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胸中

 ぬるま湯につかり切った、こんな国への出向を告げられた時には、もう自分の党内での出世はおろか居場所をとうに失ったことを実感した。引退間近な年寄りが骨休めに憐れみを受けて配属される、任務遂行の難易度が100点とって当たり前のテストのようなこの国に…


 これまでの自分の人生には何の落ち度はなかった。私を引き抜きいた上司のドジのとばっちりで連座を受けることになるとは… 特別会議室に入った時に、それまでそこに座る者を侮蔑していた、『失脚席』しか空いていなかったときの衝撃と恥辱…


 だが、私は諦めない。今までの精進とこれからの未来を無駄にする気はない。必ず復活を遂げてやる。


 当然のことながら、返り咲くためには党内の有力者への手土産が必要だ。この国での資金徴用は今までの数倍の規模で行った。その資金を元手に党管理の薬物よりも安価な薬物を入手して党管理薬物の販売ルートへ乗せてより安く売り裏金を作り始めた。


 ただ、それらが軌道に乗って来たところに米国と加徳力教の連中が絡んできて、資金徴用に妨害行為をしかけてきた。その対抗策として5月の待ち伏せ作戦でアイツらの一掃を謀った。が、逆に思わぬ反撃をうけ大切な戦力をほとんど失ってしまった…


 まだ機会はある。最近捕獲した人質を利用して、仲間を見捨てずに救助に来るだろうアイツらを返り討ちにして党への復帰に花を添えてやる。5月に生じた損失はまだ報告していないが、返り討ち実行の際に出た損失として報告しておけばいい。


 ああそうだ、返り討ちの時には2-6号でも雑用や伝令ぐらいには利用できるだろう。いつでも使えるように、これまでの失敗もいくどとなく見逃してやっている。確かに数少ない手駒の一つとは言えるが、まあ失ったとしてもこれっぽっちも困りはしない… 

 


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