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始まり


 ーーそれは突然のことだった。


 気がついた時にはある一室にいた。周りはレンガの壁で松明がそこにかけられていた。


 そのため、薄暗いが視界は確保できた。


「ココは、どこなんだ?」


 一体俺は何でこんなとこにいるのか分からない。それに加えて不自然にもこうなる前の記憶がなかった。


 拉致されたのかは考えたが、それは足下にあった異世界特有のアレで否定される。


「これは魔法陣なのか、、?」


 よくファンタジーな物語に出てくる円の中に星みたいな形をした図形が描かれており、真ん中に数字が''777"と書かれていた。多分星みたいなやつに正式名称があるんだと思うが俺は知らない。

 

 大きさは直径三メートルぐらいだろうか。まあ、部屋の三分の一はそれなのででかいっちゃでかい。


 それに大きさによってよく魔法陣の効力が強くなるのって本当なのだろうか? 

 

 例えば人を紹介するならそれなりの大きさじゃないと発動しないみたいな。


 今気がつけばココは無人だ。周りを見回しても目の前の先にある怪しい黒色の扉しかないし、耳を澄ましても松明がパチパチと燃やしている音しかしない。


 さて、どうしたものかと思ったときのこと。


 黒い扉はゆっくりと開く。


 そして、松明に照らされ黒い影が二つ姿を現した。


 一人は金髪で大柄の男だ。もう一人が黒髪の女性で背中まで伸びたロングヘアーだ。二人とも、よくファンタジー世界でみる茶色い布の服をきていた。


 「あんたらは、誰だ?」


 よくあるファンタジー世界になんだか知らんが魔法陣で転移されたのは分かった。自分でもこんな冷静なのは驚きだ。


 恐らく記憶がないのも関係しているのだろう。


 最初に返答したのは男だ。


「いきなり入って悪いな。俺はスピアーズ。そしてこいつは、、」


 女性はそれに続くように、


 「私はレイン。今度は男の子かぁ〜。最近女の子ばっかりだったから良かったねスピア!」


 「ああ。少しでも討伐や建築にあてたいからな」


 なんだか勝手に喜ばれているがそれどころじゃない。それに聞きたいことも山ほどある。


 これもその中の一つ。


 「なぁ、あんたらは人間なのか?それとも、、」


 その質問に女性はニッコリとした顔で答えた。


 「あなたもしかして私達をNPCかなんかだと思ったの? 少なくてもあなたと同じところから来た人間だと思ってるわよ! まぁスピアは知らないけど」


 「あのなぁ。悪いなこいつ、、、いやレインはこういう性格なんだ。だから話も進まないことも多いから無視してもいいぞ! それと、さっきの質問の答えだが俺たち、、いやこの町に住むほとんどのやつはそこの魔法陣から来た人間だ」


 レインとかいう女は不満なようでほっぺたをまあるく膨らまして抗議しているようだったが無視するとして、、、もしかしてNPCじゃないかと思ったが同じ境遇の仲間だときいて謎の安心感が生まれた。


 「こんな薄暗いところで話をしてはアレだからなあ。この世界のことや町を少し案内しながら話をしていこうか。それと、できれば名前がわかれば呼びやすいから教えて欲しいんだが、、、自分の名前分かるよな?」


 そう言われ名前を思い出してみた。普通名前は思い出すものではないと思うが思い出してみた。


 確かそう平凡といえば平凡。ありきたりな名前。でも太郎ではない、、そう、、シ、、、そうだたしか、、。


 「俺は、、、シュウだ。名前は何とか思い出したがそれ以外覚えてないんだ。これは俺だけなのか?」


 「シュウか。良い名前だな。記憶についてだが全員不思議なことに名前以外覚えてないみたいなんだ。言語は通じるみたいなんだがな。ちなみにその記憶をとりもどすことも俺らの目標の一つでもあるんだがな。まぁいい、そろそろ日が沈むころだ、さっさと外に出ちまおうぜ」


 そう言われ俺はコクンとうなずくと、スピアーズ、レインの後に続いて黒い扉を潜った。


 その先は階段があり登って行くと夕暮れ時の赤い空が見えてきて地上に出ると何十人かの人間が俺たちを囲むように歓迎していた。


 全員スピアーズとレインそれに俺と同じぐらいの歳だろうか。十代後半から二十代後半ぐらい。それを考えたらスピアーズはもしかして古参の方なのだろか。


 そんなことを考えていると、


 「まぁ、こいつらはただの野次馬だ。"毎月"の恒例行事だから気にすんな。あとで広報されるだろうが自己紹介でもしとくか?」


 何故だか知らないがレインがはいはいはーいとか手をあげてたのでどうしたんだ?と俺が応えると、


 「私面白いこと思いついちゃた! シュウが良ければ変わりに自己紹介してあげるわよ!」

 

 などと言ってきたので、


 まぁ、自己紹介はそんなに得意ではないしやってくれるのならと思い承諾した。


 スピアーズもシュウが良いのならといった感じで黙認といった感じか止めはしなかった。


 まぁ、面白いことが何かは知らないがこれはレインなりに俺を馴染ませようとする気遣いなのだろう。


 すると、レインは一歩前に出て咳払いをすると、


 「はい、みんなちゅーもくー!!!」


 その声で全員なんだなんだといった感じで、俺はというとレインがなんて紹介してくれるか少したのしみだった。


 「皆さんで迎えご苦労様です! それじゃあ今日新しくみんなの仲間になった子を紹介しようと思いまーす!」


 盛り上げるように一人が拍手をすると、連鎖するようにあっという間大きな音と変わる。


 レインはそれに満足するかのように俺の方へ手を向け応える。


 「この子はシュウ。777人目の仲間よ! それと、、、」


 777人というのはとんでもないような数字に思えるのだがこの町にそんだけの人がいるのだろうか。それに魔法陣の真ん中の数字の777というのにも合点がいった。


 それに続いてなんて言うのだろうかと気になっていると。


 「この子には、私やスピア達と同じ調査兵団に入って貰おうと思ってまーす!」


 調査兵団?なんじゃそりゃって感じだがまあ良くはないことはわかる。周りの反応は、


 一人はこりゃ死んだなって言っており、一人は気の毒に、、、と呟きながら手を胸のまえで組んで神に祈っていた。


 スピアーズに至っては口をポカーンと開けながら微動だにしない。


 俺はただ、唖然としながら立ち尽くすことしかできなかった。

 

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