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第4話 本当の夫婦の愛

 今回は、主人公が本当の愛を知る話です。

 まあ、実際に現実ではツイフェミがこのように、愛を感じることはありませんが。

 私は、あれからなかなか眠れずにいた。

 それもこれも、あのセレフとか言う、名誉男性兼オスの奴隷の性だ。

 本当に、最低最悪な日々が続いた。

 今日も、朝はあのセレフの喘ぎ声が聞こえて寝れなかっし。

 それに、なんだかストレスが半端じゃないし、イライラしているのを感じている。


「もう慣れたかい?」


 そんな事を言ってくるのは、あの筋肉ムキムキのセレフの旦那ガイア。

 私は、このオスは特に嫌いだった。

 いかにも、馴れ馴れしくて暑苦しいその外見は、女性に取ってみれば嫌なオスその物。

 まさしく、トラウマ製造機と言ったところか。

 それと、何だかこのオスは特に胡散臭い。

 目の前に、襲えそうな可愛い女の子が要るのに、なにもしないなんてあり得ない。

 何だか、今までのことは罠なのかもしれない。

 そう思わないと、納得出来る理由はない。


「そんな、ひねくれた女。ほっときましょ! それより、ガイア~好きよ~」


 セレフは、ガイアに体をくっ付けて、イチャイチャしていた。

 何でか、暫く経ってもその理由は全く理解不能。

 どう考えても、このオスの良いところが見当たらない。

 見たところ、金も持ってなさそうだし、イケメンでもない。

 それに、がたいもガチムチで気持ち悪い。

 それにだ!

 この女は、最初はあまり分からなかったが、みてくれも結構いいのに、何でこんな冴えないオスを選ぶのか。

 それには、未だに納得いかない。

 もっと、ましなオスを見付けて、そこでそのオスに一生奴隷として働かせればいいのに。

 どうして、この女はこんなしょうもないオス何かのために、優しくして更に庇うのか、私は到底よく理解出来なかった。

 取り柄と言えば、人を気遣っているところだけ。

 それだけなのに……不思議だ。


「体の方は、大丈夫かい?」


「大丈夫よ。まあ、あんたみたいなクソオスに心配さなくても」


「それは、よかった……」


 正直言って、このオスに心配されなくても大丈夫だ。

 女性ってのは、本来強い生き物なのだから。

 オス何かに心配されるほど、やわじゃないっての!

