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星の降る町  作者: 近江 秀
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プロローグ

初めて書いた作品なので読みにくかったりすると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。

「打ったぁーーー!打球は伸びて!伸びて!伸びて!!」

 九回の裏二対三ノーアウト一塁。打席にはこの試合三打席三振の助っ人外国人レアード。誰もがこの助っ人にため息をついていたその時、ため息ではなく、歓声でドームは沸いた。

 「入ったぁーーー!レアード!逆転サヨナラツーランホームラーーーン!!!」

 正直相手も助っ人外国人のいいピッチャーだったので勝てるとは思っていなかったので打球がスタンドに入った瞬間はリアルに鳥肌が立った。

 「久々にいい試合見たな~。これはテレビじゃなくて直接見たかった。」

 テレビでは勝利チームのヒーローインタビューをやっていて、試合を決めたホームランを打ったレアードが片言の日本語で「メッチャツカレタ。マタアシタ!」とか言っているのが聞こえたと思ったら、珍しく俺のケータイが鳴った。

 画面を見ると「早坂小樽」の四文字。大体の用件はわかるが、一応電話には出る。

 「今の見てた!?見てた!?すごくない!?私めっちゃ鳥肌立ってんだけど!もう絶対負けると思ったわ!なのにやばくない!?」

 なんとも内容の無いテンションがおかしいくらい高くなっているのでこっちは一方的に話されるのを只々聞くしかなかった。

 「ねぇ?ちょっと聞いてる?千歳ってさ、人がしゃべってるとき時々というかいつも別の世界行ってるよね?」

 「ちゃんと聞いてるし、俺は常にこの宇宙船地球号にいるわ。鳥肌っ立ったんだろ?はいはい」

 「うわー、なんか宇宙船地球号とか言い出したんですけど。不愉快なんで比喩表現使ったツッコミとか辞めてもらえますか」

自分でも言ってから恥ずかしさが込み上げてきたセリフをいじってきやがった。なにかやり返してやりたいけどこいつに口で勝てる気がしない。

 「うるせえ。お前が言わせなけりゃ言わねえよ」

 「そんなことより今の見てたしょ?逆転サヨナラ!本当にいい所で打つわ~」

 「あぁ、あれはすごかった。この場面は過去に残る試合になるかもしれないな」

 「いやー、レアードには来年もいて欲しいね」

 「あぁ、全くだな」

 会話も一段落してそろそろ電話を切ろうと話を持ち掛けようとすると、そんな隙など与えないかのように小樽が言葉を発する。

 「そういえば千歳は明後日の準備はできてる?」

 ん?明後日の準備……?何かあったかな……?土曜日土曜日……。

 考えることも面倒くさくなったのでとりあえず適当に返事をすることにした。

 「……あぁ、もう完璧だ」

 「その間はなんなのよ。絶対準備してないしょ。ていうか準備なんてほぼ必要ないし。流星群見に行くだけなんだから動きやすい格好で来ればいいだけなんだから」

 そうだ、こいつはそういうやつだった。

 「ていうかそんなことだったら明日言えばいいだろ。どうせお前も大学行くんだし、そらだっていた方がいいだろ。このことだって穹が言い出したんだから」

 朝比奈穹あさひなそら。難しい漢字の穹だが意味は空と同じらしい。むしろ空には「空っぽ」という意味もあるのでわざわざ難しい漢字にしたのだとか。

 それに名前に『そら』とあるだけあって星空だとか星座だとか空や宇宙に関することが好きらしい。このことは大学の入学式で会ってから4ヵ月ほど経ったつい最近聞かされた。

 ちなみに小樽はそのことは知っていたらしい。いつも3人でいたのに俺だけ聞かされてないとか納得いかないところではあるが、俺の心は寛大だ。こんなことくらいでいじけたりんなんかしないのだ。

 「それもそうなんだけど電話したついでに確認したかったの。じゃぁ詳しい話は明日大学でってことでいいの?食堂でいいかな?」

 「いいんじゃねぇの?あ、でも俺3時限目の現代文化論出るから14時半からでもいい?」

 「全然いいよ。じゃぁそれまで穹とガールズトークでもしてるわ」

 「勝手にしてろ」

 「じゃぁまた明日ね~」

 そこで電話は切れたのでケータイを置き、風呂に入った。


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