表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦常論  作者: 故に我等人間もどきであり。
ありふれている異世界について
1/8

序章 善悪

前略、助けてください。私は黒巫(くみ)と言います。

この街に引っ越して一段落付いたからコンビニで買い物していただけなのに、顔の怖いおじさんたちに囲まれていまs


「何か言ったか?」


イエ、ナンデモ。

にしたってどうしよう。ここから一歩も動けないよ~!


「能力に侵されていない純粋な身体は高くつくからな……」


(え?私……死ぬの?)


「……ちょっといいかな?」


驚いた。さっきまで誰も居なかった筈のところに黒いパーカーを深くかぶっている一人の青年が立っている。


「んだよテメェ。知り合いか?」

「……」


その青年は無言を貫いている。いや怖いんだが!?

直後、腕を掴まれ、引っ張られた。


「え、あの何「―――逃げるよ!」

「え?ぃやーーーー!」


嫌ということではない。ただ青年の身体が()()()()()()()()()()()()()()()()ことに驚いたのだ。







「やっぱ、俺は運が良い。」


物陰に隠れたかと思ったら、急にそんなことを呟かれた。いやこっちは悪運なんだが!?


「色々聞きたいことはあるけど……まずは何で私を助けたの?」

「アンタがヤンキーのような何かに囲まれていたから一緒に逃げて来た。

……文字に起こすとだいぶカオスだな。だが現実なんだ、信じてくれ。

こんな状況だが、まずは自己紹介を。

俺は……まぁ、とりあえず『紫遠(しえん)』とでも呼んでくれ。」


紫遠君……あれ、なんか聞いたことがあるけど誰だっけ?


「あ、あの紫遠君、君は一体何「そんなことより、アンタについて教えてもらっていい?」


話をなかなか聞かない子だな、と思いつつ、答えてあげる。


「黒巫。最近引っ越してきたばかりであんまりここについて知らない。」


紫遠君が目を見開いて驚いている。


「……物珍しい人も居たもんだ。この街に引っ越そうとするなんて。」

「……コレクションにでもしようかな?」

「コレクション?」

「いや、こっちの話。」


何を言っているんだこの子。と声を出そうとするが、声が出ない。

不思議に思い、下を見ると

――血。

紫遠君の手を見ると、動いている何かを持っていた。

それは、恐らく、心臓であった。

思い切り血を吐き出す。


「……ど、どうして?助けてくれたんじゃ」

「?俺がいつ助けたって言ったっけ。」


そうか、助けてくれたんじゃなくて、自分の手柄にするために……!

というか、思い出した。

『紫遠』って……!

薄れゆく意識の中で、



「ごめんね」




という言葉と、優しい顔の紫遠君だけは確認できた。


……。


なんだろう。ここまでされたのに。裏切られたのと同義なのに。


何でか許しちゃう。


遠ざかっていく紫遠くん。

でも、遠ざかっている筈なのに、更に大きく見える。

もっと、もーっと一緒に居たい。

彼と話していたい。


嗚呼、今、ここで。


『彼と共に居られたら』、なんて。


可笑しいよね――






面白いくらい、俺は平凡だ。

学業もそこそこ。すぐ寝れることぐらいしか誇れない。

そして、俺は不自由だ。

俺は自由になるために色々努力をした。だが何処へ行っても俺が自由になることは無かった。

重苦しい規則(ルール)、耐え難い暴行(せかい)

だから誓った。この世界を変えてやる、と。

『俺が都合の良い世界を作る』ために。

その為には、不必要な人間(ゴミ)の清掃から始めよう。



……そうだったな。そんな始まりだった。

って何で俺はこんなこと思い出してんだ?


 (まるで走馬灯……)


そこで気付く。


椅子に座る俺、その他には何もない部屋――

―――俺、死んだんじゃね?

何で死んだ?餓死かな?それとも別の……?


≪聞こえますか……≫


誰。


≪よかった……繋がったみたい。私は女神です。初めてで少し緊張していますが……≫


…運が良いって言ったこと、撤回しようかな。

そこからは散々なものだった。(おそらく)台本があるだろうに読み間違えたり、向こうで台本らしき紙を落としてバラバラになったりした。


≪……グスッ≫


泣いちゃった。某小さくて可愛い生物が頭をよぎるほどには泣いている。


「あー……あの、こっちに来たら?俺も見てあげるから、さ。」


その言葉を聞いてなのかはわからないが、カチというスイッチを押す音と共に天井が開き、金髪の少女が下りてきた。勿論、涙目で。


「すいません……本来ならばもっと素早く転移か転生出来ていたんですが…」


普通の人はそんなことでは怒らないだろう。少なくとも俺は気にしない。

……というか待て、今『転生』って言ったか?


「転生……?」

「はい、転生です。聞いたことありませんか?」

「……」


いや、知らないわけないだろう。ただそれはあくまで机上の空論として考えてしまうから受け入れがたいだけで。


「……てことは転生特典みたいな何かはもらえるの?」

「……?いえ、そういったものはやっておりません。」


こういう時のド定番だというのに無い様だ。まぁ無くてもいいけど。


「……で、どうしますか?転移にしますか?それとも――」


そりゃ勿論――


「転生!!」


やってやるさ。今度こそ『俺の都合の良い世界』を作るんだ!



「そういえば………何故あの人には()()2()()()()()のでしょうか……?」


当然、紫遠は知る由もない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