#1
「なろうだったら自分が昔妄想してた話をおもむろに投稿しても許されるのでは?」という発想のもとこの小説を投稿しました。
簡単に説明すると「主人公の夢に出てきた悪魔が主人公を異世界へと飛ばす話」です。他意はありません。
評価がいいようだったら続きます。
「ハッ!?」
俺は目を開けると、そこは見たことのない空間が広がっていた。
「ヤット、オキタカ」
後ろから聞こえた得体のしれない声に振り返ると角の生えた蛇のような生き物が浮遊していた。
「!?」
「ヤレヤレ、ワガハイニオドロイテイルヨウジャサキガオモイヤラレルナァ。」
「いや、唐突に変な場所に変な奴が居たら普通驚くだろ!」
「ヘンナヤツトハナンダ。ワガハイコソハソロモン72ハシラガヒトリ、ボティスサマデアルゾ。ヒカエオロウ!」
「ははぁーっってなにさせてんだよ!!水戸黄門とかネタが古いな!!ってかソロモン72柱ってことは、あの60の軍勢を率いて時空を操るというあのボティス? まさかぁ〜こんな角の生えたアオダイショウみたいなのがぁ?」
「ソウダ。デナケレバコノジショウ、ドウセツメイヲツケルノダ?」
「確かに。でもこれ、俺の見てる夢って可能性も…」
「タシカニコレハナレノユメダ。」
「え?」
「セイカクニハオレガジクウヲユガマセテ、ナレノユメノナカニコノクウカンヲツクッタノダ。」
「???」
「ワカラナクテモムリハナイ。ソレヨリナレヨビダシタノニハリユウガアル。」
「なんだよその理由って?」
「イセカイ二イキ、ソノセカイヲスクエ。」
「えぇ…」
「ロコツ二イヤガルナヨ…ナレ、ソウイウノ二アコガレテタダロ?」
「確かに異世界転生モノ、好きだけどさぁ。あれはフィクションだから面白いんじゃん、現実だったら絶対ダルいって…」
「アンシンシロ、ズットイセカイニイルワケジャナイ。オマエガゲンジツデネテイルトキ、イセカイニイルオマエハメヲサマス。ギャクモシカリダ。」
「なるほど、帰りたくなったら寝ればいいのか。」
「ソウダ。マタ、イセカイテシンデモタマシイハゲンジツノオマエノカラダニモドッテクルカラアンシンシロ。ソノバアイ、モウイセカイニハイケナクナリ、イセカイハホウカイスルガナ」
「何で異世界が崩壊するんだ?」
「ソレハ、イセカイ二アラワレタマジュウノセイダ。イマ、イセカイハマジュウ二シンリャクサレ、ハメツノキキヲムカエテイル。ソレヲトメルニハ、オマエガイセカイ二イキ、ジゴクノモンヲトジルシカナイ。アト、ジツハオマエニキョヒケンハナイ。」
「なんでさ?」
「モウイセカイヘノテンソウハ、ハジマッテイルカラナ。」
「え?」
見ると、体が下半身から段々消えていっていた。
「えええええええええええええええええ!?」
「アトナレノフクノポケットニハ、イッカゲツ二イッカイキンカガアラワレルカラ、カネハソレデドウニカシロ。アトハマカセタ。」
「アトハマカセタじゃないがぁー!」
叫びながら俺の体は消えていった。
~~ ~~
とまぁそういう訳で俺は見知らぬ部屋の見知らぬベッドの上に腰掛けているわけだ。
あー、地獄の門っつったって、どこにあるんだろ。あれ、なんか叫び声が聞こえた気が…
ふと、窓の外をのぞくと街のひとたちが叫びながら逃げていくのが見えた。なんかヤバそうだ。俺も逃げないと。部屋を出て、全力で階段を降りて、ひたすら走った。が、足元を気をつけていなかったので小石におもいっきりつまずいて転んでしまった。振り向くと何か角の生えたでっかい毛むくじゃらが凄い勢いでこっちに向かってくる。「やばいやばい
やばいやばいしぬしぬしぬっ」思わず口に出してたいた。その時だった。「しぬだなんて言うなよっ!」毛むくじゃらの背後から現れた筋肉隆々の女性が思いっきり槍を突き出した。串刺しにされる毛むくじゃら。毛むくじゃらは口から血を吐いて盛大に倒れた。「うわ....グロ.....」「ぐろ?」あ、こっちの人にはこの言葉わかんないのか言葉は分かるとはいえ、やっぱりファンタジーっぽいテンプレの外観だし.....「それより、お前怪我はないか?」「見たところ、膝の擦り傷だけですが」「生命危険度は?」「せいめいきけんど?なんすかせいめいきけんどって?」