第5話 「それぞれの事情」
それは私が編入して来て1週間程たった時だった。
その日は曇り模様だった。一応降水確率は10%となっており放課後まで降る事はなかった。
その日は南雲君に話したい事があった私は放課後に彼と一緒に帰ろうと言い南雲君は渋々答えてくれた。
「南雲君少しだけ喫茶店によって行かない?」
「え〜…高いじゃんコーヒー家で飲みなよ。」
「貴方よく女子にそんな事言えるわね…」
「俺は色恋沙汰には興味がないからね。」
「それでも付き合ってくれるぐらいいいじゃない。」
「分かったよ…でも早めに出ような。」
「何か用事でもあるの?」
「ああこの後伊織と約束しててな。
あいつの家に行かなきゃ行けないんだ。」
「そう、まぁいいわ行きましょう。」
それから私は彼の素性を少しでも知ろうと彼に問いかけてみたが彼はずっとスマホをいじっていてあまり詳しくは答えてくれなかった。
私達は喫茶店から出て3分程歩いた頃だろうか。
雨が降って来たのだった雨は小雨から大雨にすぐ変わり私達の制服を濡らしていった。
私達はすぐに屋根があるところまで移動した時に私は見てしまった彼の一つの秘密を。
「びっくりした〜いきなり降ってるんだもんな。」
彼はそう言って後ろを向きハンカチで濡れている部分を拭いた。
「ええそうね、すぐに止めばいいんだけれど。」
私は彼の方を向いた。その時私は息を飲んでしまっていた。
彼の制服は雨で濡れていて肌が透けている状態だった。その時に彼の背中を見てしまい私は彼と目の前で殺された彼が同一人物である決定的な証拠を見てしまった。
彼の背中に背中を突き抜かれたように大きな火傷の後があった事を。
それは火傷の大きさではなくまるで太鼓並の物に背中を焼かれたほどの大きさだった。
彼のその傷は制服越しからでもわかるほど赤くなっており普通の人が見たら嘔吐してしまいそうな程グロテスクだった。
そして昔私の目の前で殺された彼も背中を突き抜かれたいた。
この時私は彼と目の前で殺された彼が同一人物である事が確定であると思ったのだった。
私は恐る恐る彼に傷の事を訪ねてみた。
「…貴方その火傷はどうしたの…」
「ん?ああこれ?ごめんね見ていて気持ちが良い物ではないよな。」
「………」
「これは小さい頃色々あってなふざけてたら怪我しちゃってな。」
「そう…大丈夫なのその火傷…」
「ああこれは見た目だけで痛くないからな。」
「そう…大丈夫なら良いのだけれど。」
「ああ悪い、後この事は人に言わない様にしてくれよな。」
「分かったわ…」
「じゃ帰るか…」
見ると私達が話している間に雨が止んだらしく彼はブレザーを着ていた。
そして話は現在に戻る。
体力テストが終わり昼休みになった学校で1人の男子生徒が声を出した
「あ〜疲れたな体力テスト。」
「お前は疲れるだろうな。」
疲れている生徒に話しかけている生徒がもう1人いた、伊織である
彼らは教室で2人仲良くご飯を食べていた。
「ああ全く何でバカな事したんだろうな俺。」
「お前の身体は負担がかかりやすいんだから気をつけろよな。
じゃないと俺が本気を出せなくなっちゃうからな。」
「分かってるよ。伊織に負担は掛けないから。」
「本当だよなあの時だってバカな事したしお前。」
「あれは仕方ないだろ!雨降らないだろうと思ってたのにいきなり降ってきたんだから。」
「それは後で説教な」
「え〜…」
すると伊織はいきなり真剣な声で
「葵、あの時話した事忘れてないよな。」
「ああ忘れてないよ。あれは本気でびっくりしたからな。」
話はまた過去に戻る。
この話は美生と話した後の事だ。
「なぁ伊織」
「何だいきなり真剣な声で。」
「俺さ鷹木に背中見られた。」
「は?」
「俺さ鷹木に背中見られた。」
「2回も言わなくて良いよ!
え、マジで?お前の背中見られたの?
