決着と公平な気持ち
「俺は反撃しない。」
アルドをかばいひたすらスノーボルトは防御に徹した。兵士たちは倒したとはいえ、キラーラビットのミサイルと光線がスノーボルトを襲ったが、激しくダメージを受けても倒れずふんばった。外傷はそれほどないとはいえ焦げ跡が出来煙が上がった。ライアンは指令室で様子を見ていた。
「しぶといやつだな。よしこれを受けろ。」
指令室でライアンがボタンを押すと、空中に雲が集まり電気を帯びた。そこからスノーボルトめがけて一直線に人口の雷が落ちた。直撃を受けたスノーボルトの体はダウンしかかったが、胸のダイヤモンドが光り雷を吸収した。
「よし、体内で雷を高温に変えるぞ!」
スノーボルトは吸収した雷を高温エネルギーに変え、冷凍液噴出口から発射した。さらに体をドリルの様に回転させて風を起こすと風圧で高温が辺りに散らされた。キラーラビットの所にも来た。
「くっ!だが熱エネルギーを食ったぐらいで。」
「次はこれだ。」
さらに噴出口から冷凍液を出すと、周囲に急激な温度変化が起きた。キラーラビットの体に異常が起きた。
「くっ、体が爆発する・・」
スノーボルトは突進し、パンチを食らわせるとキラーラビットは耐え切れず爆発した。スノーボルトはアルドの方を向き直った。
「すまない、倒す前に基地を聞いておくべきだった。」
「基地はあっち。それより大丈夫?」
「気にするな。」
ライアンたちはモニターで確認していた。
「こっちへ来ますね。」
「迎撃兵を用意しろ。」
「ここよ。」
荒れ地の一見何もない所をアルドはこじ開けようとした。するとそこから階段が出てきた。2人はゆっくりと降りて行った。階段を降り切ろうとしたとき兵士たちが待ち構えていた。
「捕えろ!」
しかしスノーボルトは上がってくる兵士たちをなぎ倒した。
「あっち!」
アルドが指差した方向に扉があり、その先が長い廊下になっていた。スノーボルトが来るのを気づいた兵士たちはライアンに言った。
「ライアン様、お逃げ下さい。」
「く、くそっ!」
スノーボルトが部屋を打ち破るとそこは指令室だった。
「くそっ!逃げられない!」
スノーボルトは言った。
「モルフェス博士はどこだ!返せばお前を逃がしてやってもいいぞ!」
「ぐっ!」
モルフェスが隣の部屋から出てきた。
「2人とも!」
「モルフェス博士!早く逃げましょう!」
「スノーボルト!私の事は構わん!ライアンたちをとらえるんだ!」
「しかし!」
「儂は一時、アルドが1番大事だと錯覚した。しかし本当は他の人間もロボットも同じように思わなければいけないんだ。それが出来なければ科学者の資格はない。」
倒れていた兵士の一人が苦しみながら銃口をスノーボルトに向けた。
「危ない!」
スノーボルトに発せられた弾丸はかばったモルフェスに当たった。




