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Dragon Riese(ドラゴンリーゼン)  作者: 桜原 恵斗
第一章 神話の始まり
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第8話 果て

人間には願い(無限の可能性)がある。それは希望にも絶望になる。そして、叶うこともあれば叶わないこともある。 それは公平に作られていないからだ。

しかし、それでも願いは必要だと思う。それは、どんな人でも…。それ以上に世界がそれを望むからである…


「行くぞ…ブリキ野郎‼︎山田先生のお姉さんを助ける為に‼︎」


俺は今さっき何が起きたのですらよく分かっていない。だが、テインは動くならばやるまでだと思い、操縦桿を動かしていた。

そして、俺はロボットの腕を掴み前に押し出そうとした。

しかし、前には進まず、倒れる事も無かったので俺はロボットの腕と足を狙おうとし、足を置いているペダルを強く押した。

するとテインに付くスラスターが勢い噴射し、ロボットの身長を越えるほどの跳躍をした。俺はその高さを利用し、テインの足でロボットの腕にかかと落としを入れようとした。しかしその攻撃はロボットの両腕でブロックされた為、俺は無我夢中で殴りや蹴りをするがそんな苦し紛れの攻撃が通用するわけがなく、敵に軽く流されていた。


「どうすればいいだァ⁉︎うぁぁ‼︎」


すると、あのロボットもテインの足を持って、投げ飛ばした。


『バァーーーーーーーン‼︎』


テインは投げられた勢いのままビルに突っ込み倒れた。ビルは崩壊しテインの真上に降り注ぎ、テインを下敷きにした。


『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー‼︎』


だが、瓦礫を投げ払うようにテインは起き上がった。

そして、テインもロボットに対して攻撃を始めた。しかし、ロボットは攻撃をすればするほど隙がなくなり始めてきた。


「ペイン‼︎武器は無いのか?」


すると、突然目の前に画像が出てきて、


「文句あるか?」


と、ペインは不満気に言った。その画面にあるものは、両膝に付くナイフ銃、スプリットカッターと両腕に付く大刀、カタナであった。とてもこの状況を逆転できるようなものとは思えない。

だが武器があるだけでもマシだと思い、俺は両腕に付くカタナを抜き、攻撃を加えた。しかしそれは、思わぬ結果をもたらした。


「春間。相手に付けた攻撃が残り始めた‼︎そのまま攻撃を続けろ‼︎」


言うとうりに続けていったが、数秒後、突然アラームが鳴り始めた。


「次は何のアラームだ‼︎」


「カタナの熱暴走だ‼︎溜め込んでいるエネルギーを放出しなければ、カタナが壊れる。」


「はぁ!?なんだっそら!?どうやって溜め込んだエネルギーを放出するんだよ‼︎」


そんな言い争いをしていた間にあのロボットに不意打ちを食らっていた。

テインはその場で倒れてしまった。


「ち、どうすれば、溜め込んだエネルギーを放出できるんだよ。」


俺はテインがタコ殴りにされている時、考えていた。すると、


「レバーについている真ん中のボタンを押しながら思いっきりレバーを押してください。」


と、日名香が突然言い始めた。


「はあ⁉︎どういう事だよ‼︎つうか、どれだよ‼︎」


俺がテンパっていると彼女は呆れ果てて、


「いいです、覚えてください‼︎こうです‼︎」


と、彼女の腕が俺の手に重ねボタンを押しながらレバーを押したすると、片方のカタナの刃の部分が赤く光り始め、振り下ろすとその光はビームの様になり、ロボットに当てた。俺は、すご…。としか言いようが無かった。そうしていると、


