科学者の葛藤とスノーボルトの初陣
クリスタルエレメント改めスノーボルトはゆっくりと起き上がった。そして直立不動で少しだけ顔を左右にふり辺りを見回している。そしておもむろに壁を殴った。すると部屋がゆれ壁がへこんだ。司令官達はあわてた。
「クリスタルエレメントを止めろ!」
1人の兵士が向かっていったが、目から突如白い光線を出し、受けた兵士は黒こげになった。
「こいつ人を殺した・・」
ヒューストンは怯えた。
「くそうてっ!」
部下たちはライフルを連射したが肩から出る冷凍液で氷漬けにされた。
「うわあああ!」
部下が叫ぶのを見て司令官は撤退した。
ボルトは言った。
「こいつを用心棒にしてここから脱出するんだ!」
「お前はどうするんだ?」
スタインが聞くとボルトは
「おれはここで死ぬ。外へ出ても人生は終わりだ。」
スタインは少し黙り言った。
「お前、何で実験の為人間や生物を殺した?」
「俺は昔から兵器ばかり開発していた。俺はずっと孤独だった。そして人間にひがみ、にくしみ、蔑みを抱きついには裁こうと決意した。」
スタインは言った
「お前は生きろ、罪を償うのなら。」
ヒューストンは言った。
「このロボットについている武器はボルト博士でなければ分からないんでしょう?」
肩を落とし下を向いていたボルトは何とか前を向き
「わかった。行こう。」
「よし後はこのロボットが味方であるかだ。ロボットよ、われらに味方してくれんか。」
その瞬間スノーボルトの目が光り先を歩き始めた。
「先導してるのか」
警報がなった。
「脱走者を捕えろ!」
追っては廊下のすぐ先まで来ていた。ロボットは動きが遅く博士たちも走って逃げられない。
「いたぞ!」
兵士が前から来たが!スノーボルトは手で振り払った。次の曲がった廊下にいた兵士もスノーボルトはなぎ倒した。
「よし、この強さなら!」
ヒューストンは喜んだがモルフェスは言った。
「逃げるのもいいが、私はロボットを取り返したい。あのロボットは私の娘だ。」
しかしスタインは言った。
「ロボットは子供じゃない。作ったものに過ぎん。子供は人間が愛し合い産むものだ。むなしい人形に願いをかけても仕方ない。」
「私には子供がいないんだ!」
「なら女性を見つければいいだろう。」
「ロボットは人間と違うのか!」
「ロボットはあくまで機械、人間は人間だ。」
ヒューストンは制した。
「ここは、まず先に逃げましょう。」
司令官は言った。
「あのロボットにたいこうするには・・」
「試作型が一機あります。」
「こっちだ!」
「よし、もうすぐ出口だ!」
そう思ったのもつかの間だった。
「待て!」
司令官の近くにいた側近がまるでヒグマの様なロボットを連れている。
「試作型ヒグマロボットが相手をするぞ。」
スノーボルトは前に出た。ヒグマロボットとにらみ合いの様だった。緊張が走る。
そして次の瞬間、ヒグマロボットは殴りかかり、スノーボルトの顔面にヒットした。しかしぐらっときたが倒れなかった。しかし顔やボディにさらにパンチが飛んだ。
「大丈夫か?」
しかしスノーボルトはパンチを受け止め倒して見せた。そして蹴りを何発か入れた。
しかしヒグマロボットは火炎を吐いてきた。しかし怯んだもののスノーボルトは肩からでる冷凍液でヒグマロボットを氷漬けにし、さらに凍った所をパンチをたたき込み砕いた。
「やったぞ!」
「逃げろ!」
その時司令官のアナウンスが届いた。
「いったん引き揚げろ!」
もう出口をふさぐ者はいなかった。
何とか4人は脱出した。しかしボルトは浮かない顔をした。
「どう罪を償えと言うんじゃ。」
スタインは励ました。
「我々は3人で1つだ同じ方向を向いてないと駄目だ。その時こそ力を発揮する。」
ヒューストンは言った。
「僕にはできることがない。」
スタインは言った。
「ヒューストンさん。もしよければこのロボットに感情や言葉を教え、指示をしてくれませんか?」
「ええ、僕が!」




