水道管ロボットの苦悩
ある小学校では暑い日差しの中体育の授業が終わった。
「あーっ、あついあつい。」
「のど乾いた。」
「俺さきに飲む。」
子どもが校庭の蛇口をひねったが出てこない。
「あれ?」
子どもはさらに強く回した。すると水が出てきた。
「出た出た。いただきます。」
子どもはおいしそうに出た水を飲もうとした。すると口に入れた瞬間、口の中が溶けはじめ、更には顎や鼻のあたりまで溶けだした。周囲の子供たちは悲鳴を上げた。
「こわいよ!」
教師も生徒も大パニックになった。子供は死体も残らず溶け果てた。
水道局と警視庁が共同で会見をした。マスコミが質問する。
「強酸性の水が小学校の校庭の蛇口からでたと言う事ですね?」
「これは内部のミスなのでしょうか?」
水道局は答えた。
「いえ、本来我々は酸など使いません。絶対に内部のミスではありません。
「と言う事は外部に犯人がいると。」
警察は
「その線で捜査を進めます。」
ヒューストン達は様子をテレビで見ていた。
「これ、雪男たちのせいじゃないんでしょうか?」
スタインは
「ううむ。水道局が全く管理できないとなると高い技術であり同時に恐ろしい手段でやっているんだろう。」
「しかし、なぜよりによって小学校の校庭なんかに。許せませんよ!非道すぎる!」
「警察だけでなく我々も動いた方がいいかもしれん。子供だけでなく親や教師のためにも。」
その頃、遊園地でぬいぐるみショーが行われていたが、当初の予定が変更されたと立札があった。親子連れの子供は
「パンダ君とコアラ君出ないんだ。」
母親は
「たぶん代わりがでてくるわよ。」
そこへ司会の女性が出てきた。しかし、笑顔の様でどこか怪しい雰囲気を子供は感じ取った。
「ねえ、あのお姉さん、なんか怖い。」
「そうかしら?普通の人に見えるけど。」
司会の女性は大声であいさつした。
「皆さーん。今日は残念ながらパンダ君とコアラ君は来れませんでしたが、代わりにロボット君が来てくれました!それでは呼びましょう、水道管ロボットくーん!」
何とそこには水道管ロボットが現れた。警備員が裏に行くと、ぬいぐるみのアクター他スタッフが殺されていた。
「こ、これは、は、はやく警察を!」
舞台では水道管ロボットが笑われていた。
「何あのロボット!」
「不格好!」
子ども達は笑ったが司会の女性は
「みなさんこう見えてもロボットはすごい力を持ってるんです!」
「すごい能力?」
「例えばみんなをとかしちゃうとか。」
「え・・」
そういうと水道管ロボットはポンプから溶解液を出すと最前列の子供たちが溶けだした。1同は悲鳴を上げた。
「うわー!逃げろ!」
「はは、もっとやれ水道管ロボット!」
女性は叫んだが水道管ロボットはためらった。
「どうした?」
「うう・・で、出来ない!」
そう言って水道管ロボットは舞台から走り去った。
水道管ロボットはライアンの元に来た。ライアンは怒鳴った。
「貴様!どういうつもりだ!」
「ライアン様、子供を殺すなんてできません・・」
「何だと、この役立たずめ!」
「なぜ子供なんですか。」
「世の中に恐怖を与えるためだ。まあ子供を殺しても何のメリットもないが。
「・・」
「いいか。今度逃げ出したら命はない。」
「・・・」
水道管ロボットはしぶしぶ出て行った。




