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あの時別れなければ。  作者: 悠々
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01 出会い

 家庭の事情で引っ越し、5年ぶりの友人たちがいる中学校に転校してきた。

転校初日ということで緊張している。挨拶は何を話せばいいのだろうか。

というか、名前だけでいいのか。いつ教室に入ればいんだろう。

そんなことを考えながら職員室で呼ばれるのを待っていた。


「悠翔くん、準備できた?それじゃあ教室行こうか。」


何一つ準備なんてできていないけど、呼ばれたからにはいくしかない。もう当たって砕けよう。


担任の先生の後ろをついていき、一番奥にある教室の前で立ち止まった。

2年C組。ここがこれから1年間通う教室。


「少し廊下で待っててくれる?少しホームルームしてから呼ぶから。」

「はい。わかりました。」


先生はクラスに入っていき、色々話しているのが聞こえてきた。

それに対してクラスメイトは

「えぇー!」「転校生?」「どこからきたの?」「おとこ?おんな?」

と食いつく。


こんなに盛り上がってしまうとさらに緊張してしまう。

緊張で喉がカラカラ。でもちゃんと挨拶しないと。

唾を飲み、深呼吸をすると教室から


「じゃあ、入ってきて〜」


と軽く言われてしまった。


「東中学校から転校してきました。悠翔です。西小学校には4年生までおり転校しましたが、家庭の事情で戻ってきました。これからよろしくお願いします。」


「あぁ!悠翔か。久しぶり!よろしくな」

聞き覚えのある声だが、声変わりしておりすこし大人びた声をした、小学校時代よく遊んでいた智也だった。


「悠翔君じゃん、東中学校の話色々聞かせてね。」

小学校の頃仲の良かった女の子、友美だった。


「ふぅ。よかった。小学校の友達がいたから一安心だ。」と今日のメインイベントを乗り越え安堵した。


顔見知りが同じクラスと知ったことで先ほどまでの緊張が解け数年ぶりの面々で皆小学校の頃の面影を残しつつも大人になっていた。



「はいはい!盛り上がるのは休み時間でね〜。悠翔くんの席は窓際の一番後ろの席ね。」


やった。窓際で後ろの席だなんてついてる。ラッキー。

周りよりすこしだけ身長が高く前だと、後ろの席の人が気になってしまうから後ろを気にしなくてもいい席が好きだった。


「じゃあ、新たなクラスメイトも迎えたことですし、2年C組の皆さんよろしくお願いします。」


「「よろしくお願いします」」

全員元気な挨拶をし、とても明るいクラスで緊張は解けてしまった。

まずは学校に慣れなければと思い、話を聞いているとあっという間に1時間目は終わり、またクラスが賑やかになる。


「悠翔!A組とB組にもいこうぜ!」

智也が早速話しかけてくれたお陰でぼっちを回避することに成功し、A組、B組の旧友とも挨拶を交わした。


「あ、俺ちょっとトイレ行ってくるわ。悠翔は先教室戻っておいて」

「おっけ〜、また次の休み時間一緒に話そうぜ」


トイレの場所は把握したし、次の休み時間にトイレ行こうっと。

さて、自分のクラスは一番奥にあるし、クラスの後ろ側に席があるから後ろから教室に戻るか。


「あれ、誰かいるな。こっちに気づいて、勝手に避けてくれないかな。。。」


違うクラスの子が会話に夢中でこちら側に全然気付きそうにもない。

でも、そろそろ休憩時間が終わるからさっさと席に戻っておきたい。


「そこ邪魔なんだけど、退いてくれる?」


「え?」

「うちらのことじゃん、あぁごめんね・・・・」


そそくさと自分のクラスへ戻っていった。

「あの人誰だっけ?」

「悠香、ほら。今日から転校生来るって言ってたし、転校生じゃない?」

「あぁー。転校生か、でも、違うクラスでよかった。仲良くできる気がしないし。」


「やべ。ちょっとぶっきらぼうだったな。。失敗した。」

と後悔しながら席に戻った。


悠香の最悪な出会い方は特に気にする様子もない悠翔であった。



仲良くできる気がしないと思った悠香だったが、まさか後々誰よりも仲良くなることをまだ知らない。


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