逃亡者
覆面パトカーで移動中のボッサン、ホヘト、ユオ。
ボッサンたちは、今回の誘拐事件の主犯格と思われる男、安好拓也のマンションに向かっている。
安井の部屋にあった高校の卒業アルバムを調べたところ、もう1人の正体も判明した。
白井隆信
3人は同じ高校の同級生だった。
ホヘトは言った。
「まさか拓也のマンションに隠れていないかな?」
ボッサンは運転しながら答えた。
「分からんな。居れば車で分かるはずだ」
ユオは言った。
「人質がまだ無事である事を祈りましょ」
車に無線が入った。
{各移動、拘束中の盛田刑事が警察署から覆面パトカーを奪って逃亡した。パトカーのナンバーは・110
発見次第本部に連絡、確保されたし。}
ボッサン
「なに~!!」
ホヘト
「まじか!」
ユオ
「やるな~!」
ボッサンはユオに言った。
「ユオ、モリモリの携帯に電話してみろ」
「OK!」
モリモリの携帯に電話を掛けるユオ。
「もしもし?モリモリさん?随分派手な事やっちゃってますね」
『あ~、ユオ?元気?』
ホヘトが電話を代わった。
「モリモリ、マズいよ~、逃亡しちゃ~。どんどん罪が重くなるよ」
『あ~、ホヘトさん。こんにちは~。これからナオナオの所に行くところなんスよ』
「え?奥さんの居場所知ってんの?」
『知ってますよ~。僕の携帯に電話あったんスよ』
「ホヘト、電話代われ」
ホヘトがボッサンに携帯を渡す。
「モリモリ、ナオナオは今どこにいる?」
『あ、ボッサンっスか。ナオナオは、戸塚4丁目のセブンイレブンにいます。今向かってるところっス』
「分かった!こっちもセブンイレブンに向かう!1人で突っ込むなよ!俺らが行くまで待ってろ!」
『了解っス』
ボッサンは携帯を切ると、サイドターンを派手に決めてセブンイレブンに向かった!
セブンイレブンの駐車場
犯人たちのBMWの中
後部座席にタカと一馬、ナオナオ。
タクとヤスは、セブンイレブンで食料調達。
一馬はタカに言った。
「ねぇおじさん、2億円を3人で分けるとはんぱでしょ?あと1億円取れば1人1億円でちょうどいいよ」
「ま、確かにな。俺も、1人6千6百万じゃ少ないなとは思ってたんだ」
「でしょ?」
一馬は、このままでは殺されると思い、時間稼ぎと逮捕のチャンスをつくろうとしていた。
そこへタク、ヤスが帰って来た。
買った食料をトランクに積んで車に乗り込む。
タクはエンジンをかけながら言った。
「じゃあまたあそこに行くか」
ヤスが心配そうに言った。
「あそこって、廃虚?大丈夫? 」
「サツの裏をかくのさ。」
タクはニヤリとして車を発進させた。
モリモリの車から、セブンイレブンが見えて来た。
手前の路地に車を止めて、犯人の車を確認した。ボッサンに連絡を入れる。
「ボッサン、まだッスか!」
『あと5分!』
「あ、犯人たちが車に乗り込んでる!」
モリモリが車の中から監視していたら、視界をパトカーが遮って止まった!
「ヤバい!パトカーに見つかった!」
セブンイレブンに向かうボッサンたち
無線が入る。
{戸塚4丁目付近で盛田刑事を発見!至急、応援お願いします!}
「モリモリ!パトカーに見つかったぞ!早くにげろ~!」
モリモリは車をバックさせた!
すると、後ろから来ていたパトカーに激突!
「わー、ごめんなさい!」
ギアをローに入れてアクセルを踏み込む!
前を塞いでいるパトカーを押しのけて脱出!
その後をパトカーが追っていった!
タクはセブンイレブンの駐車場から、モリモリの逃走劇を見ていた。
「あれは?盛田刑事?警察に追われてんだ。おもしれ~。こっちには気づいてないんだ。今のうちに逃げようぜ」
ボッサンたちの目の前を、モリモリとパトカーが横切っていった!
その向こうで一馬とナオナオを乗せたBMWが走り出した。
「あれだ!気づかれない様に尾行しよう!」
ボッサンたちは犯人たちのBMWを追っていった‥
{パトカー大破!走行不能!}
{制止を振り切り逃走!盛田刑事を追跡中!}
{発砲を許可する!なんとしても捕まえるんだ!}