雪男復活なるか
ヒューストンは雪男を担いで山を下りた為、疲労は頂点に達し汗だくで今にも倒れそうだった。それを察した博士は家に招き入れた。
「ま、まあお話は家で。」
「すみません。」
「そ、そのゴリラは病院に連れて行きますか。」
「いえもう駄目です。それで本日、博士にお願いがあってきました。」
「あの、あなたが有名なスタイン博士ですね。実はお願いがあってきました。あなたの科学でこの雪男を生き返らせてほしいのです。」
「そのゴリラは雪男?」
「はい、登山中に遭遇し、恐怖のあまり撃ってしまったのです、私は伝説の生物を殺してしまった。つぐなうには機械で生き返らせるしかないのです。」
「しかし・・私も生物を生き返らせる技術はありません。」
「はい、ですのでつまり機械の内部に外側に雪男のダミーの皮膚をかぶせたロボットを作ってほしいのです。」
「何と。」
「私は世界の伝説を奪う事をしてしまいました。皆のロマンや夢を奪いたくない、同時に命や生物の存在を奪いたくないのです。開発費は私が全て返します。ですからどうかお願いします。」
「うーむ。」
スタイン博士は完成したてのアンドロイドを見た。
「もし、あなたの決意が本物なら、このアンドロイドの内部を使ってもかまいません。あなたは世界の夢やロマンを奪いたくない、また命を奪った責任感も持っている。」
「そのロボットは・・」
「私が身の周りの世話をしてもらうために作って、ちょうど今日完成したのですが。」
ボルト博士は実験を続けていた。小瓶のような鉄容器、ちょうど病院の薬の入れ物のようなものを手袋をして取った。
「これが体内に埋め込む小型原子炉。そして」
「ゴリラ型生物用、人工の猿人用の皮膚だ。鉄の様に硬い。」
「これが手の甲に入れる特殊金属。」
そこに呼び鈴をならした人物がいた。ドアを開けると眼帯をつけシルクハットをつけた怪しい男がきた。
「誰じゃ。」
「これはこれはボルト博士、貴方のうわさはかねてより聞いています。今雷が雪山に落ちましたが、あれは我々人口天候コントロール協会によるものです。」
「人工天候コントロールだと?そんな名前学会で聞いたことはないぞ。そんな科学が存在する話もきいておらん。」
「人類の生活を良くするための発明実験なのです。雨を降らせ、熱さを払しょくし、逆に太陽の光を照らす。まだ1部しか公開できませんが、ぜひ私たちの雷実験に参加していただきたい。」
「あんたたち何者だ。そんな技術があったらとっくに世にでているだろう。信用できるとは思えん。」
「ふむ・・」
男の顔つきが変わった。
「話がよくわからんが、断る。私は自分のために使いたい。」
「殺人のためですか。」
男はにやりと笑い、鬼の首を取ったような顔をした。博士はたじろぎ後ずさりした。
「なぜそれを。」
「ここに盗聴機がついています。」