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怪人雪男  作者: 元々島の人
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絶対零度の戦い

 アルドは構えた銃をスノーボルトに向けて撃った。つぶらで冷たい目だった。いや構えた姿、全身が冷たさに満ちていた。マーグはボルトの声が脳や耳に聞こえ支配されそうになりながら気力を振り絞った。スノーボルトは無表情に銃を構えるアルドに叫んだ。

「やめるんだ、アルド君!」

しかし銃弾は撃たれた。

「ぐあっ!」

スノーボルトは苦しんだ。そこへ大音量スピーカーでライアンの声が聞こえた。

「その少女ロボットはモルフェス博士が自分の子供として開発したロボットだ。破壊すればモルフェスは大きな精神的ダメージを受ける。貴様も恨みを買うだろう。」

精神肉体ともにダメージをうけているスノーボルトにさらにシーラカンスロボットのパンチが2、3発続き、尾ひれを震わせて打ち込んだ。攻撃を受けたスノーボルトはダウンし、さらにシーラカンスロボットの破壊光線がスノーボルトに口から吹きかけられた。スノーボルトだけでなく床が焼け焦げた。またライアンの声が響いた。

「とどめはアルドにやらせろ!」

その様子を見ていたモルフェスが叫んだ。

「や、やめてくれ!娘に人殺しをさせないでくれ。」

しかし手下たちはモルフェスを押さえつけた。ライアンは嘲笑った。

「人殺しでなくロボットだがな。ロボットなら犯罪にならんだろ。」

「お前にはわからんだろう。子供だと思っているロボットが罪を犯すのを!」

「うるさい、お前は相手の女もいないロボットしか相手のいないさびしい男だろ。どうせ人間とロボットの区別もついてないんだろ。」

その口論の間シーラカンスロボットは動きの鈍くなったスノーボルトを何発か殴った。しかしライアンは珍しく情けを見せた。

「いいだろう、アルドだけは助けてやる。」

スノーボルトが追い込まれうつ伏せになった所へ天井が下りてきた。始めはゆっくりだったが徐々に早くなった。スノーボルトはダメージが大きく思うように動けなかった。そしてついに天井が真上にきた為両手で天井につぶされないよう支えた。

「ぐ、ぐおお!」

「つぶされて死ね!」

ライアンの声が響いた。スノーボルトは力を振り絞った。すると天井の動きが止まった。満身創痍だった。

「ぐ、ぐおお・・」

「馬鹿な!」

「絶対零度のエネルギーをなめるな!」

スノーボルトの体温が急激に低下したその低い温度が手を通して天井に伝わった。天井に冷気が伝わり始めた。

「天井を凍らせようというのか!」

部下はライアンに報告した。

「部屋の温度が下がっています。」

「かまわん!そのまま天井を落とせ!」

しかし髪ぼさぼさの博士は言った。

「ご安心を。再びボルトの人格でマーグを押さえるのです。」

部屋の超音波装置で抑えられていた昔のボルトの人格が再び目覚めようとしていた。マーグは苦しんだ。

「心が支配される!」

しかし、飛ばされそうになったマーグの心と引き換えに声が聞こえた。

「まだだ!今度は俺の番だ!」

それは陰にいたハンザ・ペーターの心だった。そこへヒューストン達が駆け付けた。

「スノーボルト!」

「ヒューストン、俺だ、ペーターだ!」

「マーグさんといれかわったのか?おっと今助けてやるぞ!スイッチはどこだ!」

ライアンは様子を見て笑った。

「探しても停止装置などないぞ。」

「それならば!」

スノーボルトは叫び、天井を殴った。

「特訓の成果だ!」

スノーボルトは渾身のパンチを天井に叩き込み、天井に穴が空きそこからひびが入った。

「天井をパンチで打ち抜いただと!」

ライアンは叫んだ。

シーラカンスロボットが襲いかかりパンチを撃ったが、スノーボルトはひらりと後方にジャンプしてかわした。さらにそこからジャンプしシーラカンスロボットに飛び蹴りをくらわせダウンさせた。

「は、はやい!」

ライアンは驚いた。さらにスノーボルトはシーラカンスロボットにのしかかりパンチを浴びせた。そこへアルドが後ろから銃を撃ってきた。

「そのロボットはモルフェスの娘だ!手は出せんだろう!」

しかしスノーボルトは弾丸を手ではじきアルドの懐に当身を食らわせた、アルドは失神した。その時シーラカンスロボットは起き上がり壁を一面殴ったり破壊光線を吐きかけた。ライアンは焦った。

「まずい、あいつはコントロールが狂うと暴れだすんだ!」

更にシーラカンスロボットは暴れ、破壊光線を食らわせた所から火の手が上がった。

「基地から逃げるんじゃ!」

しかしスノーボルトは、

「しかしモルフェス博士が!」

「こういうとなんだがあいつらにはモルフェスが必要なんだ。だから殺さんだろう。」

「俺も今は逃げるのが先だと思う!」

「くっ!」

3人は逃げ出した。基地は大火事になった。





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