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Dragon Riese(ドラゴンリーゼン)  作者: 桜原 恵斗
第一章 神話の始まり
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第2話 真実

スライダーモードで出たのはいいのだが、どうしたものか悩んでいた。

こんなに早く研究所に着くとは思わなかった。


「うわー。どうするよーペイン。」


ペインに振ると、


「一発殴りたい衝動に駆られている俺をどうにかしてくれ。」


まあ、ど怒りな雰囲気をかもし出している事満載で聞こえたのだが、それを無視して、


「うわー。もう入るしかないねー。」


するとペインが、

「お前を殴っていいか。」


うん。無視して行こう。


「人の話を聞け!」


と、研究所の中に入っていった。まあ、良いと頷き無視。

入ってから数分で、道に迷ってしまった。


「おい、春間どこに行っているんだ。まさか、お前が迷ったのか。」


こいつはなんで俺の心の声が分かるんだよ。


「いや〜ここに来たの十年以上前だったんだから場所変わるよね。いや〜困ったなー。」


そんな事をしていると、


「Qu'est-ce que tu fais là?(君、そこで何をしているんだい。)」


誰かが来た。発音からするにフランスの人だと言うのが分かった。だから、

「Je suis désolé, parlez-vous japonais?

(すいませんが、日本語話せますか?)」


笑いながら、


「ああ、すまない。ついつい母語を使ってしまっていた。許してくれ。

自己紹介が遅れたな、私の名前はガルデルモス・アルティと言う。世界防衛軍フランス支部の局長だ。君は?」


まあ、これは凄いことだ。こんな人がフランス支部の局長だったとは。と、凄さに浸っていると、


「どうしたんだい?私に何かが付いているかな?」


「いいえ、すいません。俺の名前は赤九人春間です。」


言った途端に


「君は、赤九人大和の子供か?」


赤九人大和は俺の親父のおじさんの名前だ。


「すみません。赤九人大和は俺の叔父です。」


「そうかそうか。私は大和の友人でね。そうなのか、すまないね。ついつい、あいつに子供が出来たのかと思ってしまった。まあ、だけどあいつ、結婚しないとか言ってたな…。」


本当に、俺のおじさんの友達だと言うのが良くわった。


「そう言えば、君はどこに行こうとしていたんだい?連れて行くけど。」


親の所に連れてくれるみたいなので、


「俺の母。赤九人琴乃羽(せきくりこのは)の研究室に連れて行ってもらっていいですか。」


それに対してアルティさんは俺に


「そうか。琴乃羽の息子か…。これもなんかの縁かな。そうか、いいよ、ちょうど行くところだったから。」


そうして、アルティさんに連れられて母さんの研究室の所に向かう事になった。そんな時、アルティさんは俺にこんな事を聞いた。


「春間。君は、ここに何回来た事があるかい。」


と、聞いて来た。そう言えば俺、ここに来るのは何回目なのかはよく覚えていないので適当に、二回目と答えると。


「そうか。二回目なのか。なら変わってても仕方ないな。今、何歳なんだい。」


「17ですけど。そう言えば、アルティさんはどうしてここに来たんですか?」


一応、聞いてみると


「すまないな。それは教えられん。けど…。まあ、いいか。春間。君は知っているか、12年前にここで起きた事を。」


12年前か…。ニュースなどではこの研究所の崩落などが起きたと言う事ぐらいしか知らない。それに、俺はその時の記憶がない。実を言うとその時から研究所に行っていないと思う。アルティさんは、俺にある事を教えてくれた。


「12年前、ここで崩落が起きた事は知っているね。実は崩落じゃなくて、ロボットの暴走なんだ。」


と、秘密事項を何の疑いも無く教えてくれた。そして、話は続いた。


「そして、ここ最近ある事による被害が世界全国で起きた。しかも、その現場を見た者は口を揃えてこう言った。巨人を見たと言ったんだ。しかし、現在、巨大ロボットの開発なんて聞いた事がない。だから、世界最新鋭のこの研究所に来たわけさ。真実を知るために。」