バカじゃねぇの⁉」
「うるさいうるさい!俺だって見せたくて見せたんじゃないんだからそこまで言わなくていいじゃないか。」
「いや無理だな、お前の背中の傷はお前が望んで着けたものじゃないんだからあんまり見せる様な事はするなよ。」
「ああ悪かった。」
「別にいいよその傷を知ってるのは俺と葵を合わせて3人しかいないんだから。」
「優しいな伊織は10年前と全く変わらないな」
「何言ってんだ10年前お前に助けられた恩をお前に返しているだけだよ。」
「そうか…お前をあの時助けてあげて本当に正解だったな。」
葵は少しだけ泣きながら言った。
「おいおい何泣いてんだよ。」
「いやあの時の事をちょっと思い出しちゃって。」
「何か恥ずかしいからその話はやめてくれ。」
「お、どうしたんだ伊織
女子みたいな反応して。」
「うるさいそんな事より今日集まってもらった事だけど。実は前葵に頼まれてやっていた
ボルケニクスの事だけど。」
「何か分かったのか?」
「葵の見たてどうりやっぱり誰かが意図的にこちらに送り込んだみたいだ。」
「やっぱりそうか…一応聞くがとこからかは分かったのか?」
「いや場所は分からないが反転界からきた事は間違いないないだろうな。」
「やっぱりそうか…でも一体しか送ってこなかったから恐らく小さい国だろうな。」
「ビンゴ、さすが葵」
「そりゃ実際何回も戦った事があるかな。」
「そうだよなお前はもうずっとだもんな…葵やっぱり早く終わらせたいよなこんな戦争…」
「おいおいしんみりすんなよ伊織。
俺は今の生活は嫌じゃないよこうしてお前と一緒に毎日過ごせるんだからな。」
「そうか…何か悪かったな俺も幸せだからな。」
「知らない人が見たら俺たちホモだな。」
「そうだな」
「てか話それてないか?何の話してたっけ?」
「葵は本当にすぐ忘れるよな俺と愛衣さんのこと以外。」
「ああそうだな俺にとって必要な事はその2人の事だけだからな。」
「そうかじゃあ話を戻そう。」
…………………
「で、あの話がどうしたんだ?」
「いや実はどこから来たのか分かってさ葵に報告しようと思ってたんだよ。」
「流石伊織だな、」
「え〜とね今回ボルケニクスを送って来たのは、『アルー
「ねぇちょっと2人ともいい?」
伊織の言葉を遮って話しかけて来たのは美生だった。
「…何だ鷹木俺と伊織が喋ってるんだから邪魔しないでくれ。」
「いいだろ葵それくらい大した話じゃないんだから。それで鷹木さんは何の用?」
「ちぇ、俺との態度が違うじゃねぇか。」
「南雲君聞こえてるわよ。ねぇ私も一緒に昼食食べていい?」
「だー
「いいよ毎日葵とだと話題も尽きちゃうからね。」
「伊織ぃ…」
「そう、ありがとう河田君」
そう言って美生は近くにあった椅子をひっぱてきてその椅子に座った。
う〜む目の前にイケメンと美女がいるとこんなにも自分の存在が小さく感じるんだな。
しかも周りからの視線も痛い。
学年でもトップクラスのイケメンと学年トップクラスの美女と一緒にご飯と食べているせいか。男子からの視線と女子からの視線がとても痛い。そりゃそうだよなこんな特徴のない奴。
やべぇ自分で言ってきて悲しくなってきた。
「…グスン」
「どうしたの葵泣いて。」
「いや俺場違いだなってな。」
「そんな事ないよ。」
「くそ〜イケメンはいいな…」
「あはは、そんな事ないよ俺より葵の方がかっこいいって。」
「それは俺に死ねと言っている様に聞こえるのだが…」
「あはは…」
「ちょっと私の事忘れないでよ。」
「ああ悪かった。」
「貴方達本当に仲良いいわよね。」
「まぁ長い付き合いだからな。」
「へぇー、あのさちょっと2人に頼みたい事があってさ。」
「頼みたい事?俺でよければ手伝うよ。」
「伊織が手伝うなら俺もやる。」
「ちょっとさ先生に頼まれて放課後職員室に行かなきゃ行けなくてさ。」
美生の話だと運んで欲しいものがあるので美生とあと2人ぐらい人を連れて来いという事らしい。
「お願い出来る?」
「いいよ別に困ったら助け合わなけゃだしね。」
「ありがとう河田君。南雲君は?」
「ああ、俺もやるよ今日は特にする事もないしな。」
そして放課後
「ちょっと河田君達先に行ってくれない私他の人に呼び出されて。」
「分かった、じゃあ先に行ってるね。」
「あいつサボるんじゃないか?」
「いいじゃないか、これで少しの間話が出来る。」
「そうか分かった、歩きながら話そうぜ。」
「恐らく今回ボルケニクスを送って来たのは、『アルヴァージ』っていう中規模国家何だけどさその国は浮遊国家で恐らくだけどこちらに鑑賞する事は殆ど無いと思うんだよね。」
「『アルヴァージ』かまぁ浮遊国家ならいいんだけどな。」
「ああ、葵の探している国じゃなかったみたいだね。」
「ああ、俺が探してるのは…」
その後俺たちは美生と合流して仕事を片付け帰宅する事にした。
美生は基地へと
伊織は葵の手助けを
葵は彼女の為に
皆はそれぞれ自分のするべき事をする為に帰宅するのであった。
どうもこんにちは美羽です。
皆さん夏休みどうお過ごしですか?
仕事・補修・塾・ぼっち・色々あると思います私は受験です。はい…
私は受験生なのにこんな事していて良いのでしょうか…
なのでおそらく10月以降は殆ど投稿出来なくなってしまうと思いますが許してください。
次の話ではもっと内容を濃くできる様に精進します。
ではまた皆様に会える事を祈って。