ハンバーグ
連載にしてるけど、次の予定は未定!!!
音が聞こえる。
熱く熱く熱せられた鉄板の上、ジュウゥゥゥと音を立てて水分が蒸発し、旨味が凝縮されていく。
そして音と共に漂うのは香ばしさ。
私の鼻腔をくすぐるかの様な香ばしさは、否応なしに期待を膨らませる。
満を持して、ナイフを入れる。
切り口から溢れ出るは、透明でそしてキラキラと光を反射させるモノ。
それは熱せられた鉄板に落ちると、更に大きな音を立てて私の耳と鼻腔を悦ばせる。
あぁ、なんと美しい音色。そして香り。
まさに、鉄板と言う楽器が奏でる音色と食欲を掻き立てる香ばしい香りの二重奏。
まずは岩塩をパラパラとまぶし、ひと口大に切った肉にフォークを立てる。
早くと急かす心を抑えて、肉汁が落ちないようにゆっくりと、それでいて止まることなく口に入れる。
口の中から鼻に抜ける肉の香り。
噛み締めると溢れ出る肉汁。
岩塩の塩気が肉の旨味を引き立てる最高のアクセントとなり、私の口の中を蹂躙し、舌を弄ぶ。
ステーキほど噛む力は必要ないが、十分に楽しめるほどの『肉を食べている』と言う肉の歯ごたえ。
あぁもっと、もっと欲しい。
唾液が更に更にと次の投入を催促する。
待つんだ。慌てるな。
次は黒胡椒と岩塩なのだ。
またもひと口大に切り、そこに岩塩をまぶし、その上にペッパーミルで挽きたての黒胡椒をかける。
挽きたての黒胡椒のほんの少しの柑橘系を思わせる酸味が混じったスッキリとした香り。
我慢の限界を迎え、フォークをさして口に運ぶ。
黒胡椒のピリリとした刺激が増えただけで、先程とはガラリと様相を変えた味となる。
黒胡椒の香りも合わさり、肉汁の脂、岩塩の塩気、そして肉の歯ごたえが私を楽しませてくれる。
あぁ、たまらない。
よし、次はソースをかけよう。
すりおろした玉ねぎが入った醤油をベースにしたハンバーグソース。
それを豪快にハンバーグにかける。
ハンバーグからこぼれたソースは、熱く熱せられた鉄板に落ち、ソースの芳ばしい香りが広がる。
先程まで食べているにもかかわらず、更に食欲を掻き立てる香り。
すぐにひと口大に切った肉を口に運ぶ。
ソースの辛み、酸味、甘み、旨みが肉に絡み、肉本来の脂の持つクドさを包み込み、サッパリとした旨味だけに変える。
噛む度に出る肉汁と合わさり旨味が口の中に広がる。
この幸せは、永遠に続いて欲しいとさえ思う。
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…
さて、明日も仕事か……。
働きたくないでゴザル!