「もう一つのカタナは鞘に収めてください。」


そう言われて、俺はカタナを鞘に収めると、ある画面が出てきた。


「なんだ?この画面は…。Infinitearson(インフィニティアーソン)…無限の放火?てか、熱がカタナから無くなっている…?どういう事だ?」


俺は今はよく分からなかったが今後この言葉の意味を知る事になるとは知る由もなかった…



春はロボットを動かしていた。それもよく分からずにただ本能の赴くままに戦っていると思う。


「カタナの熱暴走だ‼︎溜め込んでいるエネルギーを放出しなければ、カタナが壊れる。」


と、ペインは言っていた。私はそれを見ることしかできないと思っていた。しかし、


レバーについている真ん中のボタンを押しながら思いっきりレバーを押しなさい…


と、ある呟きが聞こえた。それは幼少期の頃からずっと聞いていた女の人の声であった。私はためらいもなくその事を春に言った。



「次にスプリットカッターを使ってください。」


言われるがまま、スプリットカッターを出すと銃の様になりロボットに打ち続けた。


「敵のダメージパーセント40に上昇‼︎」


と、ペインが言ったが自分でも見て分かるぐらいになっているのは分かっていた。


「弾光。残弾0パーセント。」


と、ペインがそう言うと、


「カッターモードにしてください。」


そう、彼女は俺に言った。俺は、また彼女の言った通りにスプリットカッターの刃を立てた。すると自動的にナイフのような形になった。


「やっぱり…すげ…。って、感情に浸っている場合じゃなかった。」


と、ロボットを切りつけ始めた。すると、ロボットも武器を出し攻撃してきた。俺はその攻撃をナイフ状態のスプリットカッターを使い、受け流し続けた。


「エネルギー残量残り30パーセントに減少。完全機能停止状態。残り活動時間5分。」


「はあ⁉︎って、うぁぁぁぁぁーー‼︎」


気をそらしていた隙をまた相手に突かれていた。


「これはヤバイ。もうケリをつけないと‼︎」


というものの、相手には攻撃が当たっておらず、俺はスプリットカッターで、相手の攻撃を受け流したりする事でいっぱいであった。


「受け流しても、受け流しても、キリがない‼︎」


ロボットはテインの頭を狙っており、俺は左のカッターでその攻撃を受け流すと、次は右のカッターで、相手を攻撃しょうとすると防がれてしまった。

ジリジリと、時間が過ぎていき。


「完全機能停止状態。残り活動時間2分。」


「分かってる‼︎って、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー‼︎」


俺は、どうにもこいつの使い方が分からない。それはこんなに出力、機能もあるのに全くもって、こいつを動かせない。正直困り果てていた。


「スプリットカッターとカタナを合体してください。それでケリが付きます。」


「なんでそんな事が分かる。」


彼女は、当たり前のようにこう言った。


「わかるからです。絶対に勝つと。」


俺は、またまた言われるままであった。

ナイフ状態のスプリットカッターの刃の部分を寝かすと、カタナを入れる部分ができた。するとそこでカタナを出し、入れると、ビームのようなエネルギー体が現れた。それをもう一つのスプリットカッターにもさっきの事をやった。


「これでケリがつくのかよ…。」


と、つぶやいた。しかし、


「来てます。やって下さい。」


と、彼女に言われてしまい悩んでいる時間も無いので、俺はロボットをそのスプリットカッター、カリバーモード(仮)を相手に斬りつけるが大半は防がれていた。


「お前…これで勝てるというのか…?」


「ええ、これで勝ちました。」


すると、俺の付けた所から変なマークの跡が見えてきた。

すると突如ロボットは爆発した。ロボットは大きな傷や焦げた跡はあるが外殻は殆ど残っていた。代わりに動かなくなっていた。


「本当に、勝ってしまった…。うぁぁぁぁぁーーーー‼︎」


テインも力尽きたように足から崩れていた。そして、


「エネルギー残量残り0パーセント。活動時間0時。」


そう言うと、ペインが言った。そして、一瞬にしてコクピット内は暗くなった。


「間に合った…。それよりも、あの人を出さないと…日名香はここにいろ。」


と、俺とペインはテインから降り、ロボットのコクピットの近くに行った。

道は破壊されたビルの残骸や戦った時にできたクレーターなど、人が通れない様な道を走り、ロボットに近づいた。


「どうにか、来ることは出来たけど…どうやって開けるかなコクピット。」


本当に困った話であるが、コクピットをどう開ければいいのかが分からないでいた。


「無理に壊すか…。ペイン下がってくれ。」


と、俺はそう言うと俺はアブソリュートコネクトを使い、コクピットのドアを壊し、中に入る。見た所ロボットの中で破損している部所はなかった。そして、


「(いた…。)大丈夫ですか?今ここから出しますよ。」


返事は無かったが、どうやら息はしているようだった。そこでロボットの中から出すため俺はペインを呼びだした。


「おい、こいつに触れて大丈夫なのか春間⁉︎」


ペインが言っていることは最もだ。この人は狂暴的であり俺を殺しかけた…。だが、それだけでこの人を見殺しにするという結論は出せない。それにこの人にはもう戦う気力などなかった。


「俺たちの仕事は人を救う事であって殺す事では無い。お前がよく知っているだろう。」


ペインはそうだな、と言い中から彼女を出した。


「ペイン、お前のカメラではどう映る?」


そうだなと、言い黙り込んでしまった。

ペインのカメラには、最先端のカメラを入れているのだがそれでも分からないのかと思ったが、


「…命には別状無いのだが…脳に深刻なダメージを受けている節がある。」


と、返事が返ってきた。それを聞いた俺はヘッドセットを使い


「誰か‼︎誰か聞こえないか⁉︎誰か…」


と、呼びかけた。するとノイズ混じりで声が聞こえた。


《は…ま…。は…る…。春間‼︎》


「なんで…初っ端がお前なんだか分かられないけど…緑瀬奈。」


《春間どこに居るんだ⁉︎バカな事を言っていないでどこに居るかを言え‼︎》


GPSで捕捉できないか?と、俺は緑瀬奈に言うと無理みたいと答えが帰ってきた。どうも、電波障害が残っているらしい。


「分かった、信号弾を撃つからそれを辿って来てくれ。それと、簗瀬を連れてきてくれ。急患と言えば来るだろう。」


《了解。信号弾を撃ってくれ。》


通信を終わらせると銃を取り出し、俺は信号弾を装填し何発か撃った。それが終わると、置いてきた物を取りにテインの所に行った。すると、日名香が倒れていた。それも高熱を出しながら。


