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動行性乖離症

エブリスタで公開中の小説です。

短編を集めたような小説ですが、特に見るのに問題は無いです。



宜しくお願いします。

 底を見た。


 深く黒く。ただ続いていることだけが分かった。

 ワタシは身を乗り出していた。風がワタシを靡く度に、このまま落ちろとでも言っているように感じた。ワタシはそうしたかったが、ユウダミもご周知のとおり、この体だ。ワタシは死ねないのだ。

 だから、そのようなことをしてもいなくなれないという事はわかっているし、まだ、いなくなる理由がないことを知っている。

 だから……心配はしなくていい。まだ私はここにいる。ワタシはまだ答えを探す。


 ワタシは、小さな女の子にあった。

 彼女は、ワタシに聞いてきたんだ。旅のことを。私は、薬学師の事だけを少し話してきた。

 …迷惑じゃあないだろう?どうせ知られても損はないことだ。ワタシはこの度が楽しいかと聞かれた。……私の答えは______だ。つまらないだろう。

 だけど、彼女はそれを聞いて満足そうに。旅をするって決めたと言った。


 ユウダミ。ワタシは彼女に口石を渡した。


 それは私のポケットに入っていた一個だった。

 その口石は、私よりも彼女に興味を示して、旅に行こうと口説いていた。

 彼女は、大切な宝石を見つけたように、明るい笑顔で石を受け取っていた。別れ際、私に彼女は手を振っていた。ひもが通された口石は、文句を垂れながらも応じていた。


 彼女らは、とても楽しそうだったよ。


 ねえユウダミ。

 ………やっぱりいい。今日はこれでおしまいだ。


 PS 宝石少女より












 追記

 心を指す。故に

 私はここにいる。












 猫が荷馬車を引っ張る光景は、いつ見ても不思議な光景だった。


 それを、せまい荷台で寝そべるユウダミに話すと、彼はそうでもないと答える。この世界では、必要であればオオカミが荷馬車を動かし、馬が荷馬車を動かし、強大なネズミが荷馬車を動かすらしい。

 どこから突っ込んでいいかわからないけど、この世界ではそうであるようだ。

 彼は、強大なネズミよりも、私の服装が珍しいといつもの様に言ってきた。強大なネズミやオオカミが荷馬車を動かす光景は見たことがないが、強大な猫が動かす光景は目の前にあり。


 半分が嘘だとしても、もう半分は正解。



 ワタシの隣にいる知人の名前はユウダミといって、薬学草を扱う生業で生計を立てている。

 その彼が飼っている大きな猫は夕霧という名前がある。夕霧の特徴は、デカいというだけではなく、このバカ猫は、余計なことを口走るのが大層好きである。腹の真っ黒いことを自身の心情に掲げている。猫鍋にしたほうが社会のためだとワタシは彼に言っているが、猫鍋になる様相はない。一つ言っておくが、猫鍋とはインスタ映えする可愛らしいものではなく、今時の社会風刺的には叩かれそうな猫鍋のほうだ。 

 まあ、こいつと一日いればそちらの猫鍋にしたくなるワタシの気持ちも察してくれるだろう。


 ユウダミは、時折いろいろなことに首を突っ込む。彼曰く、興味の消化というやつであるらしく、その消化された珍事は片手では収まり切れない。その中には、現実でありえないことが目の前で繰り広げられていて、ここがワタシのいた現実とは違うことが目の前で証明されているユウダミと過ごすとそれが痛感されるようだ。その中でもとびきりなのが…。


 ワタシは、胸のあたりに手を入れた。

 ワタシの右手は私の服を貫通し、私の肌を通り抜け、その手は、ワタシの心臓に到着した。

 右心房が動く感触。左心室が動く感触。左心房が動く感触。右心室が動く感触。

 ワタシは心臓を引き抜く。

 その心臓であるはずのものは、手を広げると小さな宝石になっていた。


 ワタシは元来動く物が嫌いである。

 動物が嫌いなんだ。だけども、それは生物に限ることはないく、ロボットでも、動画でも、色彩の変化でも。私は動くモノが嫌いだった。苦手なものは触らないのが吉である。見ない方が吉である。触らないのが吉である。だけど、世界が嫌いなのはどうしようもない。苦手なのはどうしようもない。そして一番嫌いなのが、ワタシを動かす心臓だ。


 ワタシは動くものが嫌いだ。

 少なくとも、心肺機能を停止して脳に流れる情報の一切を消したいほどに。


 それは自分の臓器も例外ではない。

 肺、胃、腸、肝臓、腎臓

 ありとあらゆる動くものが嫌いで、私を構成しているそれ等が嫌いで、それでも動いてしまう自分が嫌いで………………。特に一番嫌いな臓器がワタシのここである。波打つ心臓。私が私たる所以。今は宝石のように輝くものになっているが、宝石ほどの価値があることは甚だ疑問に残る。だからワタシは…。


 ワタシは、いつの間にかこうなっていた。


 手のひらの宝石は小さく波打ち、自身が心臓であるかのようにふるまっている。

 ワタシはどうやら、これを壊さない限り生き続けるらしい。

 ワタシはそれを心臓だと証明する気はないが、このような体になってしまった自分に対して哀れな感情を抱いている。しかして、彼はそんなワタシを見て興味を抱いているのである。また、彼は、横の建物に対して興味を覚える。早速馬車を降りるユウダミ。

    

 この世界の標準的な服装である服装の、袖が長い着物を着用している彼は、年齢不詳のたばこ好きである。喫煙者ではない私に配慮してか、ワタシの目が届く範囲では吸うことはないが、それ以外の配慮はまるでなっていないダメ人間。そんな彼に対して、一言多いバカ猫。そして、世界に合わない服装のワタシ。


 ワタシは、今まさに来ている女子校生の制服にたまった土埃を払い落として、少し寒い風を浴びつつ。荷馬車を降りた。ユウギリが引っ張るそれもこの世界での言い方もあるようだが、名刺的には荷馬車で十分だ。少なくとも私は困らないんだ。


 その店は石の店と書いてあった。




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