誤認逮捕
廃虚となった工場に入っていくモリモリ。その後からBMWが入っていった。
ボッサンたちは工場の外に車を止めて徒歩で近づく。
正門から足早に中へ入る。
遠くにモリモリの車。その後ろにBMWが止まった!
3人は、気づかれない様にゆっくり車に近づいた。
モリモリは車を降りた。
モリモリはメモを見ながら呟いた。
「メモに書いてあった場所って、ここでいいんだよな」
後からBMWが来て止まった。そして男と女が降りて来た!
男が拳銃を持っている。
「手を上げな!随分遠回りしたじゃねーか。金はちゃんと持って来ただろうな!」
「持って来た。それより、ナオナオは無事なんだろうな!」
タクは両手を上げたモリモリの拳銃を奪ってヤスに渡す。
「おいヤス!こいつを見張ってろ」
「女の心配より自分の心配した方がいいわよ」
ヤスはモリモリの心臓に銃口をグリグリ押しつけながら言った。
タクはモリモリの車からバッグを取り出して、中の現金を確認する。
「よし。ヤス、そのデカ連れてこい」
ヤスはモリモリの背中に拳銃を押し付けて歩かせた。
「行きな」
3人は工場に入って工場の奥の宿直室に向かう。
タクはドアをノックした。
ドアが開いて、タカが顔を出す。
「おかえり。どうだった?」
「バッチリよ」
タクがバッグを見せる。
タカはヤスを見つけると声を掛けた。
「ヤス、おかえり~♪」
「気安く声かけないで!」
タクはヤスの肩を抱いて言った。
「もう俺の女なんだからな」
シュンとするタカ。
3人は部屋に入った。
モリモリは、ナオナオを見つけて、
「ナオナオ~!大丈夫か~!」
「モリモリ~!」
2人は抱き合った。
「よかった~、無事で」
モリモリは、ナオナオを人質に取られいて、犯人たちの言いなりになるしかなかった。
モリモリが帰宅した時にはナオナオは連れ去られた後で、メモだけが残されていた。
メモの通りにしないと人質は死ぬ。誰にも言うなと‥
ボッサンたち3人は工場の入り口まで来た。
ユオはボッサンに聞いた。
「ボッサンどうする?」
「多分、奥のあの部屋に人質がいるはずだ。下手に手出し出来んな」
ホヘトが隣で言った。
「出て来るのを待つ?」
「そうだな。様子をみよう」
「応援頼んだら?」
ユオの提案にホヘトは手を打って言った。
「その手があったか!」
「ユオ、車に戻って応援呼んで来てくれ」
「はいは~い」
ユオが車に戻っていった。
川口警察署第1会議室
カズヘーは捜査員の前で言った。
「まんまと騙された!盛田刑事は誘拐犯の一味と思われる。盛田刑事を指名手配する。全力で盛田刑事を探すんだ!」
部屋の後ろの壁にもたれかかって、腕組みしているラッキーデカ長。
「あ~あ、とうとう指名手配されちまったよ」
突然、本庁の青井刑事が部屋に入って来た。
「たった今、所轄のユオ刑事から応援要請がありました!」
「まだ繋がってるか?」
「はい!」
「よし!こっちに回せ!」
「スピーカーで流します!」
「ユオ刑事、聞こえるか?」
『あ、は~い。犯人を追いつめたんで、応援をお願いしまっす』
「盛田刑事は犯人たちと一緒か?」
『ま~、一緒っちゃ~一緒です、ね。郊外の廃虚の工場です』
「わかった!すぐ行く!」
無線を切るカズヘー。
「よ~し、盛田刑事の居場所がわかった!全員出動!」
ラッキーデカ長は呟いた。
「こりゃまずいな」
廃虚の工場
ユオが戻って来た。
ボッサンが聞いた。
「応援呼んで来たか?」
ユオが親指を立てる。
「このままじっとしててくれればいいんだけどな」
「金が手に入ったんだ。顔を見られてる犯人たちは人質を‥!」
ボッサンは親指で首を切る真似をしながら言った。
「ヤバいじゃん!」
「誰か出て来る!」
ホヘトが言った。
「犯人が3人と、モリモリ、一馬と、あれはもりもりのカミサンだ!そーゆう事だったのか!」
「こっち来る!」
ボッサンたちは物陰に隠れる。
モリモリ、ナオナオ、一馬を銃で脅しながら、バッグを背負って進んでいく。
「行っちゃうよ~!応援まだか~?」
ボッサンがしびれを切らして飛び出した!
「警察だ!動くな!」
拳銃を構えるボッサン!
タクが振り向いて発砲!続いてタカ、ヤスも発砲した!
隠れるボッサンたち!
タク、タカ、ヤスは人質3人を連れてBMWへ!
「定員オーバーだ。お前はお役ゴメンだ。」
モリモリを残して5人はBMWに乗り込んで走り出した。
「ナオナオ~!」
モリモリは走って追いかけるが、BMWは正門から出ていった。
その場に座り込むモリモリ。
入れ違いで、カズヘー率いる応援隊が到着した。
モリモリはパトカーに囲まれた!
「盛田刑事確保~!」
「え~!ちょっと~!」
モリモリは連行されていった。
「え~!何やってんの!」
カズヘーがボッサンの前に歩いて来た。
「本庁を出し抜いて手柄をたてようと思ったのか?」
「そんなんじゃね~!モリモリはカミサンを人質に取られてて仕方なくやったんだ!」
「なるほど、カミサンもグルか」
ボッサンはカズヘーの胸ぐらを両手で掴んで叫んだ!
「ふざけんなテメ~!頭をカブト割りで真っ二つにしてやろうか!」
カズヘーはボッサンの手を払いのける。
「署に帰って仲間の居場所を吐かせる」
カズヘーは戻っていった。
「モリモリは無実だ~!」
ボッサンたち3人は
その場に立ち尽くしていた‥