 それと、分かったことなのだが。

 このオスは、他のクソオスと違って、本気で人の事を思っている。

 だが、少々要領が悪いところがあり、細かいことは苦手で、料理や洗濯などは全く持って出来ない。

 特に、料理となるとマジでセンスが皆無。

 たまにやるのだが、どれこれも焦がしたり、砂糖と塩を間違えたり、味付けが濃すぎて食えたものじゃないことがある。

 最近やった、訳の分からない黒色をした鍋の味は最悪だった。

 あの日、食後の3、4時間吐き続けて気持ち悪くて何も食事を通らなかった。

 その後も、2日か3日ぐらい食事をとれないくらいのトラウマはあった。

 絶対に、その日の恨みは忘れない。



 それから、10日ぐらい経ち、私も段々とこの生活に慣れてはきた。

 セレフとは、よく喧嘩していたものの。

 旦那のオス、ガイアとはなんとかまともに話せるくらいにはなったと思う。

 まあ、未だにあの筋肉ムキムキの体とは触れ合いたくはないが。

 そして、夜になり私とバカ夫婦は山に登りにきた。

 2、3時間くらい経つと、漸くてっぺんについて夜空を体育座りして見上げる。


「綺麗だろ……君も、この生活のよさが分かってきたかい?」


 私は、なんとなくこの生活の良さが分かってきた気がする。

 こんな綺麗なもの、今まで見てきたことない。

 自分の暮らしいる、都会では人は滅茶苦茶いるが、そんなにまともな人は少なかった気がする。

 それに、人生を振り返ると、汚い嫌な思い出しかない。

 だからかもしれない、こんなに男の人を毛嫌いしていたのは。

 まあ、気を許した訳ではないが。

 このガイアと言う男は、他のクソオスとは違うかもしれないと思った。

 良く考えると、こんな男は初めて会ったかもしれない。

 父親でさえ、私に対して強く当たってきたので、まともな男の人には会ってなかったのか。

 だから、こんなに男性を憎んでいたんだ。

 この生活で、そう言う男の人も要るんだな思い始めた。


「実はね……このセレフは、元々性的な犯罪の被害にあっていたんだ……だけど、俺はそんな彼女を助けたいと思って行動した……」


 それは、意外な話だった。

 あの、ガイアとか言うオスにデレデレな女が、本当は男に襲われていて、トラウマを克服してこの男に今では好かれたいと思い、結婚して夫婦になるなんて。

 まさに、驚愕な事実を言われて、私はその話を何故か黙って聞いてしまった。

 その他、取るべき行動が分からなかったのもある。

 

「……それで、困ったことが起きた。それは、彼女が盗賊団にさらわれたのだ。そして、俺はセレフを何とか襲われる前に救いだした……だけど、その盗賊団はまだ捕まってない。だが、逃げる途中にその町であることを聞いた……」


 あれ?

 まだ、続くのかこの話はと思い。

 何だか、ガイアの様子が変だった。

 それも、汗を大量にかいていかにも具合が悪いのか顔が青ざめていた。


「その盗賊団の名前は……OTK盗賊団。しかも、未だにその者達は捕まってはいない。何時か、俺達の元に来て。何かしてくるのではないかと、ヒヤヒヤしている」


 どうやら、その盗賊団はあまりにも強すぎる為か。

 誰も、敵わなくて倒せないようだ。

 しかも、その恐ろしさは魔王よりも強くて、とてもじゃないが普通の人間では相手にするだけ犬死にらしい。

 それに、ガイアが言うには、この世界はこう言う事件が度々起こってるらしい。

 それと、盗賊団は誰の命令をされて動いてるかも、何で急にそんな人間が現れたのかも不明で。

 この世界では、そのような能力や技を習得できる手段はない。

 これでは、更に謎が深まり、不安な事が多くなっただけで、その話を聞いた意味もない。

 それの話を聞いても、何故かセレフは動揺するどころか、なれそめ話としか思ってないらしくて。

 その顔は、ずっとガイアの方を見つめいた。


「あなたが守ってくれるから……安心するの。いつも、一緒にいてね」


「ああ……約束する。君を守るよ、たとえ俺が死のうとも」


 セレフは、そんなガイアの言葉に愛を感じて、潤んだ瞳で頬を赤く染めて満足げだった。

 どんだけ、この夫婦は危機感を感じてないのか。

 こんな世界で、よくそのような態度でいられるよと、ある意味羨ましく思う。

 大抵の人は、そんな状況に追い込まれたら、正気ではいられないし、そもそも性的な被害に合ったにも関わらず。

 男の事を愛して、結婚して夫婦になろうとは思わない。

 本当に不思議だな、この夫婦とやらは。



 そして、一週間の月日が流れて、私はこれ以上世話になるのは気が引けたので。

 とりあえず、まき割りを手伝う。

 なかなか、最初はあまり上手に割れないのだが。

 セレフに教わり、なんとかまきを割れるようになった。


「ちょっといいかな……」


「なによ……よいしょ!」


 まきを割っている最中に、話しかけてきたセレフ。

 それは意外だった、だって普通はあんだけ最初に酷いことを言ったにも関わらず。

 自分から、私に話をしようなんて、想像もつかない。

 それにだ、普通は好きな人を侮辱されて、更にそんな女にご飯を食べさせて寝泊まりされるなんて、まともな人ならしない。

 

