誰からも必要とされていない僕。
僕は誰からも必要とされていない。
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なぜなら、学校では常に一人ぼっち。
喋り相手など誰もいない。 飯すらも一人で食う。
“孤独”というものには、とっくに慣れてしまった。
そんな、つまらない学校から家に帰り「ただいま」と言う。
けれど、「おかえり」の声は聞こえない。
なぜなら、母親は働きに出かけている。 父親は・・・
顔すら知らない。 名前すら知らない。 そんな人だから。
けれど、僕には母さんがいるから関係ない。
別に父さんがいなくたって、どうにかなる。
でも、「おかえり」が聞こえないのはちょっとだけ寂しい。
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僕は、それからバイトに出かける。
自分の食費ぐらいは、 自分の生活費くらいは、
そんなつもりで、生活の足しになればと今日も働く。
「御疲れ様です」
僕は、更衣室で同僚に話しかけた。
すると、向こうも「御疲れ様」と一言。
これも、単なる流れ作業のひとつ。
別に、僕自身にかけた言葉じゃない。
ただ単に、同僚だから挨拶をしただけ。
でも、それはお互いに言えること。
気持ちが入っていないのは、お互い様だ。
だから、僕はニコッと愛想笑いをして、
今日もレジでバーコードを黙々と読み取る。
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
もはや、こんなのは眠りながらでも言えるレベル。
そのくらい、僕の体には染みついてしまっている。
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そんな風に、明日も生きていくのだろうか?
神様は、僕に「明日も無駄に生きろ」と言うのだろうか?
――わけがわからない。
つまらない日常。 毎日が昨日の繰り返し。
奇想天外なことが起こる気配なんて微塵もない。
かといって、妄想が現実になることもない。
夢はあるのに。 やりたいことは沢山あるのに。
なのに、金も脳も、権力も何もかもがないから。
僕は、今日もやりたいことをやれずに生きていく。
後悔したくないのは、何も君だけじゃない。
死んだときに、笑っていたい。 それは誰だって思うこと。
日常 生きている中で、辛いこと・悲しいことは沢山あると思う。
だけど、その気持ちを押し殺して、 必死に押し殺して、
必死になって前を見なきゃいけないことも沢山あると思う。
だけど、そうやって生きているのは何も君だけじゃない。
辛くて立ち止まって、でも歩かなきゃって前を見て、
それでも過去が僕の足を地面に縛り付けているから、
誰か、誰でもいいけれど、背中を押してくれる人が欲しくって。
そう思って生きている人間は、この世に沢山いる。
>俺だって、その一人だ。
僕らは勇気を、 僕らは希望を、 僕らは夢を、
僕らは安心を、 僕らは助けを、 常に欲している。
「貪欲だ」と他人は言うかもしれない。 でも、関係ないよ。
僕はただ、この空回りする日常から早く抜け出したいだけで。
少しでいいから、前に進めるチャンスを。
そう願って、今日も生きる。 そう願って、生きていく。
...fight!