雪山の管制所
ボルト博士は怯えた。
「一体どうやって・・」
男は高笑いした。
「多分宅配業者か施工業者に化けた人が入ったんでしょう。」
「勝手に盗聴した事を警察に言うぞ。」
男は冷静に
「あっいいんですよ、さる筋の調べですが、貴方は開発の為秘密で生物だけでなく人間を何人か殺してますよね。」
「いつのまに!」
「あなたが断ったとしても我々がばらせばあなたは外を歩けなくなる。」
「何が望みじゃ!」
「ですから研究に参加していただくと。一緒に来てもらいましょう。」
スタイン博士は冷静にヒューストンに説明した。
「まあ、このメイド型ロボットも名残惜しいのですが、貴方がそこまで考えているのなら・・」
「あ、ありがとうございます。」
「フレームの移植ですか。確かにそんなに難しい事ではありません。まだわかりませんが期間と採算はそれなりにかかるでしょう。」
「私が全部責任を持ちます。」
「ただ・・」
「ただ?」
「私は心臓が動くようになる技術など持っていません。生きているように動かすだけですが。」
「生物が簡単に生き返るはずはないと思っています。でもせめて雪男を見ようとする人の夢は・・」
「命が無く心が無くただ動くだけです。それではなんというか中身がないと言うか・・うーんあいつならもしかして。ちょっと連絡してみましょう。」
ボルト博士は雪山につれてこられた。さらに怪しい男が数人で連れて行った。
「一体どうするつもりじゃ。」
「ここです。」
「ここは。」
そこはモニターがありボタンやレバー等管制装置がある雪山内の基地だった。中は機械だらけである。その一番偉い人が座ると思われる椅子に肘をついている軍人風の男がいた。
「ようこそ。この国の真の軍へ。」
「真の軍?」
「その通り、ここは表向きの自衛隊と違い本当の戦闘の為の基地だ。ここから指示をだし、場合によっては人間を処分している。」
「えっ?」
「いっておくが我々は変な武装団体ではない。この国に属する正式な軍隊だ。ここでは全ての人間の情報を管理している。例えばこのファイル。」
紙のファイルを出しひとりの人間のデータを見せた。
「これを機械に入れると名前や写真、家まで出てくる。」
さらに男は続ける。
「で先ほど言った通り、ここで天候をコントロールするわけです。例えばこのボタンを押すと雷が蓄えられる、でモニターに出ている場所に狙いを定めると・・」
モニターに映っている一軒家に雷が直撃した。
「われわれの力をもってすれば人工雷などたやすく落とせる。次は吹雪を起こす。であんたにはこれから兵器や戦闘ロボットを作ってもらいたい。わか国のために。国の不要者を殺すために。
」
「そんな事・・」
「どうせ表には出れないんだ君は。いいか、まずはこの雪山のどこかにいる雪男を探しだし戦闘ロボットに改造してもらうぞ。」
その頃、スタイン博士と同じベッド型の台にロボットらしきものを寝かせている博士がいた。スタイン博士と比べ、いかめしく角ばったしわの多い顔しかしどこか優しそうな感じもする。
「よし、完成だ。お前は子が出来なかった私の娘になる。感情を持ったロボットだ。」
そこへ電話がかかってきた。
「はい、モルフェスです。」
「ああ、スタインじゃ。実はお前に頼みがあってな。」
「はい。」
「生物を生き返らせる発明は出来んか。」
「生物の蘇生ですか。いえ無理ですね・・」
「そうか、実は生物を生き返らせたいと言う人が来ていてな。」
「感情をもったロボットが、今完成しました。」