「私は……最初は、ガイアを……他の男と同じだと思っていた……だけど、それは違った。ガイアに、最初会ったときは、あなたみたいに……襲われると思ったわ……だから、ガイアから逃げて。路地裏につい……行ってしまった……そこは、明らかに女性が行ったら最後……まともな状態では帰れない場所だった……その為、襲われそうになるも……ガイアが来てくれて、私を助けてくれた。しかも、ボロボロになりながらも」


 セレフは、ガイアとの馴れ初めを話す。

 それは、いかにも普通の出会いとは違っていた。

 明らかに、助けてもらったただの恩人みたいな話ではあったが。

 好きになる要素はない。

 だが、セレフはガイアと会っていくにつれて、その優しさと人を思いあって行動していた事に気がつく。

 更に、ガイアはお人好しなところがあり、いつも人を助けたいと行動していることを住民に聞いた。

 それと、ガイアはあまりいい家庭には産まれなかったらしい。

 だけど、ガイアはそれを言い訳にして悪事を働かず。  

 それどころか、自分が不幸になって惨めな生活をしていた為か、皆には幸せになって欲しいと、誰か不幸な人や困っている人をほっとけないみたいだ。

 その真っ直ぐな心に、何時しか気が付いて惚れたと、セレフは言っていた。

 私は、ガイアはただの偽善者なのでいいことをしていたと思っていた。

 それは違った、自分が不幸だったこそ、他人を思いやり助けていたようだ。



 そして、また一週間が過ぎると、何だかこの夫婦の事が好きになっていた。

 今まで、誤解をしていたのかもしれない。

 それは、男が全員悪い奴らで、女性はそんな男に奴隷としてこき使われいたんだと。

 だが、今は言えるのだ。

 この夫婦は、間違いなくお互いを求めて結婚したのだと。

 本当の意味で、信頼している。


「と言うか、大丈夫なの? あなた? 男が、嫌いなんじゃないの?」


 心配をしていたセレフとは裏腹に、私はガイアに対して今まで思っていたことがまるでないかのように。

 ガイアと接して、話せるまでになっていた。

 それも、友達みたいな関係性で、ここに来た経緯とかまでなら。

 だけど、勇者とは知らなかったガイアは、私にある頼みをしてきた。


「頼みたいことがある……」


 深刻そうに、私にセレフをもしものことがあったら守ってほしいと言う。

 私は、その頼みを請け負い、絶対にガイアのことも守ると誓う。


「当然でしょ! あなた達は、本当に互いを大切にしてる夫婦なのだから」


「えー! 夫婦なんて、女が奴隷で。男がそれを利用してひたすらご主人様面してるって、言っていたの……誰だけか?」


「そう言うこともあったわね……」


 私は、何かこの夫婦と会って変わったのかもしれない。

 本当の意味で、愛し合っている夫婦も要るんだなと分かったからかも知れない。

 このガイアとか言う、男の優しさに触れたからかも知れない。

 

「だけど! 私は、あなた達みたいな夫婦なら……お互い、幸せになれると思うのよ……だから! 私は、あなた達を守るわ……絶対に、一人の友達として」


 二人は笑っていた、それは絶対に思ってないだろと言われたが、私は本心だと言い返した。

 これは、本当の気持ちだ。

 だが、まだ私の言っていたことは信用していなかった。

 だって、今までにこんな事を言わなかったから、急にそう言われても、二人は違和感しかなかったのだろう。

 だけど、その笑顔は何処か楽しそうで、私はそんな二人を見て癒される。

 今まで、こんなことがあっただろうか。

 自分は、多分このような人物に会ってなかっただけなのか。

 こんな幸せそうな、夫婦は元の世界では居なかった。

 私は、そんな生活を楽しんだ。

 それは、つかの間の幸せで、あんな事が起きるとは全く思ってみない。

 馬場加代子は、これから変わっていき。

 人の事を思いやる、心を手に入れるのだろうか。

 そして、馬場加代子はこの世界を生き抜けるのか。

 こうご期待!

 感想、レビュー等お願い致します!

 やる気が出てくるので。

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