
「……ふふふ……これで……この女も、あの方のオモチャなるのよね……」
「そうよ……あの方の……」
目を開けると、視界がボヤけていたが、そこにはソフィアと同じくらいの女の子がいたのが見えた。
だけど、私はすぐに眠くなり寝てしまった。
本当に、主人公は偏見でしか人を見てませんね~
皆様も、こういう人達には気をつけましょう。
もしかしたら、あなた近くにもそういう人は、いるかもしれませんから。
感想、レビュー等お願いいたします!
執筆活動の活力なりますので。