狙われる人工頭脳
ボルト博士は汗だくで勇気を絞り言った。
「あ、あの、猿型サイボーグの材料と設計図を家においてきまして。取りに行ってもいいですか。」
しかし司令官は顔を変えず、
「材料は全て用意する。お前は直ちに研究室に行け。」
モルフェスは電話に出た。
「ふむ、でその登山家の方が雪男を生き返らせたいと。しかし・・」
「わしの力じゃ心や魂を吹き込む事は出来ん。」
「で、今から開発しろと言うことですか?」
「いや、すぐにと言う事じゃ。何故ならまたすぐ登山家が雪男を見に来るかもしれないからじゃ。」
「そうしますと今さっき開発したロボットの頭脳等を使う事になりますが・・それは出来かねます。私はこのロボットを作るのに大変な時間と労力をかけた上に子供が出来なかった私の子供として作ったからです。」
「そうか、では無理にとは頼めんな。」
ボルト博士は研究室に軟禁状態になった。外には見張りがついておりあの誘いにきた眼帯の男が同席した。
「私はシャロットといいます。よろしく、ここで博士がちゃんと研究をしているか見張ると共に科学を説明してもらいます。」
「私の今まで開発したロボットは・・」
「はい。」
「まずゴリラの数倍の怪力、人工皮膚による鋼の様な体、暗い所でも光る眼、蹴ったりジャンプしたり等の脚力。」
「ふむ。で肝心な事を聞きますが、そのロボットは自動で動くんですか。」
「いえ外部操作です。」
「それでは困ります。生物の様に意思をもってもらわないと。人工知能は出来ませんか?」
「私の技術では」
「では他の博士を呼びましょう。」
モルフェス博士の元に軍服を着た怪しい男たちが来た。それを博士はモニターで知っていた。
「ああ、スタインか、どうも変な人間が私の所へ向かっている。そっちにも行くかもしれん。ボルトとは連絡がとれん。」
その時ドンドンと扉が叩かれた。博士は慎重に対応した。
「国の軍の者ですが。」
「軍?」
「はじめまして。今日はお願いがあって来ました。」
「はい。」
「人工知能を作り提供してほしいのです。」
「そんなものすぐには作れん。」
「おや、あの台の上の人型ロボットはなんですか?あれには使われてるんじゃないですか?」
その頃スタインとヒューストンはモルフェスの家に向かっていた。
「絶対におかしい、彼があぶない。」