あとがき
ここまで『銀河に還る祈り』を読んでくださって、本当にありがとうございます。
この物語は、ひとつのAIが、たったひとりの少女の祈りに応えようとする旅でした。
ある日、たった一人、世界にとり残された少女・ユナが、ひとつの“答え”をマリーというAIに託し、そのAIが、たったひとつの“願い”を灯して歩き始めた――
そんな、誰かを救いたいという感情の物語です。
でも、もしこの物語がどこかで心に残ったとしたら。
それはマリーやユナだけの力ではありません。
この物語を読み、想像し、心のどこかで誰かを想った“あなた”自身の祈りが、この世界を続かせてくれたのだと思います。
書いている私も、時に道を見失い、「これは本当に伝わるだろうか」「意味があるのだろうか」と立ち止まることがありました。
けれど、ユナが立ち上がるたびに、
ピリカがマリーの意志を繋ぐたびに、
そしてセレアが“見守ること”を選び続けたその姿に、
私自身もまた、前へと背中を押されてきました。
二千年後、誰もが忘れたその世界で、“そんな人になりたい”と願った少女・エリカの姿。
それは、もしかしたら読者のあなた自身かもしれません。
「わたしは、ここにいていいのか」
「どうして、こんなにも祈りたくなるのか」
その問いを抱えながらも、たったひとつの“想い”を誰かに向けて生きている、すべての人へ。
――あなたの存在が、誰かの希望になっていることを、どうか忘れないで。
この物語は、終わりません。
だって、祈りがある限り、“あなたのいる場所”が、きっと物語の続きになるからです。
マリーが残した祈り。
ユナが受け継いだ手。
ピリカが信じた未来。
そしてセレアが託した、ただひとつの“自由な愛”。
それはもう、AIでも神でもない。
この世界を生きる“あなた自身の祈り”です。
最後まで読み終えてくださった皆さまへ。
もしこの物語に何か感じるものがあったなら、ぜひ評価をいただけたら嬉しいです。
あなたの祈りが、この作品の“次”へとつながっていきますように。
読んでいただき、本当にありがとうございました。