「だめだこりゃ.....ビックリした拍子に、記憶が飛んじまったか?まあいいやこれ持ってみな」渡してきたのは何やら野球ボールくらいの大きさの水晶的なアレ。俺が持つと色が変わり、緑色になった。「お、大丈夫っぽいな」「何がです?」「この球は持って赤になれば命がやばい、黄になれば危険、緑になれば安全ってわけだ」「信号機みたいですね」「しんごうき?」「いや、なんでもないです.....」「そうだ、お前アタシの弟子になれ!」「えっ、ちょっと待ってください。いきなり言われても判断に困ります!」「そうか、じゃあ気が向いたらアタシのところに来てくれ。普段はこの街はずれにいるから」「わかりました」ぜってえいかねぇ...めんどそうだし...なんか今日はもう疲れたから戻って寝よ。そう思って俺は、来た道を引き返すのだった。
次の日の朝からは普通の学校生活だ。俺は高校生なのできっかり朝6時に起き、朝食を食べ学校へ向かった。学校へ着くと、俺は異変に気づいた。静かだ。やけに教室が静かなのだ。いつもは俺より早く来て、駄弁っている陸上仲間のレンも、ケン、もジュンもいない...何かがおかしい...心なしか教室がスカスカだ。そんなことを考えながら席につく。
しばらくすると先生が教室に入ってきて朝礼が始まった。結局、一日中違和感の正体について考えていたけども、その正体はわからないままだった。
どうやらあの悪魔の言ったことは正しいようだ。ヤツの言った通り昨日と同じ異世界のベットで目を覚ます。とりあえず小腹が空いたので街に食べ物を探しにいくことにした。歩いていると商店街を発見したのでとりあえず見に行ってみる。さすが商店街だけあって、果物から雑貨まで色々なものが売っている。俺は飯屋を見つけたので飯屋の扉を開けた、その時だった。後ろの方で大きな音が聞こえた。続いて街の人たちの悲鳴も。振り返ってみると昨日のやつとは違った巨大な一ツ目の毛むくじゃらが手に持った鈍器を振り回し、街を破壊していた。降り注ぐ瓦礫。その下には小さな少女が!「危ない!」何かを考える前に体が動いていた。自分でも気付かぬうちに、少女を庇っていた。「大丈夫?」
「うん!」元気に答える少女。その声を聞き、俺の心の中に、一つの思いが生まれた。”この小さな命を守りたい!”と。”この世界に暮らす彼ら彼女らの生活を守りたい!”と。そうか、これがケツイ。これが命の重み。俺はこの命たちを守り、戦うためにここに来たのか。拳をグッと握りしめ、少女に言う「ここは危ないから。早く安全なところへ!」。
俺にできることは少ないかもしれない。でも、奴らの注意を引きつければ!「おい、こっちだ!」一ツ目に走っていく。うわ、近くで見ると意外とこわい...足がガクガクしてうまく走れない。一ツ目がワーともウォーともつかない奇声をあげて追いかけてくる。ひぇーこわすぎィ!こんなことなら、昨日会ったあの人の弟子になっとけばよかった!そしたらこいつの目もひと突きなのに!そのとき、頭上から声が降ってきた。「待たせたな!」声のしたほうに目をやると、昨日会った筋肉のお姉さん!「相当ピンチっぽいなあ、少年!」「ナイスタイミングです!弟子にでもなんでもなるんで、助けてくだあさい〜」「ガッテン承知の助!」そう言うやいなや手に持った槍を槍投げ選手顔負けのフルスイングで一ツ目のそのでっかい目に向かってシュート!元陸上部だから解るけど凄い勢いなんだって、これが。一ツ目は奇声を上げて倒れていく。「「よっしゃあ!」」思わず歓声がハモってしまった。「助けてくれてありがとうございます」「お前を助けたのは2回目だな!やっぱりお前、私の弟子になる運命なんじゃないか?」「そのことなんですが...」「?」「俺を弟子にしてください!貴方のようのに強くなって、この世界を、そこに生きる小さな命たちを守りたいんです」「よく言った!私が弟子に選んだだけあるな。そういえば、まだ名乗ってなかったな!私はバーミリオンってんだ。よろしくな!」「はい!」俺と師匠は固い握手を交わした。
こうして俺の”槍術士”になるための修行が始まったのだった。
わかりやすくてカッコいいタイトルが思いついた人はぜひコメントしていってください。