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星の降る町  作者: 近江 秀
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一話 ありふれた日常

よろしくお願いします<(_ _)>

 昨日風呂に入ったあとすぐに寝た俺は、一時限目から講義を受けているのに講義中に眠たくなることはなかった。しかし、眠くならないことと、授業内容が頭に入ってくるということはまた別物で、ノートはとったものの、早くも試験が心配になってきた。

 「はぁ~、これは試験前は猛勉強しないと単位危ないな」

 そんな心配をしながら昨日約束した通り食堂に向かう。

 片目を擦り、あくびをしながら食堂に入ると、窓際の日当たりのよい席で小樽と穹は飲み物片手に話していた。

 小樽が俺に気が付くと、まだ距離もあるのに周りの目も気にせず、大声で大きく手を振りながら呼んできた。

 「おっ、千歳―!こっちこっち!」

 若干周りからの視線も感じたが、気にせず目線を下に逸らしながら2人がいる席まで歩く。席に着くころには最初に感じた視線も無くなっていた。

 「遅いわ~。いつまであたしら待たせる気よ」

 席に着くや否や小樽が講義終わりの俺に心の無い言葉を放ってきた。

 そろそろ、メンタル的にきついんですけど……。

 「千歳君お疲れさま。一時限目からでてたんでしょ?それは疲れるよね。飲み物ミルクティーとガラナがあるけどどっちがいい?」

 穹が優しい言葉をかけてくれたのでちょっとメンタルも回復した。

 「ありがとう。じゃぁガラナで」

 穹からガラナを受け取ったところでまた小樽が絡んでくる。

 「あんた本当にガラナ好きだね~。コーラと何が違うの?」

 「バカ野郎。北海道民はガラナ一択だろ。この麦茶にジンジャーエールを混ぜたような味がたまらなくいいんだよ」

 気が付いたら立ち上がって右手でガッツポーズも決めていた。

 いかんいかん。このクールな俺が熱弁してしまった。

 「麦茶とジンジャーエールって……。それだけ聞いたら絶対飲みたくないわ。ねぇ?穹」

 「え?いやーどうだろう。意外とそういうゲテモノが好きな人もいるんじゃないかな?」

 「え!?穹まで!?」

 穹が小樽の質問に対して俺をフォローしてくれると思っていたが、毒を吐いた。

 そうだ、穹はたまに毒を吐く。

 「ガラナは嫌いじゃないけど麦茶とジンジャーエールって言われちゃうとちょっとね」

 穹が困った表情で若干のフォローはしてくれた。

 「やっぱ、あんたみたいに『ガラナ大好き!』って感じの人っていないんじゃない?いくら道民でも絶対コーラ好きの方が圧倒的に多いって」

 俺の肩を叩いて笑いながら小樽が言う。正直信じたくないけど俺もそう思います。

 「てかそんな話するたるために集まったんじゃないだろ?さっさと本題に入ろうぜ」

 今日の本題である明日のことについて話題を持っていく。

 「あぁ、そのことなんだけどね。夜から集まってただ星見て帰るより昼くらいに集まって昼ご飯食べて夜まで遊ぶっていう方がよくない?」

 小樽がそう答えている横で穹が小さくうなずいている。どうやらこの二人の間ではもうほとんど決定らしい。まぁ明日は土曜日で大学もないし、特に予定が入っているわけでもないので全然問題ないか。

 「それでいいんじゃねぇの?」

 正直暇だったところに予定が入って嬉しいのだが、それを悟られることが恥ずかしいと思い、わざとらしくだが右手を首にかけてけだるげそうに答える。

 「よし、決まりね。じゃぁ明日は13時に風月集合で」

 今日の本題が始まってから5分も経たないうちに穹がしめる。

 それより風月か。これも多分俺がいないうちに決まっていたのであろう。明日の昼飯はお好み焼き以外の選択肢はないらしい。

 小樽はこの後バイトらしく、そんな感じで今日のところは解散した。


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