「どうした?どうしたんだよ‼︎おい‼︎しっかりしろ‼︎日名香、日名香‼︎」


と、気を失い返事が無かった。



「間に合った…。それよりも、あの人を出さないと…日名香はここにいろ。」


春は私にそう言い外へ出て行った。


「ちょっとま…っ…て……」


私の記憶はそこで途切れた。そして、ある夢を見ていたそれは知っている気のするものであった。それが芝生にある二人の男女がいた。男の方は車椅子に座っていた。女の方は妊娠しており、お腹が大きくなっていた。


「ライト、私はね、あなたと出逢えて嬉しかった。だって何も知らない私を支えてくれて、そしてこの子まで授かる事が出来たり…」


彼女は嬉しそうに彼に言い続けた。


「どうして、どうして戦ったのよ…。私は、あなたと居られるだけでよかったのに…。どうして…」


しかし、彼は答え無かった。そして彼女は何度も何度も泣いていた。そうしているとある声が聞こえた。


「どうした?どうしたんだよ‼︎おい‼︎しっかりしろ‼︎日名香、日名香‼︎」


春の声であった。そうだ。帰らないと思っているとそこはもうコックピットでは無い違う所であった。


「あれ、ここは何処だろう?」


疑問に思ってキョロキョロしていると


「ここは俺の家だ。」


と、春が瓶の飲み物を二つ持ちながらドアから出てきた。


「本当に困った奴だな、お前。テインに戻ったら高熱で気を失っているし。けどなんでだろうな、お前は面倒くさいはずなのに落ち着くんだよね。それに、なんか懐かしい感じするし。」


そう、遠慮なく私に対する批判を言いながら瓶を開けていた。


「あの、春間くん。私を貶してるの?」


すると、彼は笑顔でああ‼︎そうだよ‼︎と遠慮するという事は無く言い切った。そして、瓶が空いた為、彼は私の話を聞きながら飲み物を手に取った。それを飲みたそうにしていると、


「ちゃんとお前の分持ってきてるから。ちょっと待っておけ。」


そう言うと、瓶を開けて私にくれた。


「ありがとうございます。いただきます…。」


そうして、口に入れると炭酸みたいありシュワシュワしていたが甘い炭酸だと思ったが何か癖のある味であった。すると春が


「あ、一応言っておくけどそれ、お酒だよ。」


それを聞いた私は口にあったお酒を霧状で出してしまった。


「うわっ、きったねーなお前。お酒を吐きやがって。もったい無いな。」


「なら、私にお酒を出さないでください‼︎」


と、怒ると彼はそれしか無かったんだよと私から言えば言い訳にしか聞こえない言い分を聞いた後は私が倒れた後の話を聞いた。


「まあ、ロボットに乗っていた人を出した後にテインでお前が倒れているのを見て俺はとっさに外に出して、緑瀬奈たちが来て、後は簗瀬に丸投げした。」


そう言っているが彼も彼であちこちに包帯が巻かれており相当怪我をしていた。


「それから軍のヘリで拾って貰って家に帰って来たというところだ。」


そうだったのかと頷くと、ある事に気付いた。そう言えば今、私の服は制服では無く違う服である事に。それを春に問いただすと、


「それは、俺の妹にお前の服の着替えを頼んでここに寝かせたんだよ。」


それはそうだよね。春が私の服を着替えさせる訳が無いよね。そう思っていると、


「まあ、それに別に俺がやっても良かったけど。正直女の体には興味無いから。ちょうど真帆香がいて良かった…」


その言葉を聞いた私は何かがムカついた。


「言いたい事はそ・れ・だ・け・で・す・か‼︎」


「待て、少し待て日名香…」


「知らないわよそんな事‼︎何よその言い方‼︎私には魅力が無いみたいな言い方は最低です‼︎」


と、枕を使い春を叩いた。


「悪かった悪かった‼︎だからやめろよ。」


そうしていると、何だかフラフラしてきたのであった。そして、倒れそうになった時、春が私を抱きしめるような形になっていた。


「だから言わんこっちゃ無い。悪かった。訂正するよ。お前の体は見てみたいかもしれない。」


「そんな事を今言わないでください。バカ…」


そう言い眠りについた。



「そうだな…日名香。君の見ている夢が昨日よりも良い夢であるように…。」

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