なんと言うか、俺は面倒くさい時に来てしまったと思った。そう考えていると、


「こんな時で悪いが、君の後ろにいる変なロボットはなんだい?」


と、ペインを指差した。


「あんた、変とは何だ変とは‼︎

俺は、オート・ペインという名前がある。それに、あんたもあんたで髪型が変じゃないか。」


まあ、ペイン以上ではないが…変である。


「そうか?俺はこれが気に入っているけどな。それよりも着いたぞ、研究室に。」


着いた途端、最初に現れたのが、


「久しぶりだな。春間。大きくなったな。」


叔父である赤九人大和が俺たちの目の前に現れた。どうして、ここにいるのかが気になるが、どちらにせよアルティさんを迎えに来たのであろう。

しかしそれは、少し違うみたいであった。


「アルティ。ありがとう春間を連れて来てくれてこれは春間にも関係があるからね。」


俺はこの時点で面倒くさい事にまとめてはいけない出来事に巻き込まれた事を知った。


「説明は…」


「私がするわ。」


と、話を割って現れたのは俺の母親であった。


「琴乃羽さん。」


おじさんは曇った顔をしていた。すると母さんが、


「春間、貴方は今からこの研究所から出なさい。説明している暇はないの。」


「琴乃羽さん‼︎それでは春間がかわいそう過ぎます。」


「ごめんね。大和君。けどね、ここに居てはいけないやっぱり来るべきじゃなかったのよ。あの忌まわしき記憶と共に…」


母親は俺の知らない何かを知っているみたいであった。だから俺は、


「分かった。出るけど、理由が聞きたい。だからそれを聞いてから出て行くよ。」


母親は悔しそうな顔をしていた。それは、俺が知ってはいけない真実を知る事に対して守ってやれない事に対しての歯痒さであった。そして、ゆっくり話し始めた。


「12年前にここで起きた事はアルティさんに聞いたわね。」


「ああ、ロボットが暴走したと言う事か?」


「そう、ロボットが暴走したことを。それはそんなんだけど。実はもう一つ真実があるのよ。それはそのロボットに乗っていた。それは、貴方よ。春間。」


「は…?どういう事だよ。ロボットなんて乗った事無いぜ。それに、そんな記憶なんてな…。」


いや待て、ならどうして五歳の頃の思い出無いんだ。おかしい。ロボットに乗ったんだったら一番濃い記憶になるはずなのに。


「そう、どうして記憶無いだろうと思ったでしょう。それは、消したのよ。ロボットが。いいえ、テインが。」


なんだよ。これ、知らなかった。そんな事。なんだよ。なんだよ。頭が混乱し始めた。そして、


「ふざけんな…ふざけんな‼︎そんなの知らない。なんだよ、昔ロボットを動かしただけで、ここに呼ばれて。今起きているロボット事件の参考人する為にここに呼んだのか?本当、迷惑なんだよ。」


俺は錯乱し始め、母さんは俺に話しかけた。


「違うの春間。そういう訳じゃ無いの。」


「なら、なにが違うんだ。ただただ、ここに連れて来て何が言いたい。そう言えば、兄貴や実里姉が死んだ時もそうだ。本当に面倒くさい事をぜんぶ俺に託して死んだ。ふざけん…『バンー』」


俺は母親に初めて叩かれた。そして、泣きながら、


「そんな、そんなわけじゃあないわよ‼︎私の息子が、そんな人殺しじゃないわよ。私はただ一つこれだけを知って欲しかったのよ。それは、12年前貴方は、暴走したんじゃないのよ。戦ったのよ。研究所を、私達を守る為に。戦ったのよ。」


俺は、母親が泣いた姿は初めて見た。俺は生まれてから一度も見た事が無かった。それに、俺は分かった事があった。愛されている事だ。正直、昔から親に褒められる事が無く構ってもらう事も少なかった。だから、親に嫌われているとは思わなかったが避けられていると思った。けど、違うんだと気づくことができた。

それから、おじさんが話を続けた。


「春間、別にお前をロボットが動かせるからとどうのこうの言う気は無い。だけど、お前は結果的にロボットを動かす事が出来る力がある。だから、もう一度乗って欲しい。本当なら、俺たち世界防衛軍でどうにかしたいが、それでも俺たちでは対応する事が出来ないからこそ、だから頼む。みんなを救ってくれ。」


俺は、人助けを頼まれていた。普通、こういう時は、かっこよく引き受けるんだろうけど、俺なんかに出来ることなんてたかだかしている。だから、


「俺は、乗れない。乗れるという事実はあるけど、今乗れると言うのは保証はない。それに、乗れたとして俺には何にも…、人を救える人間じゃない。それに、母さんは俺に研究所から出て行けと言ったからね。だから、乗らない。」


すると、母親は微笑みこう言った。


「それでいいわ。だって出ろと言ったのは、私なんだからね。それに、真実を知ってくれた事を今は良かったと思ってる。」


と、話を聞いて俺は研究所から外へ出て行った。


「春間、本当に良かったのか?それで。」


ペインは俺にそう尋ねた。それに対して俺は、


「いいんだよ。別に俺は特別な事がやりたいんじゃないんだから。それに、俺は英雄ではないからな。俺は命を賭ける程、人を助ける権利はない。」


本当に俺の言っている事は、それで良かったのか。いやいや、これで良いんだ。俺は、別に物語の『主人公』じゃないし。だから、いい。これで良いんだ…

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